ニコンFのカメラ修理

今日は「秋分の日」ですね!
天文学上の「秋分日」」ということで
昼と夜の長さが同じ日ということになっていますが
実際は昼間の時間のほうが少しだけ長いのだそうです。
それよりも「お彼岸の中日」といった意味合いのほうが強いでしょうね
私も子供の頃は秋分の日は必ずお墓参りでした。。。

さてさて

今日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
以前よりも「ニコンF」の修理依頼が増えてきたような気がします。
Fが実際に発売開始となったのは1959年
既に58年が経過しています。
「F」だけではないのですがこの時代のカメラが
今でも普通に使えてしまうというのはすごいですよね。
ニコン初の一眼レフカメラであり
このカメラから現代の最新デジタルにも通ずる
「ニコンFマウント」が始まったわけですね!

今回、お預かりしている「F」はご依頼者様が
最近、手に入れたものとのことです。
巻上も悪くなく、シャッターも切れていて
持病ともいえるスローガバナの粘り・固着もありません。
ただ、測定機にかけてみると
高速シャッターには随分、ムラが出ていて
青空や白っぽい壁とかを撮ると写真の両端で
濃さが異なる結果になりそうな状態です。
おそらく何十年も未整備の状態でしょうから
油切れもありますし古い汚れが動きを妨げている部分も
もちろん多いと思われます。
ご依頼者様はこれからも安心して長く使いたいとのことで
各部点検整備一式を行うことになりました。

写真は整備後のものです。
特に機械制御シャッター機の場合はそうですが
新しい油を注油するとしばらくは
幕軸等の動きが落ち使ないことがあります。
油が回りきるまで少し時間がかかるためです。
整備後はしばらく時間を空けてから
最終チェックと微調整を行うのですが
今回はその微調整も今しがた終わり完成したところです。

シャッタースピードはもちろん精度OKで
他の各動作部も非常にスムーズに動くようになりました。
ショック品や分解品、水没品
無理に動かして部品が変形したようなものは別ですが
しっかり潤滑するようにさえしてやれば
きっちり精度が出る。。。というのはやはり造りが良いからだと思います。
この時代のカメラは当たり前ですが減っていく一方です。
それでも状態の良いものが少しでも多く残ってほしいものです。

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