ペンタックスMEスーパーのカメラ修理

HPトップページやSNS等で既にお知らせしていますが
明日5/1~5/6はGW休業といたします。
ご迷惑をおかけいたしますがご容赦くださいませ。

4月もあっという間に終わりましたね
月末の本日30日は「図書館記念日」なのだそうですよ。
1950(昭和25)年のこの日に
「図書館法」が公布されたことが由来となっています。
比較的近年まで図書館にもよく通っていて
本も良く借りていたのですが最近はご無沙汰ですねぇ
私は本は資料としていろいろ調べ物をするために借りることが多く
小説とかは読まないので
そういう目的だと最近はネットでことが足りてしまうのですよねぇ
でもネットだとある程度目的を決めてから調べることになるのですが
図書館だと漠然と「何か面白そうなものないかなぁ…」と
いろいろな分野の本棚を見て回り
それまで自分が知らなかったような分野の本を
手に取ることができるのがいいのですよねぇ
たまにはふらっと図書館には立ち寄ってみたいですね!

さてさて

本日は「ペンタックスMEスーパー」のカメラ修理を行っています。
「Mシリーズ」の基本形となる「ME」が発売されてから
3年後の1979年に発売されたカメラで
絞り優先オート専用機のエントリーモデルだった「ME」に
マニュアル露出モードと1/2000シャッターを追加し
さらに非常に明るくピントの山が掴みやすい
「クリアーブライトマットスクリーン」を搭載し
機能的にも使い心地的にも中級機以上のポジションとなったカメラです。
もともと「ME」の上品なシャッター音や
感触の良い巻上はクラスを超えたものでしたが
「MEスーパー」になったことで機能的にも
より使い勝手の良いカメラになったと思います。
元々のモードダイヤルは「ME」と同様の形状を保持し
そこに「マニュアルモード」が追加され
マニュアル時のSS設定は「UP」「DOWN」の2ボタン式になっています。
ダイヤル式に慣れた身からすると
少々最初は違和感を感じるかもしれません。
しかしながらこのボタン式のSS設定は
この後の「Aシリーズ」や中判の「645シリーズ」にも受け継がれます。

基本的な機械部分のベースは「ME」なので
「ME」同様の機械的トラブルが起こりがちです。
今回お預かりの「MEスーパー」も
MXを除くMシリーズ共通の持病ともいえる
ミラー駆動部のゴムブッシュ劣化によるミラーアップが発生しており
巻上はできずどうにも動けない状態です。
正確にいうと溶解したブッシュが抵抗になり
ミラーダウンができない状態です。
気を付けなければいけないのは
この状態ではなんの動作チェックもできない上に
この状態をとりあえず脱するためには
ミラーボックスを降ろしてミラー駆動部の整備を行うしかなく
もし電子基板関連のトラブルがあったとしても
一通り整備してみないと発見できないことです。
明かな基板腐食とかがない限り
ME系の基板は比較的丈夫なので可能性としては低いのですが…

整備性は非常に良いカメラですが
何度も無駄にミラーボックスの脱着は行いたくはないので
(余計なトラブルを呼び込むリスクにもなります)
当たり前のことですが
症状が出ていようがいまいがシャッターユニットの整備
マグネットの清掃、各ハンダ部の点検や再ハンダ付け
摺動抵抗の清掃等々、トラブルの原因になりそうなところは
一通りしっかり整備を行います。
先述したように全く動作チェックができず分解に至っているので
できることは全て行っておきます。
再組立て後に行うのは電気的な調整のみです。
これで何か組立て後に大きな問題があるとすれば
基板交換しかない…という状態で再組立てを行います。
それから過去にも書きましたが
この時代のペンタックス機は内部モルトがふんだんに使われています。
外からは見えないところですが
劣化させているとこれも余計なトラブルの元になるので
全て交換していきます。
整備性は良いとはいえチェック必須な部分はやはりそれなりに多いですね。

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