オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「灌仏会・花まつり」ですね。
お釈迦様の生誕を祝う行事です。
本来、クリスマスなんかより
今日の花まつりのほうが盛り上がってしかるべきなのでは?と
毎年4月8日が来るたびに思ってしまいます(笑
私が通っていた幼稚園(50年近く前の話ですが)が
浄土真宗本願寺派のお寺さんがやっている幼稚園で
(幼稚園ってお寺がやっているところ多いですよね)
お釈迦様のお話をいろいろ聞かされる時間が
結構あったのですね。
またうちのじいさんがそういうの好きだから
お釈迦様のありがたいお話をわかりやすくした
絵本とかを買ってくるのです。
さすがにもう覚えてはいませんが
当時は喜んで聴いていたような気がします。
まぁ道徳的な教育には良いのではないかと…
ありがたいお話はいいのですが
それよりも甘茶と美味しいお茶請けが欲しいですよねぇ(笑

さてさて

本日は「オリンパOM-1」のカメラ修理を行っています。
今月もしっかりOM-1の修理は予定されています。
相変わらずお問い合わせも修理・整備依頼も
圧倒的に多いカメラです。
やはりこのコンパクトさで機械制御シャッターというところが
人気の理由なのでしょうね。
電子制御シャッター機も含めれば
OM-1と同じように軽量コンパクトな一眼レフもいくつかありますが
やはりメンテナンスの部分等で不安なところもありますし
やはり最初にこのサイズで出したOM-1がすごいということで
現存している台数も圧倒的に多いというのもあるかと思います。
同じような機械制御機で同じような大きさの機種もあるのですが
OM-1はただ小さくて軽いということだけではなくて
巻上フィール等を含めた使い心地がまた何とも気持ちよいカメラなのです。
巻上のスムーズさだけならOM-1より上をいくカメラもありますが
あの独特のシャリっとした巻上は何とも気持ちよく
さらにシャッター音も上品で心地よいものです。
と、いろいろ考えてみるとやはりOM-1が人気なのは
よく理解できるような気がします。

お預かりしているOM-1はMD対応の後期モデルです。
定番のプリズム腐食もなくシャッターもとりあえずは動作しています。
ただ、マウント部のシャッタースピードリングを回しても
全くクリック感がなくスルスるどこにも止まらずに回ってしまいます。
これは思った以上に使いにくいですね。
クリックを出しているのはリング内側にセットされた
小さな鋼球ですが、これが何らかの理由で紛失してしまっていると思われます。
…と最初は思ったのですが
じっくりゆっくりリングを回してみると
かすかにクリックがあるような気もします。
ん~単純に鋼球がないならわかるのですが
少しでもクリック感があるということは…開けてみないとわからないですね。
で、後から実際に開けてみてわかったのですが
鋼球をリングの凸凹に抑えつけている
板バネが折れてしまっていたことが原因でした。
ここが折れるのはなかなか珍しい現象ですね
それほど負荷のかかる部分ではないのですが。。。
やはり50年近く経過していると脆くなってくるのでしょうね
板バネはしっかりしてそうな中古良品と交換しました。

露出計の精度はまずまず出ていますが
シャッタースピードは後幕の動きがかなり不安定で
シャッター切るたびに大きく値が変わります。
影響の出やすい1/1000設定時に良いときと悪いときで
1段以上露光量が変わるようなのでもう少し安定させてやらないと
安心して使える状態とは言えないと思います。
最初に語った魅力のひとつでもある独特の巻上フィールはなかなか良好です。

装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
ボディはなかなか良い具合に使い込まれた感のあるブラックボディです
画像には写っていませんが底部はかなり地金が出ていて
なかなか良い風合いが出ています。
まだ現状チェックを行っただけの段階です。
これから本格的に分解整備に取り掛かりますが
結構使い込まれている個体と思われますので慎重に取り掛かります。
意外とOM-1は開けてみると予期できないトラブルが
起こっていることも多いのです。
ただ、OM-1はさすがに中身もかなり見慣れている上に
資料もいろいろ揃っているので
少々何か起こっていても大抵のことが対応できるかとは思います。
ただあまり手間のかかることが起きていなければ良いのですが…

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