ミノルタニューSR-7のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「芒種」です。
芒(のぎ 、イネ科植物の果実を包む頴(えい)
すなわち稲でいう籾殻にある
とげのような突起)を持った植物の種をまくころだそうです。
実際の現在の種まきはこの時期ではなく
もっと早いですよね
二十四節気が決められたのは紀元前の中国内陸部での
お話なのでなかなか現在の日本で
そのままあてはまるものばかりではないですよね
でもずっと長い間使われているものなので
実際の感覚とのズレも含めて微妙な季節感を表していると思うので
このままでよいのかなと思います。
日本では基本的な二十四節気に加えて「雑節」などもありますし。。。
芒種の次はいよいよ夏至ですよ
梅雨らしい天気の合間に初夏を思わせる日差しも出てきていますが
例年多い「ゲリラ豪雨」なんてのがないといいですね
やっぱり梅雨はしとしとと適度な雨が降り続くのが
情緒あふれてていいですね

さてさて

本日は「ミノルタニューSR-7」のカメラ修理を行っています。
「SR-7」そのもののデビューは1962年ですが
「ニューSR-7」のデビューは1965年です。
ネーミングは同じく「SR-7」ですが
中身。。。だけではなく外装も含めて全くの別物です。
スペックだけは同じようなものなのですが
根本的にダイキャストが変更されており
「ニューSR-7」のダイキャストは次モデルの「SR-T101」と共通のものです
これだけ異なるモデルなのだからモデル名ごと
変えても良かったのではないかと思うのですが
モデル名はあくまで「SR-7」なのです。
モデル名と言えば「SR-7」の前は「SR-3」で
なんでいきなり「7」なのかというと
ハイマチック7と同じで
初代ハイマチックOEM品のアンスコオートセットが
フレンドシップ7に載って宇宙に行ったことが由来となっているそうです。
さらにマイナーチェンジを含めると7代目の一眼レフということもあるそうですが
それはちょっと無理矢理かな。。。(笑
従来の「SR-7」と「ニューSR-7」の違いは
ダイキャストの変更による小型化もそうですが
ユニット化されたミラー駆動部と一体化された横走りシャッター機構も
従来のダイキャスト側に設置されるシャッターに戻っています。
修理する立場とすればやはりこっちのほうがやりやすいかな…
外光式の露出計自体はそのままですが
感度切り替えが背面からマウント脇に移動されています。
さらにSR-Tと同じ底面にBC-OFF-ONのSWが設置されています。
露出計周り以外は初期のSR-T101とやはりかなり似ています。

お預かりしている「ニューSR-7」は
ちょっとめずらしいブラック塗装です。
ところどころ地金が出ていて
適度に使い込まれた感がなかなかステキです。
外観はそれなりに良いのですが
まずはこのSR-7、全く巻上ができません。
巻上ロックが完全に噛みこんでいるようで
巻上レバーはビクとも動きません。
もちろんこの状態で無理に動かそうものなら
破損させてしまうのが関の山なので
無理は絶対にしません。
シャッター幕の位置を見てもリリース状態なので
シャッターが切れないわけではなくて
巻上ができない状態のようです。
原因は。。。さすがに分解してみないとわからないですね
どこかの部品が固着して巻上ロックが
解除されないのだとは思われますが。。。
シャッターが切れないので現状で確認できる箇所は限られますが
露出計も問題があり非常に不安定な上に
3段以上オーバー傾向です。
チェックしている間にバッテリーチェックも含めて
完全に動かなくなってしまったので
どこかの接触が悪い、あるいは断線かと思われます。

それからファインダーにゴミの混入もそれなりにあるのですが
コンデンサレンズがかなり曇っていて
ファインダー全体が妙に低コントラストです。
もちろん清掃でクリアにしていきます。
上の画像は取り掛かったばかるの段階のものですが
巻上周り及びシャッター周りは
1ヶ所のトラブルではなくあちこちが強烈に固着していました。
溶剤で根気よく洗浄した後に最小限の注油を行い
何とか通常の動きを取り戻すことができました。
露出計は電池室~SW部の配線が完全に腐食して
ほぼ導通していない状態でした。
確認できているトラブルの処置は一通り行えたので
後は各部の確認を行いながら通常整備+調整を行います。
分解するまで状況がはっきりしなかったので
少々不安でしたが何とかなりそうで少し安心です。

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