ニコンFEのカメラ修理

今日は「5・18」ということで
「ことばの日」だそうです。
言葉って自分の思いや考えを伝える最大の方法ですが
きちんと使いこなすのは本当に難しいですよねぇ。。。
いったん思ったことと異なる意味に伝わってしまうと
なかなかそれを訂正するにも難しいし。。。
もういい歳したおっさんですから
積極的に自分の考えや思いをひけらかすことは
以前に比べて少ないですが
それでもきちんと自分の考えや思いを
正確に伝えたい場面はありますものねぇ。。。
最近は仕事以外で人と話すことが激減しているので
ちょっとマズいかなぁ。。。と思います。
使っていないと下手になるのは何でも同じですね。

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
昨年はFEがトップクラスに修理依頼の多いカメラだったのですが
今年は少し少ないような気がします。
このブログに登場するのもちょっと久しぶりですね。
当時のニコンのラインナップの中では
F一桁機に次ぐ中級機にあたります。
F一桁機はフラッグシップならではの高級感や
堅牢性が必要なためどうしても大きく重くなりがちですが
FEやFMクラスになるとすごくコンパクトなわけではないですが
随分使いやすい軽快さがセールスポイントとなります。
FEは電子制御シャッター機で絞り優先AEも搭載します。
普段使いに非常に使いやすいカメラです。
加えて指針式の露出計は
現在設定されているシャッタースピードと
露出計が指示するシャッタースピードが同時に確認でき
マニュアル撮影時にも非常に使いやすいものです。
もちろん絞り値もファインダー内で確認できます。
(Aiニッコール使用時のみ)
絞り優先オートでもマニュアルでも使いやすい非常に優れた一眼レフだと思います。

お預かりしている「FE」は
まず1/1000がほとんど開きません。
1/500でも1/2000近い値が出てしまっています。
よくある先幕と後幕のバランスが狂ってしまっていて
後幕が追いついてしまうパターンではなく
先幕・後幕の幕速のバランスは良いのですが
根本的にスリットが狭くなってしまっているようです。
物理的にマグネット吸着部分に問題があるのか
何か電気的な問題か。。。いろいろ探りながら修理していくつもりです。
露出計は少々ズレがあるものの
それほどおかしな値がでているわけではないのですが
オート露出は2段ほどアンダーなようです。
比較的正しい値が出る1/125や1/60を選択するはずの
シチュエーションでこんな様子なので
先述のシャッタースピードの問題と別の問題かと思われます。
他、巻上時(チャージ完了時)に
巻上レバー軸が戻ってこず
巻上レバーがスカスカになってしまう症状があるようです。
(これも言葉で書くと表現が難しいですねぇ)
バッテリーチェックランプも接触が悪いのか不安定です。

レンズは当店のテスト用レンズです。
現状を一通りチェックしたので
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

そういえば。。。以前にも書きましたが

生産時期によってはそうでないものもあるのですが
FEで絞り優先オート使用時に
露出計指針(黒いほうの指針)が1/1000以上に振り切ってしまう場面
(要は光が多すぎてSSが追いつかないような場面)では
シャッターを切っても実際にはシャッターは開きません。
これは故障等ではなく仕様です。
感度400のフィルムを使って
晴天屋外だとこういった場面が多いと思われますので
絞り優先オートで撮影される場合は
ご注意いただければと思います。
オート使用時には指針が1/1000~手ブレしない程度のSSに
入ってることをしっかり確認して撮影いただければと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。