キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「ビフィズス菌の日」だそうですよ。
腸内環境を整えるのに欠かせない善玉菌ですねぇ
摂取するために真っ先に思い浮かぶのは
やはりヨーグルトですよね。
ヨーグルトって無糖であれば本当に
悪いとこがひとつもない食物ですね。
できるだけ毎日ヨーグルト食べるように心がけていたのだけど
最近、頻度が少し下がっていて
いつのまにか数日に1回になってしまっています(苦笑)
これを機会にまた改めなければ!
そういえば子供の頃には
毎日ヤクルトが家に届けられていて
ビフィズス菌といえば「ヤクルトミルミル」でしたねぇ
本家のヤクルトほどベッタリした甘さじゃなくって
飲みやすくて好きだったなぁ…
今でも売ってますよね?今度買ってみよう!
おそらく30年以上は飲んでない気が…

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
絞り込み測光機だった「FT」の後継機で
開放測光に対応したモデルです。
開放測光対応のFDマウントレンズも同時期に発売されました。
同じ時期にフラッグシップの「F-1」が開発され
F-1の技術がフィードバックされている部分もあるようです。
…「F-1」も内部機構を見ていると「FT」系を基本に
より堅牢に安定性高く動作するように突き詰めたカメラでもあるので
もともと共通項は多いような気もします。
ウィークポイントでもある幕ブレーキの構造は
F-1もFTもFTbもほぼ同様です。
FT以来キヤノン一眼レフの特徴ともなっている
コンデンサレンズハーフミラー組込みの
CdS測光による中央部部分測光もFTbでも同様です。
やはり個人的には中央部重点測光より使いやすいと思いますし
キヤノンらしい凝った造りになっています。
プロ向けといえるF-1とは異なり
FTbにはこれもこの時代のキヤノンお得意のQL(クイックローディング)も
搭載されフィルム装填が非常に簡単確実です。
基本的な機能や使い心地も評価の高いカメラで
機械制御機としてはキヤノンを代表する中級機かと思います。

お預かりしている「FTb」は
マイナーチェンジ後の「FTb-N」とも呼ばれるモデルです。
従来のモデルと比べて最も大きな違いは
ファインダー内にSS設定の表示がされるようになったことです。
やはりファインダー内でSS確認できるのは便利です。
他にもデザイン的に巻上レバー、レリーズボタン
セルフタイマーレバーが変更されています。
外観上で一番わかりやすい違いはセルフタイマレバーでしょうね。
ファインダー内SS表示はSSダイヤルと糸連動して
ファインダー枠に設置されたSS表示回転盤を回す仕組みですが
これがあるせいで整備性は少々ややこしいことになってきます。
単純にファインダー枠が外せなくなったので
従来のFTbのつもりで分解しようとすると
この連動糸の処理に四苦八苦することになります(苦笑)
それ以外は内部構造的にも大きな違いはありません。
幕ブレーキ動作が悪かったり幕軸の油切れだったりで
シャッターの調子が悪い個体が多いのも特徴ではありますが
今回の個体も明らかにシャッター動作音に異音が混じっており
非常にシャッタスピードの精度が悪く
特に後幕の動きが不安定です。
シャッターバウンドまではしていないものの
これでは正確に露出を測っても全く意味がなくなってしまうほどです。
さらに露出計・BCはSW部の接触不良で
こちらもかなり不安定で指針が踊っている状態です。
そして定番のプリズム腐食が発生しています。

「FTb」のプリズム腐食の原因は
大抵の場合、プリズム抑えの裏に貼ってあるモルトの加水分解です。
プリズムにカバーはかけてあるのですが
隙間があってそこから腐食が進んでしまいます。
今回もプリズムカバーにモルトが貼り付いた状態になってしまっています。
簡単に取れるのですが付着してるモルトはボロボロです。
FTbのファインダー内で中心から少しずれた位置左右に
2本の縦線が出ている場合はこのモルトを起因とする腐食です。
今回もそうですが致し方ないので交換で対応します。

これから分解を進めまずがは機械的部分の動作不良を改善していきます。
それから露出計周りの電気関係の整備と
ファインダー清掃を行っていきます。

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