キヤノネットのカメラ修理

今日は「おにぎりの日」だそうですよ。
最近はコンビニのおにぎりしか食べていませんが
炊き立て熱々のお米で握るおにぎりは本当に美味しいですよね!
それであればシンプルな塩むすびでも全然OKです。
ところで「おにぎり」と呼びますか?
それとも「おむすび」と呼びますか?
この違いについて少し調べたのですが
諸説ありすぎてわかりませんでした。。。
私は「おむすび」かなぁ。。。子供の頃から。。。
ちなみに「おむすびの日」もあって
1月17日なのです。
まぁ今日は「おにぎりの日」だから「おにぎり」と呼びましょう
私の好きな「おにぎりせんべい」も「おにぎり」だし。。。(笑)
炊き立てのお米で今度おにぎり握ってみましょう
いくらでも食べられるような気がするなぁ
でも炊き立てだと本当に手が熱いのですよねぇ(汗)

さてさて

今日は「キヤノネット」のカメラ修理を行っています。
「キヤノネット」といえば
キヤノンのレンズ固定式レンジファインダー機を代表するカメラで
時代に合わせていろいろなモデルが出ているのですが
今回は記念すべき初代モデルです。
昨日のAE-1の紹介でも少し触れましたが
まさにその後のカメラ業界を大きく変えた1台と言っていいと思います。
キヤノン最初のコンパクトカメラであり
キヤノンの社員たちが「自分たちでも買えるカメラを」と望み
開発したと言われています。
大口径レンズにレンジファインダー、
内蔵露出計にシャッタースピード優先AEを搭載し
マニュアル露出も可能、シャッターはコパル製で最高速は1/500と
当時考えられる最先端の機能をすべて搭載し
18,800円という衝撃の値段で1961年に発売されました。
ちなみにカメラの性質が異なるので直接比べられませんが
同じ年にデビューしたキャノン7が50mmF1.4付きで
47,500円でした。
参考までに1960年の大卒初任給平均は13100円
かけそば1杯35円、国鉄初乗り運賃10円の時代です。
キヤノネット発売時に2週間分だと予想していた
メーカー在庫がたった数時間で完売してしまうという
強烈なデビューを果たし、業界内部からは「ダンピング」ではないかと
批判されることもあったそうです。
キヤノネット登場以降、カメラの多機能化、低価格化についていけなくなった
かなりの数のめーかーが倒産・撤退に追い込まれたそうです。
キヤノネットは確かにそれまでのカメラに比べ
大幅なコストダウンに成功していますが
それは工法の効率化によるものがほとんどで
分解してみるとわかりますが
部品や構造に安っぽい部分は全くありません。
それどころか非常に質感高く作られていて
針挟み込み式のSS優先AEや露出計のファインダー連動
オート時の連動範囲外時のシャッターロック機構等
非常に考えられた作りになっています。

お預かりしているキヤノネットは
レリーズボタンを押しても全くシャッターが切れません
レンズシャッター機でよくある羽根固着かと思いましたが
若干の粘りはあるものの羽根には問題がなく
シャッタユニットとレリーズ部とのリンクがうまくいってないようです。
セレンは問題なく起電しており露出計も作動しています。
しかしながらファインダー内の露出計表示が少々おかしくて
例えばオート時にレリーズボタンを押すと
ファインダー内指針が動き例えばF5.6でとまるとします。
レリーズボタンを離すと指針は引っ込まないといけないのですが
F5.6を指したまま出っぱなしです。
そしていろいろガチャガチャやっているといつのまにか
戻っているという感じです。
ファインダー下の指針駆動部分が固着気味なのかと思われます。

巻上レバーも巻き戻しクランクも底部なので
上カバーはシンプルです。
すっきりしたカバーに筆記体の「Canomet」の文字がいいですね
上カバーを開けると
光に応じてゆらゆらと動く露出計の指針に妙に癒されます。
先述したように内部の作りもよく
メンテナンス性もよいカメラです。
現存している数が非常に多いため中古市場では評価が
あまり高くない初代キヤノネットですが
もっと評価されてもよいカメラだと思います。