キヤノンPのカメラ修理

今日は「アイスクリームの日」だそうですよ。
1年中美味しくいただいていますが
これからは正にアイスの季節ですね。
そういえばツイッターではつぶやきましたが
先日、呉に墓参りに行ったときに
呉名物、巴屋の「アイスモナカ」を堪能していきました。
注文を受けてからその場でモナカにアイスを入れてくれるので
モナカはサクサクのままで美味しいのですよ!
昔からのデフォルトはラクトアイスで
爽やかでシャリシャリですごく美味しいのですが
今回は濃厚なプレミアムバニラ+餡子トッピングと
いうのも試しました。
甘さがガツン!ときます(笑)
濃厚なモノが欲しいときには最高の一品です。
機会があれば是非試してみてください。

さてさて

本日は「キヤノンP」のカメラ修理を行っています。
キヤノンは数々の高級レンジファインダー機を
1930年代から60年代まで製造していますが
その中でも「P」は10万台以上生産され
かなりヒットしたカメラだと思います。
比較的普及型とされお得意の変倍ファインダーではなく
35/50/100mmフレームを常に映し出す
等倍ファインダーを採用し
部品点数を減らして比較的お求め易い価格で販売したカメラです。
。。。とはいえ、カメラ自体が高級品だった時代ですので
まだまだお高かったようです。
もちろんこの時代のカメラですから
多少コストダウンを考えたといっても
安っぽさは微塵もありません。
ちなみに「P」はフランス語で「人気がある」という意味の
「Populaire」から命名されたようです。

お預かりしている非常に大切に使われていたカメラのようで
近年は使われていなかったようですが
外観に多少汚れはあるとはいえとてもキレイな状態です。
一通り動作もするのですが
さすがにシャッターの動きは悪く
シャッタースピードの精度は全く出ていません。
後幕の動きが特に悪く
高速シャッターの際にはシャッターが走行している間に
後幕が遅れてスリットがどんどん広くなっていく状況です。
1/1000で測定してみると
走り始めは約1/500(この時点で広がり気味)
視野中心付近で1/200程度
走り終わり付近では1/90程度までスリットが拡がってしまいます。
この状態で1/1000だと思って撮影すると
全体的にもオーバーな上に写真右側は白っぽくなってしまうと思われます。

モナカ状にカバーが外れていく構造は
バルナックタイプの時代から変わりません。
これから本格的に整備を行っていきますが
とにかく動くところはひたすら清掃し
注油の必要なところには新たに注油しなおします。
おそらくこれだけでもシャッタースピードはかなり改善すると思われます。
最終的には幕速を調整して精度を出していきます。

露出計もなくシンプルな「P」は
現在使うレンジファインダー機としてはかなり魅力的なカメラです。
この「P」はご依頼者様の親御様の形見だと聞いていますが
是非思う存分使っていただければと思います。
付属しているレンズも清掃整備いたしますが
これがトプコールS 5cmF2 というこれも写りの評価が高いレンズです。
うーん、なかなか羨ましい組み合わせです。

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