地域によっては異なるところもあるのですが
今日は「鏡開きの日」ですね!
鏡餅を雑煮や汁粉にして食べる日です。
もともと武家の風習だそうで
餅を切るのは切腹を連想し縁起が悪いということで
「切る」という言葉を避けて「開く」という言葉にしているそうです。
実際に鏡餅も切るのではなくて木槌などで
砕いて食べるのだそうです。
まぁ。。。お正月に鏡餅どころか雑煮もおせちも食べていない私には
あまり関係のない話ですが。。。。(苦笑)
さてさて
本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年の発売開始で同じ年にデビューした
F-1と基本設計は同様のモデルです。
ただ外見はこれまでのFT系に近いものです。
F-1同様、FDレンズとの組み合わせで
TTL開放測光に対応し、独特の部分測光も同様です。
比較的、手ごろな値段で
(F-1の半分以下の35000円。。。とはいえカメラ自体がこの時代は高価ですが)
非常に人気の高かったカメラです。
今回お預かりしているFTbは正確に言うと
発売開始から2年後の1973年に
マイナーチェンジを施された「FTb-N」です。
最大の違いはファインダー内に
シャッタースピードが表示されるようになったことです。
他、巻上レバー、シャッターボタン
セルフタイマーレバーに変更が行われています。
この時代のキヤンン横走りシャッター機は
油切れが起きているとシャッターが走行した瞬間に
妙に高周波の「キャン」と言った感じの音が混じります。
(毎回ではなくたまになることも多い)
後のAシリーズのシャッター鳴きのように
わかりやすい異音ではないのですが
油切れのない個体と比べると明らかに違いがわかります。
で、この音が起きていると
ほぼ間違いなく高速シャッターの精度は出ていません。
今回も1/1000で1/400くらいしか出ていませんでした。
加えて電池室は蓋の外まで緑青で溢れています。
昨日のハイマチック7もそうでしたが
今回もこれを開けるのにかなりの時間を要しました。
電池室裏側には比較的ダメージが少なかったのですが
それでも接触不良となっています。
いろいろダメージはありますが
致命的な破損等はありません。
全て経年劣化による動作不良です、
とにかく分解して稼動部分は清掃して注油し
露出計関連の回路はクリーニングして
導通を確保するという作業となります。
写真は一通り整備が終わって組み上げている段階でのものですが
シャッター音が明らかに変わりました。
この状態であればあとは微調整で
精度が出せると思います。
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