コニカオートSのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「霜降(そうこう)」です。
秋が一段と深まり
露(つゆ)が冷気によって霜(しも)となって
降り始める頃…とされています。
例年なら大抵、いやそうはいっても日本じゃ
(二十四節気は元々中国内陸部のもの)
まだ早いでしょ?と思うところなのですが
昨日・一昨日は関東は12月並みの寒さということで
霜降…いや確かにそのくらい寒いよ!って感じでした(苦笑)
今朝も冷え込みましたが
今日は天気も良く陽射しがあるようなので
例年並みの気温まで上がりそうですね!
霜降の次はもう立冬ですよ
毎年思いますが秋って他の季節に比べても
駆け足で通り過ぎていくような気がします。
まだ暑いしなかなか秋がこないなぁ…と思ってたら
ある時期を境に一気に気温が下がり
あっという間にモミジが色づき
イチョウが色づき…落葉が始まり
気が付いたら冬の入り口ですものねぇ
近年は特にそう感じます。
もっと長ーく秋が続けばいいのになぁ…
ちなみに「霜降」に由来する記念日として
サツマイモが成長する時期であることから
10月23日は「おいもほりの日」となっています。
いもほり…いですねぇ…幼稚園の遠足で行ったのが
なぜか強烈に記憶に残っています。
あぁ…ヤキイモの季節ですねぇ…食べたいなぁ…
どこかで買ってこなくては…

さてさて

本日はコニカオートSのカメラ修理を行っています。
コニカの35mm判カメラは1947年の「コニカスタンダード」でスタートし
それからここのブログでもよく登場する
「コニカⅠ」「Ⅱ」「Ⅲ」と続き
大きくイメージを変更した「Sシリーズ」へとモデルチェンジします。
その「Sシリーズ」をベースに
シャッタースピード優先オート露出を搭載したのが
「オートSシリーズ」となります。
その最初のモデルが今回の「コニカオートS」です。
「Sシリーズ」ではセレン光電池を使用した露出計でしたが
オートSでは受光体をCdSに変更し
シャッターユニットはオート制御向け設計のコパルSVAに換装されました。
搭載レンズはヘキサノン47mmF1.9となります。
1963年の登場でベースとなる「S」シリーズも
同じ年に「SⅢ」が登場しており多くの部品を共用します。

オートSシリーズは全体的に
修理依頼で入ってくるものの多くが露出計関連のトラブルです。
もっと掘り下げると電池室及び電池室周り配線のトラブルです。
今回のオートSも比較的近年まで使われていたのだと思われ
電池室には電圧変換型の電池アダプタがセットされています。
ただその中に履いているSR43電池は
真っ黒に腐食してしまっています。
電池アダプタが発売されてからももう軽く20年以上経ちますものねぇ
(水銀電池が国内で生産されていたのは1995年まで)
電池アダプタが入っていても
もはや近年のものとは限らないですね
電池室の腐食はそれ以前の水銀電池使用の頃から
始まっていたと見られ
マイナス端子側の留め部は緑青がびっしり付着しています。
当然、ハンダは断線状態で
かろうじて物理的に繋がっている配線も腐食で
簡単にプツプツと切れてしまう状態です。
配線はもちろん交換で端子は緑青を落としたうえで磨きます。
露出計は本体にまではダメージはないようで
露出計本体に直接電圧をかけると
元気よく針は振れてくれます。
加えてこのタイプの絞り制御機能のものにはよくある症状ですが
マニュアル時には問題ないのですが
オート時に絞り羽根の粘りでうまく絞り込めない症状が出ています。
オート時にはより小さなバネ力で
絞り羽根を制御するのでちょっとした粘りでも
すぐに影響が出てしまいます。
シャッター羽根と合わせて羽根洗浄が必要な状態です。

まずはここからさらに分解を進めて
シャッター周り、絞り周りの整備から行っていきます。
レンズ・ファインダーにもかなりカビが見受けられますので
取り外した際に当然清掃を行っていきます。
シャッタースピードリングの動きに合わせて
露出計本体を回転させていくタイプですね
そのための連動糸も見えています。
構造がしっかり理解されていれば
それほど難しいカメラではありませんが
生産されて50年経過するカメラなので
部品劣化に注意して慎重に作業を行っていきます。

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