オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「国際ホッキョクグマの日」なのだそうです。
ホッキョクグマと言えば動物園でも人気ですよね
まだ幼い頃に連れて行ってもらった動物園に
ホッキョクグマがいて
敷地内の端から端までをずっと行ったり来たりしているのです
端でターンするときには
一瞬2本足になって大きく首を上にもたげて
方向を変えるのです
それが妙に印象に残って家に帰ってからも
じいさんやばあさんの前で四つん這いになって歩いて
部屋の端まで行って同じような動きを真似していたのを覚えています。
随分後になってから知ったのですが
これはホッキョクグマだけでなく
動物園の動物に時折みられる「常同行動」と呼ばれる「異常行動」で
ストレスが原因で同じ行動を繰り返すのだそうです。
きっとそのときもストレスたまってイライラして
あの行動だったのですねぇ
子供でわからなかったとはいえ
おもしろがって真似してごめんなさい。。。
動物園も今はこの常同行動をみつけると
いろいろと対策を立てるのだそうです。
外敵や餌に苦労することはないとはいえ
わけもわからず限られたスペースの中に閉じ込められるわけだから
それはいろいろストレスもたまりますよねぇ。。。
いろいろな動物を知ることのできる動物園は必要だし
大切だとは思いますが
そこに住む動物たちもできるだけ快適に暮らしてほしいものですね

さてさて

今日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
相変わらずコンスタントに修理依頼の多いカメラです。
それだけ今でも人気の高い証明でもありますね

お預かりしているOM-1は使用感のある年季の入った
ブラックボディです。
中身にダメージを受けるほどではないですが
上カバーの角には多少の凹みや塗装剥げも見られます。
捉えかたは人それぞれですが
適度な使いこまれ感が渋いといえる感じでもあります。
それでも全体的には年代を考えるとキレイな部類だと思います。
見た目はそんな感じで大きな問題もないのですが
このOM-1、まずはしゃったーが全く切れません。
シャッター幕の位置をフィルム室側から確認してみると
どうやらチャージはされています。
シャッターボタンは押し下げることができないので
レリーズすることができずにシャッターが切れない状態です。

OM-1のこういうパターンはまず底部三連ギアの
位置関係に問題が出ていることがほとんどですが
底カバーを開けて確認してみると
案の定、底部三連ギアは巻上途中の位置で固まった状態です
ここがリリーズ状態であろうとチャージ状態であろうと
基本的な位置に戻っていなければシャッターを切ることはできません。
まずは三連ギアのうち二つを取り外し正しい位置に
設定しなおすととりあえずはシャッターは切れました。
しかしながら今度は巻上時に巻き止めが効かず
何枚分でも延々に巻き上げることができてしまいます
(もちろんシャッターは切っていないのにです)
三連ギアの位置がおかしなことになってしまったのは
おそらくこの巻き止め動作不良が原因かと思われます。
ここだけではなく三連ギアやシャッターの幕軸、巻上機構部
スローガバナー、調速カム。。。等々
いろいろなところの動きが悪い状態で
積年の汚れがあちこちに詰まっている感じです。

いつも問題になりがちな
露出計周りには大きなトラブルはないようです。
ただ、今回は1.5Vで最適な値が出るように調整しなおします。
毎度おなじみのプリズム周りは以前に対策が取られているようですが
それでも多少プリズム外側塗装部には侵食が見られます。
まだ内部剥離までには至っていないので
できる限りの対策を取って
今回は現状のプリズムをそのまま使います。
あとはとにかく駆動部分を徹底的に洗浄・清掃を行います。
その上で細かくシャッタスピードの調整等を行っていきます。
整備を進めているうちに動きやすくなったのか
巻上の感触もOMらしいシャリっとした中に
滑らかさを感じる独特のフィールに戻ってきました。
ご依頼者様のお手元に戻るころには
かなり気持ちよく操作できる状態になると思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。