オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「大寒」です。
例年ではこのあたりが1年で最も寒い時期ですね…
天気予報を見ていると
来週半ばには今シーズン最強の寒波襲来…とか…ほんとイヤですね(苦笑
「大寒」に関連して今日は
「血栓予防の日」だったりします。
これもまたイヤな記念日ですねぇ(笑
この最も寒い時期に血栓ができやすいことからこの日に制定されていますが
20日を「2(ツ)0(マル)」(詰まる)と読む語呂合わせでもあるそうです
ほんとイヤな感じですね(笑
私も3年前の2月に脳梗塞やってるので血栓が命に関わることは
重々承知しています。
この寒さに高血圧とかが重なると恐怖でしかありませんよね
統計的にもこの時期の脳梗塞や心筋梗塞は多いそうでなので
無駄に身体を冷やして血管を収縮させないように注意が必要です。
夏に暑いのも困りますが冬寒いのは本当にイヤですねぇ…
とりあえず早く暖かくなってほしいです。
今日もしっかり着込んでカイロ貼って
暖かくして仕事しています…

さてさて

今日は(も)「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
ここに来てさらにまた「OM-1」の修理が多いですね。
「軽量コンパクトな一眼レフ」の代表機種であり
さらに「機械式シャッター」という括りを加えると
まず一番に「OM-1」が思い浮かべる方が多いのではないかと思います。
これ以外だと「MX」くらいしかないですものね。
でもやはり誰も実際にはアプローチできなかった
このジャンルに最初に取り組んだ「OM-1」が
偉大であるとは思います。
どうしても小ささばあkりに注目されることが多いですが
「OM-1」はただ単に「軽量コンパクト」なだけではなく
その作動音が非常に静かな上に音質も上品です。
特にミラー作動音の静かさは際立っていると思います。
構造を見てみるとエアダンパー等も使って
やはり相当に対策や工夫がされていることがわかります。
個人的にはその作動音の上品さに加えて
独特のちょっとシャリシャリ感のある軽快な巻上が
何とも魅力的だと思っています。
ちゃんと整備されたOM-1ではこの巻上フィーリングが
何とも言えず気持ちよいのです。
巻上が気持ち良いカメラは撮影するテンションが確実に上がります!

そんな魅力たっぷりのOM-1ですが
これだけ小さく造られた上に静粛性も高いとなると
やはり少しばかり華奢な部分もどうしても出てきます。
それでもOM-1が現行製品だった1970年代当時であれば
大した問題ではなかったとは思われますが
さすがに製造から50年以上経過した現在では
その少しばかり華奢な部分がトラブルの原因となることも多くなってきます。
お預かりしているOM-1は
まずミラーがあがったまま降りてこない状態です。
この状態で巻上はできるのですが
巻上が完了した瞬間にシャッターが切れてしまいます。
確かに構造上、ミラーが上がった状態になっているのだから
シャッターチャージロックは常に解除されている状態なので
チャージしてもチャージ完了した時点で切れてしまうということですね。
シャッター幕もキレイに走行が完了しているとはいえず
微妙に走り切っていない状態で止まっています。
そのためミラー段ができない状態になっているようです。
ミラー駆動部側の動作不良もありますが
主な原因はシャッター幕の走行不良にあると思われます。

現段階では断言はできませんが
シャッターを中心に機械的に動きの悪い部分を徹底的に
清掃整備して動きをスムーズにしてやれば
問題は解消されるのではないのかと思います。
ちなみにフィルムカウンターも動作不良を起こしているようです。
ミラーアップしたままだったので
ファインダー内は細かくはチェックできていなかったのですが
指でミラーを降ろして確認した感じでは
プリズム腐食もほぼ見られない状態だったので
対策済みかな…と予想していたのですが
開けてみるとこれまでに全く整備されたことはない個体のようで
プリズムにも加水分解したモルトがべったり付着していました。
「うお…よくこれでプリズム腐食していないな…」と思うほどでした。
厳密に言うとプリズムにも多少の腐食が見られるのですが
ファインダー内ではそれほど目立つほどではありません。
よくこの状態でその程度ですんでいると思います。
保管環境は悪くなかったのでしょうね。
電池室にも当時の水銀電池が入ったままになっていましたが
配線等にはそれほど大きなダメージはないようです。
念のため配線は交換で対処しておきます。
とにかく機械的な動きに音大が多い個体なので
入念に動きを確かめながら整備を行っていきます。