ペンタックスSVのカメラ修理

今日は記念日はピンとくるものがないのですが…
何か4/21に起こった出来事ないかな…と思って調べていると
1934年のこの日にイギリスの新聞がネス湖で撮影された
ネッシーの写真を掲載していますね。
「外科医の写真」と呼ばれた
ネッシーが水面に首をもたげている有名な写真です。
小学校の頃、いろんな本や雑誌でこの写真何度も見ましたねぇ~
実際に撮影したのは「外科医」ではなくて「産婦人科医」で
さらに撮影者が晩年(1993年)に
トリック写真であったことを白状したことでも
話題になった写真ですね。
…とはいえこの有名な「外科医の写真」は本人が白状する前から
周りの水面の波の大きさ等からトリック写真ではないかという
疑惑は1960年代から出ていたのだそうです。
本人としてはエイプリルフールのジョークのつもりだったようですが
世界的に注目されたことで引くに引けなくなったそうです。
ネッシーの存在云々はともかくとして
ちょっとした冗談が引くに引けないことになることはありすよねぇ
まぁこれはちょっと極端な例ですが…
特に現在ではネット等で自身の発言や行いが思いもよらぬところから
注目される可能性もあるので
昔よりも怖いですよねぇ…
便利にはなったけど難しい世の中になりました…

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
数日前にも「SV」の修理をここでも書きましたが
「SP」もそうですがペンタックスM42マウント機の
修理整備依頼はコンスタントに入ってきます。
やはり大ヒット作でもある「SP」が圧倒的に多いですが
比較的現存台数の多いSVやS2・S3も多いですね。
ただし「SP」だとそれほどひどいものはまだみかけませんが
S2,S3,SVの場合だとシャッター幕が劣化しているものが非常に多いです。
一般的な布幕の場合、ゴム引き幕と呼ばれるもので
片面はゴム素材が貼られています。
このゴム部分が長年の経年劣化で傷んできてしまいます。
保管環境によってはゴム部分がいったん溶けてしまい
再び固まったような様な状態になっているものもあり
こうなると粘着質になって
シャッターが動かなくなっているものも多く見られます。
もちろん動いたとしてもゴム部分にひび割れや裂けができていたりして
本来の役目である遮光自体ができなくなっているものもあります。
そこまでは劣化が進んでなくてもゴムの痛みにより
幕が硬化しているものも多く見られます。
硬化しているので巻きグセがついてしまっていて
遮光そのものはできていてもスムーズに走行することはできません。
これも症状は様々ですが
シャッターが最後まで走り切れなくなって
途中で止まってしまうものも多く見られます。

今回お預かりしているSVはシャッター自体はどうにか動いていたものの
ご依頼者様のご要望もあり幕交換を行いました。
やはり外してみるとよくわかりますが
硬化はそれなりに進んでいて本来のしなやさかさは全くなく
これがバネの力でスムーズに動くわけがないよなぁ…という状態です
当然、幕交換を行うということはシャッター周り
巻上周りの設定は最初から調整しなおします。
貼った後の調整も大事ですが
幕自体を正しい位置に貼り、
先幕・後幕の位置関係が正しい状態になっていることが大前提で
ここが上手くいっていないといくら後で調整しようとしても
まともな精度はでないことになります。

画像は一通りの整備が終わった後の状態で
手前に写っているのが元々貼られていたシャッター幕です。
画像ではわかりにくいですが
硬化はそれなりに進んでいて波打った状態で
固まってしまっているのがわかります。
交換後はシャッタースピードの精度は
1/1000から全く問題なく安定して出ており
巻上の軽さやスムーズさも申し分ありません。
当分の間、気持ちよく使っていただける状態になったと思います。

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