ヤシカミニスターⅡのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「小満」です。
「万物が次第に成長して、一定の大きさに達して来るころ」と言われ
この頃に麦畑が緑黄色に色付き始めます。
人々の生活の糧(かて)である麦などに穂が付き
ほっと一安心(少し満足)という意味から
「小満」になったという説もあるそうです。
まぁ確かに都内でも梅雨入りはまだですが
毎日のようにシトシト雨が降り
いろんな植物が育ってきそうな気がしますね
。。。でもまだ5月なのです
もう少し五月晴れが続いてもいいのでは???
そんなことを思いながら
店の入り口から濡れた道路を眺めています。
静かな雨の日は外に出なければ意外と嫌いではないです(笑

さてさて

本日は「ヤシカ・ミニスターⅡ」のカメラ修理を行っています。
初代のミニスターが1960年に発売され
その続編となる「ミニスターⅡ」は1962年に発売されます。
初代と同じくLV表示・非連動のセレン式露出計を装備し
露出の設定もLVリングを使って設定します。
少々慣れは手間は要しますがSSリング・絞りリングで
LV関係なく設定することも可能です。
この「Ⅱ」からはボディダイキャストが
リンクスと共通化されています。
そのため外寸は一回り小さくなりました
距離計は初代のハーフミラー仕様と異なり
プリズムを使用して作られています。
レンズは4.5cmF2.8でスペック的には初代のものと変わりませんが
3群4枚と少しシンプルなものになりました
シャッターは初代と変わらずコパルSVLで最高速は1/500です。

お預かりしている「ミニスターⅡ」は
随分長い間眠っていた個体と思われます。
全体的に程度は悪くなく
心配されるセレン光電池もしっかり起電しているようです。
ただ長期間全く動かしていない影響はいろいろ出ていて
LVリングをはじめとする鏡胴のリング類の動きは固く
シャッター・絞りにも少しばかりの粘りが見られます。
巻上のフィールも今ひとつです。
ファインダーはプリズムの表面と接眼レンズに
随分汚れがありますが
ハーフミラーではないのでおそらくキレイになると思われます。
プリズムに目立つ腐食等はなさそうです。
レンズは意外とカビは少なくこちらも清掃で
十分にキレイになりそうです。

まだ取り掛かったばかりですが
一通りの整備を行っていきます。
程度は良い方だとは言えども
いろいろと動きの悪いところ汚れの多いところ等々あるので
一通りの整備を行うことで
当分の間、快適に使える状態になると思います。
それでもやはり定期的に使ってやらないと
調子を崩していしまうこともあるので
整備後も1ヶ月に1回は優しく「ある程度」は
動かしていただければと思います。

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