ミノルタXEのカメラ修理

今日はバスの日だそうですよ。
首都圏在住になってからは
電車・地下鉄が速くて安いから
バスに乗ることは少ないですが
私の生まれ育った呉では
鉄道は呉線しかありませんから
中学・高校の頃は毎日のようにバスに乗っていました。
まだ床が板張りのバスが多くて
雨の日はやたら滑って転びそうになったことをよく覚えています。
そういえば私がまだ小さい頃は一部の路線で
まだボンネットバスが走っていたのですよ。
普段使うような路線ではなかったので
数えるほどしか乗ったことはありませんが
まだ観光用で走っているのかな。。。

さてさて

本日はミノルタXEのカメラ修理を行っています。
XEの修理、しばらくぶりですね。
ちょっと大柄で重いですが
軽やかな巻上で非常に使い心地の良いカメラです。
昔、BMW直6エンジンがそのスムーズさで
シルキーシックスと言われていましたが
(そのフィールに惚れ込んで何台か乗りました)
XEはシルキー巻上ですね。
そのシルキーな巻上を実現している要因は
ライツ・コパル・ミノルタの3社で開発した
コパルライツシャッター(CLS)です。
その後、発売されたライカR3のベースとなったカメラでもあります。
発売は1974年です。ミノルタXシリーズのカメラとしては
X-1に続いて2台目のモデルとなります。

XEは初期の電子シャッター機ということもあり
長らく未整備で放置されている個体には
何らかのトラブルを抱えているものが非常に多いです。
今回、お預かりしているXEも
シャッタースピード、オート共に不安定です。
加えて露出計は3段以上アンダーとなっており
巻き戻しクランク下の摺動抵抗の劣化が疑われます。

さらにXE。。。というかXシリーズ全般に見られる
プリズム腐食が発生しています。
プリズム前面に貼られたモルトが加水分解することが原因です。
実はSRTも同じ場所に緩衝材を貼っているのですが
Xシリーズとは違い腐食しない材質を使ってあります。
今更ですがXシリーズもモルトではなく
何故この素材を使ってくれなかったのかと思います。
XEのプリズムは子プリズムが接着された形状で
他のモデルからの代用は一切できません。
プリズムにキレイなXEはいまや絶滅危惧種です。

まだ現状チェックを行っただけで
整備はこれから取り掛かります。
外観は非常にコンディションの良い状態なので
中身をしっかりメンテナンスしてやれば
非常に気持ちよく使えると思います。

自慢のシルキー巻上も油切れで
少々、フィーリングが良くないので
そこもできる限り対応していきます。

付属の50mmレンズもカビが見受けられる上に
最小絞りが妙に大きい(1絞り半ほど)ので
今回はレンズの分解整備清掃を行います。

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