ニコンFのカメラ修理

先程、関東甲信地方の梅雨明けが発表されました。
え?まだ6月ですよ?
確かに外は眩しいほどの日差しが照りつけていますが。。。
6月中に梅雨明けするのは統計開始以来初めてのことだそうです。
平年よりも22日早いのですね。
梅雨の期間も23日間しかなかったとのことで
これも1978年に並んで最も短いのだそうです。
今年の夏は暑い上に長そうですね(汗)

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
いわずとしれた伝説の一眼レフですね。
ニコンFは1959年~1973年まで生産されており
基本的な部分は共通ですが
細かな部分はマイナーチェンジを繰り返しています。
今回お預かりしている「F」は1973年に製造されたものと思われます。
いわゆる「ニューF」とも呼ばれるタイプで
セルフタイマーや巻上レバーに黒プラスチックの
指あてが付いたタイプです。
他にも細かい部分でいろいろ変更がされており
マイナーチェンジ的な変更がなされています。

ご依頼者様が最近、手に入れたものということですが
残念ながらシャッターが切れません。
「F」でシャッターが切れないというのは
比較的少ない案件ですが
さすがに製造されてから45年が経過しています。
おかれた環境によっては何があっても不思議ではありません。
早速、分解しながら各部の動きを見てみると
ミラー駆動部の動きが異様に重いことがわかりました。
シャッターが切れない原因はこれのようです。
レリーズしてミラーアップするようにカギが外れるのですが
カギが外れてもミラーアップできないほど
ミラー駆動部が固着してしまっています。
「F」を分解したことのある方ならご存知かもしれませんが
「F」のミラーを駆動するバネは
「ここまで強い必要があるの?」と思うほど太いバネが使われています。
それでも固着する場合もやはりあります。
保存状態さえそれなりに:よければ
簡単に固着する箇所ではないのですが。。。

ミラーが固着しているほどの状態なので
シャッター幕軸も巻上周りも動作部分は全体的に
動きの悪い状態でした。
こういう場合はとにかく丁寧に清掃して
適量の注油を行うことが最善の処置となります。
写真は一通りの作業が終わり後は最終調整を残すのみの状態です。
外観も非常にキレイになり気持ちよく使える状態になりました。

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