今日は「広島平和記念日」ですね。
いわゆる「原爆の日」です。
私が生まれ育ったのは広島市内中心部から
30km弱離れた呉市で
一緒に住んでいたじいさんばあさんも
当時は呉にいましたが呉市内からも巨大なきのこ雲が見えたそうです。
戦時中や原爆の話は子供のころから
いろいろとじいさんばあさんに聞かされました。
ただ、ここで平和や戦争について書き始めると
収拾がつかなくなるので深くは触れませんが
なんだかんだありながらも普通に生活できていることに
感謝しつつ静かに祈りを捧げたいと思います。
さてさて
本日は「ペンタックスK1000」のカメラ修理を行っています。
モデル的には70年代半ばの「Kシリーズ」の一員になりますが
「K1000」の国内販売開始は1986年です。
国内ではこの頃にはペンタックス一眼レフは
MFの一眼レフシリーズとしては最後となる「Pシリーズ」の時代です。
もともと「K1000」は1976年あたりから当時の
「KM」からセルフタイマーとプレビュー機能を省いた機種として
輸出専用機として生産されていました。
しかしながら80年代になるとマルチモードAEカメラの全盛期となり
天文撮影や写真・美術系学生などから強い要望のあった
必要最低限の機能の機械制御シャッター式フルマニュアルカメラの需要に
応えるために国内発売が開始されたのだそうです。
1995年まで販売が続けられた隠れたロングセラー機です。
「KM」がベースなので中身の構造は「SPF」ということです。
細かい周辺部の構造や部品はかなり変更されていますが
基本的な構造はKマウント化されたSPFと言っていいと思います。
お預かりしている「K1000」は上カバーを始め
外装部品にプラスチックが多用されており
かなり後期のものではないかと思われます。
比較的新しい…ということですね。
シャッターや露出計に関しては精度はともかく
とりあえずは一通り動作しています。
ただ、やはり汚れや油切れの影響で動作は少し不安定です。
それよりも今回の「K1000」の一番の問題は
プリズム腐食です。
Kシリーズの一員なのでプリズム周りにぐるっと
モルトが貼られておりそれが原因となるプリズム腐食が
多いのですが今回はそこではなく
頂点部の蒸着剥がれが原因のプリズム腐食です。
そのためファインダーを覗くと
KシリーズやSP系に多い横方向の黒帯ではなく
視野中心部縦方向に大きなモヤモヤができてしまっています。
ど真ん中な上に幅も広いので
とても普通にピント合わせができる状況ではありません。
こうなると何はともあれプリズム交換で対処するしかありません。
マウントを見なければ「SPF」と見間違えそうです。
接眼レンズ周りには露出計用の2個のCdSに加え
「フォトスイッチ」用のCdSが鎮座しています。
内部モルトは相変わらず非常に多く使われていて
ファインダー内部はモルト屑だらけです。
モルト除去+交換はもちろんですが
ここからさらに分解を進めてシャッター・巻上・ミラー周りの
整備も一通り行っていきます。
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