今日は「コスモスの日」だそうですよ。
3月14日の「ホワイトデー」から半年後となるこの日、
プレゼントにコスモスを添えて交換し、
お互いの愛を確認し合う日などとされているそうです。
由来はともかく、この時期はコスモスの開花時期でもあり
いたるところでコスモスの花を見かけますね。
風に揺られるコスモスの花は何ともはかなくて可憐です。
なぜ台風等で風の強いことの多いこの季節に咲くのに
あんなに華奢な茎なんでしょうね…
台風一過でコスモスがなぎ倒されている光景もよく見かけますが
何とも切なくなってしまいます。
ところで、漢字では一般的に「秋桜」と表記しますが
これは1977(昭和52)年にリリースされた
山口百恵さんの『秋桜』が大ヒットしたことによるものですね。
作詞・作曲はさだまさしさんで
曲のタイトルと歌詞の中で「秋桜」と書いて「コスモス」と読んでいます。
うまいこと漢字をあてるものですねぇ
秋桜はまさにコスモスのイメージにぴったりです。
さてさて
本日はニコンF2フォトミックのカメラ修理を行っています。
ニコンのトップモデルであるF2に露出計内蔵の
フォトミックファインダーが装着されたモデルです。
ファインダー交換式のカメラならではの構成ですね。
前モデルのFの時代は
最初に登場したアイレベルファインダー装着のモデルに
途中から追加されるようになったフォトミックファインダーですが
F2になると最初からフォトミックファインダーの装着を
前提としているために電池室はボディ側に設置されるようになりました。
そのためあまりにも頭でっかちだったFフォトミックに比べると
F2フォトミックは随分すっきりしたデザインになりました。
それでもペンタ部は大きく武骨ではあるのですが
ある意味ニコンらしいデザインかと思います。
内部の抵抗体等もFフォトミックに比べると
耐久性の高いものになっており性能は向上しています。
F2のフォトミックファインダーにはいくつか種類があって
指針式で受光体がCdSのノーマルのフォトミックファインダーに始まり
LED露出計のものや受光体がSPDになったもの
そしてAiレンズに対応したもの等が存在します。
ただ、LED式のものはLED制御部のトラブルが発生すると
修理不可能な場合がほとんどです。
今回お預かりしている「F2フォトミック」は
一番ベーシックなフォトミックファインダー(DP-1)を搭載したモデルです。
フォトミックファインダーというと
露出計ばかりが注目されがちですが
個人的にはフォトミックファインダーの魅力は
アイレベルにはない
SSや絞り値のファインダー表示があることだと思います。
そして非Aiのフォトミックファインダーの方が
絞り値表示に関しては圧倒的に見易いです。
その点ではベーシックなDP-1が最も使いやすいかと思われます。
今回お預かりのF2フォトミックには露出計に少々調整は必要ですが
露出計動作自体はできています。
F2に多い電池室の端子基部破損もないようです。
ただし1/30秒より遅いスローシャッターにすると
スローガバナが完全に固着してしまい
シャッターが開いたままでSSダイヤルを1/30より
速いSSにセットしなおさないと
シャッターが閉じません。
F・F2ともにスローガバナー関連のトラブルは比較的多いですが
ここまでガッチリ固着しているものは少ないかもしれません。
加えてやはり幕軸には汚れ等がたまっているらしく
高速シャッターの精度もイマイチなので
やはり全体的に整備が必要な状況です。
画像はまだ貼り革を取り外しただけの状況ですが
これから本格的に分解整備取り掛かっていきます。
スローガバナはいったん完全に取り外して
溶剤に漬け込んで汚れや古い油を取り除きます。
並行して幕軸やミラー駆動部の清掃整備を行います。
まずはボディ側を整備した後で
ファインダー部の清掃整備も行います。
「F」や「F2」は非常に丈夫な部品を使っているため
致命的な破損等は少ないカメラです。
しかしながらF2にしても登場から50年以上経過するカメラで
さすがに未整備で使いっぱなしだと
動きの悪い部分は出てきて当然です。
ただし、しっかりメンテナンスを行うことで
また問題なく精度も出せるカメラだと思います。
(露出計に関しては一概には言えない部分もありますが)
今回は露出計も含めて全く問題ない状態に仕上げられると思います。
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