キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「マリモの日」だそうです。
1952(昭和27)年のこの日に
北海道・阿寒湖のマリモが
国の特別天然記念物に指定されたことが由来となっています。
マリモと言えば阿寒湖ですよねぇ
子供の頃、うちにもマリモがいましたが
何年かかっても直径1.5cmくらいで大きくはならなかったなぁ
割と最近知ったのですが観光地等で売られているマリモは
人工的にマリモの糸状体を人工的に丸めただけのものだそうです。
そりゃ大きくはならないですよねぇ
マリモはあの丸い姿が一個体単位というわけではなく
球状体を構成する細い繊維(糸状体と呼ぶ)が
マリモの個体としての単位なのだそうです。
で、糸状体のマリモは阿寒湖だけではなく
北海道から関西地方までの湖沼に分布し
多くの生息地では糸状体の形態で暮らし
球状の集合体を作らないのだそうです。
国内で球場の集合体を作るのは阿寒湖と
小川原湖(青森県)だけだそうです。
何とも不思議な植物なのですねぇ…
阿寒湖のマリモ集合体は大きいもので30cmくらいになるそうです。
一度は本場阿寒湖のマリモ、見てみたいですねぇ

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
一時期m非常に修理依頼の多かったFTbですが
今回はしばらくぶりですね
1971年に発売された機械制御シャッター機の中級機です。
同年にプロ仕様フラッグシップ「F-1」が発売されており
「Fー1」とほぼ同時にキヤノン初のTTL開放測光機ともなったわけです。
それに伴ってレンズラインナップも開放測光に対応した
「FDレンズ群」にモデルチェンジされています。
F-1とほぼ同時開発ということもあり
構造的に共通している部分も多いのですが
スタイリング的には前モデルの「FT]を継承したものであり
FXから続く「Fシリーズ」の本流と思えるカメラです。
「FT」の開放測光対応機とも言えると思います。
発売から2年後の1973年にマイナーチェンジが行われ
巻上レバーやセルフタイマーレバーのデザイン変更が行われ
機能的にもファインダー内に設定されているシャッタースピードが
表示されるようになりました。
旧F-1を除けばキヤノンの最後のマニュアル露出専用機であり
機械制御シャッター機ということになるのですね
F-1は別格とするとキヤノン普及機クラスでは早々に
マニュアル専用機から手を引いたというのがわかると思います。
これも結果論ですが電子制御機の「Aシリーズ」を成功させるために
「選択と集中」を行った結果なのでしょうね。

お預かりしているFTbはマイナーチェンジ後の
いわゆる「FTb-N」とも言われるモデルです。
シャッターは切れてはいますが油切れの兆候が出ていて
シャッター音も高周波の強い「ギャイン」という音をたまに発します。
案の定、高速シャッターの精度は全く出ておらず
1/1000はほぼ全閉、1/500も一部開いていない状態です。
幕走行不良で先幕の幕速が遅く後幕に追いつかれてしまう状態です。
その上、後幕の幕速も非常ぬ不安定で
計測するたびに大きく数値が変わります。
ファインダー内はゴミや汚れが多いですが
心配されるプリズム腐食はないようです。
電池は1.5Vの625A電池が装着されていますが
そのまま1.5Vだとやはり振りすぎで
露出計の言うとおりに絞り・SSをセットすると
結果的に2段程度アンダーな設定になってしまいます。

レンズはFD50mmF1.8 s.c が装着されていたのですが
これがFDレンズお約束の絞りの固着が発生しており
絞り羽根が全く出てきません。
ちょっと状況が気になるので先にレンズを少しばらしてみます。
上の画像ではレンズは全て外してマウントも外し
絞り駆動部を直接操作すると
「ズルッ」という感じで絞り羽根が出てきました。
画像ではわかりにくいですが
羽根には油がべったり付着しています。
しっかり羽根清掃を行わなければならないようです。
ここまで確認したのでこれから先にレンズの整備清掃を行い
それからボディ側の分解整備に取り掛かりたいと思います。

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