コニカFTAのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「穀雨」ですね。
この頃には田畑の準備が整い
それに合わせて春の雨が降る。
この春雨は穀物の成長を助けることから「穀雨」と呼ばれます。
種まきや育苗に適した時期であるそうです。
今日もどんより曇天でときおり小雨が降っているようですが
これが穀物の成長を促すわけですねぇ
次の節気はもう「立夏」なのですが
昨日の午後や今日のように陽射しが途絶えると
まだ少し肌寒さを感じますねぇ
私が個人的に寒さに弱くなってしまったせいもるでしょうが
まだ足元のオイルヒーターが手放せないのですよねぇ
数十年前はGW前後にはタンクトップで出かけていたような
記憶があるのですが…(苦笑)

さてさて

本日は「コニカFTA」のカメラ修理を行っています。
コニカARレンズマウントの一眼レフです。
発売開始は1968年です。
それまでのオートレックスが外光式の露出計だったのに対して
FTAではTTL露出計となりました。
露出計指針挟み込み式のシャッタースピード優先は
オートレックスと同様ですがFTAは35mm判専用機で
ハーフ判への切り替えはできません。
シャッターはコパルスクエアSを搭載します。
60年代の一眼レフなので少々大柄で重いですが
非常にしっかり造られたカメラです。
前期モデルは露出計SWが上カバー背面部に配置され
後期の「ニューFTA」になるとシャッターレリーズ部に移設されます。
今回お預かりしているのは前期モデルです。

お預かりしているFTAは
まずミラー駆動部の動きが悪く
空シャッターを繰り返していると段々レリーズして
シャッターが切れるまでの時間が長くなっていきます。
レリーズしてミラーガ動き始めるまでの時間が
段々長くなっていく感じです。
そのまま続けているとレリーズしてから
シャッターが動き始めるまで10秒近くかかかるようになってきます。
そのうちシャッターが切れなくなりそうです。
シャッター羽根の動きも少々粘りがあるようで
高速シャッターの精度は全く出ていません。
そして電池を入れてSWをオンにしても
露出計は全く動きません。バッテリーチェックも同様です。
そしてこれはFTAの持病と言っても良いと思いますが
ファインダーもクモリが酷いです。
露出計の指示盤が読み取れないほどです。
このファインダーのクモリはFTAの場合、
接眼レンズが曇っている場合がほとんどで
それも汚れて曇っているのではなく
接眼レンズの変質が原因で雲っている場合がほとんどです。
そうなると清掃では残念ながら除去できません。
そして交換しようにも曇っていないFTAの接眼レンズが
これがまたなかなか見つからないのです。

まずはその接眼レンズの状況から確認します。
その曇り具合から「これは交換しないと難しそうだけど
交換できるほどキレイなものもうちにはないし
どうしようかな…」と考えていたのですが
いろいろ考え付く手段をあれこれ試してみたところ
今回は運よくかなりクリアにすることができました。
今回は本当にたまたまです。
大半のケースでは上手くいかず結局交換することになるのですが
その交換する接眼レンズも多少なりは
除去できない曇りを抱えていることがほとんどです。

ミラーやシャッターは
通常整備で本リアの動きを取り戻せると思われます。
露出計は電池室底部(マイナス側)裏の端子が腐食していて
断線状態でした。ここからバッテリーチェックSWへとまず
接続されるのですが配線自体も腐食してしまっています。
このあたりは端子を磨いて配線交換で対処します。
画像は上カバーを外して接眼レンズを外しただけの状態ですが
このカメラも糸連動が多い上に挟み込み機構部のリンケージもあるので
ミラーボックスの取り外し及び再組立てはなかなか大変です。
まずは糸の処理に細心の注意を払います。
オート時の絞り制御機構もなかなか独特で
見た目のオーソドックスさとは裏腹になかなか独創性の高いカメラです。

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