オリンパスペンEESのカメラ修理

今日は「生酒の日」だそうですよ。
日本酒メーカーの月桂冠が
本格的な「生酒」(なまざけ)を発売した
1984(昭和59)年6月25日が由来となっています。
同社の超精密ろ過技術の応用で
常温流通が可能になった生酒が発売され
これにより蔵元でしか味わえなかった
しぼりたての美味しさを全国どこでも楽しめるようになりました。
「生酒」とは「火入れ」と呼ばれる60℃ほどの加熱処理を
一度も行わずに出荷される日本酒です。
通常の日本酒は火入れを貯蔵前と容器詰めの際の二度行います。
また生貯蔵酒は、生のまま貯蔵し
容器詰めの際に一度火入れを行うのだそうです。
私はお酒の中で日本酒が一番好きなので
「生酒」も普通の日本酒もいつもおいしくいただいています。
常温保存が可能とはいえ、日本酒はデリケートなお酒なので
購入した後も冷暗所での保管が気温です。
気温の高いところや日光の当たるとこなんかに置いておくと
あっという間に味も風味も落ちてしまいます。
小さめの瓶で買ってすぐに飲み切ってしまうのが理想ですね。
暑くなってきましたし
さっぱりした味わいの白身のお刺身に
ふくよかな純米酒を冷やで飲みたくなりますねぇ
考えているだけで今夜の晩酌が楽しみになってきました(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンEE」のカメラ修理を行っています。
ハーフカメラを代表するカメラでもある
「ペンシリーズ」ですがいくつかのシリーズに分かれます。
露出計も持たないシンプルな構造の「ペン及びペンSシリーズ」
大口径レンズに露出計装備とその名の通り
デラックスな「ペンDシリーズ」
そしてセレン光電池を利用した露出計と連動し
露出はオートでできる限り簡単に撮影することに特化した
「ペンEE及びEESシリーズ」です。
今回はその「EESシリーズ」の最初のモデルとなる
「ペンEE」です。発売は1962年です。
その1年前に発売された「ペンEE」をベースに
ピントを固定焦点ではなく3点ゾーンフォーカスとしたのが
「EES」となります。
シャッタースピードは1/30・1/250の2速切替式で
露出計に連動し明るさに応じてSS・絞りを自動設定します。
露出計が無反応になるほどの暗所で使う
フラッシュモードだとSSは1/30固定になり
絞りは任意で設定を行います。
オート露出時に光量不足だった場合(露出計指針が振れない場合)は
オリンパスお得意の「赤ベロ」がファインダー内に出現し
シャッターロックがかかります。
この機構とセレンがレンズ外周部にあるおかげで
このタイプのカメラでありがちな
「レンズキャップをしたままシャッターを切ってしまう」という
ミスを防止することに繋がっています。
サイズもハーフカメラらしく非常にコンパクトで
気軽に持ち歩けて気軽に撮影できるカメラの代表だと思います。

お預かりしている「ペンEES」は
セールスポイントである赤ベロが全く出ない状態で
どんな明るさでもとりあえずはシャッターが切れてしまいます。
絞り制御もほとんど効いていないようです。
それでも明るさに応じてSSが切り替わっていることは
確認できるのでセレンや露出計はまずは動作していると思われます。
何らかの原因で指針挟みこみ機構の動作不良かと思われます。
内部機構もシンプルで整備性も良いカメラですが
ピントが前玉回転式のゾーンフォーカスのため
レンズを外すと入念なピント再調整が必要です。
もちろん今回もピントは再設定して組み立ててあります。
赤ベロ及びオート制御不良の原因は
赤ベロ制御部・指針挟み込み機構の動作不良に加え
赤ベロアーム部がボディプレートに一部干渉してしまっていて
動けないことも原因になっていました。
動作不良の状態で動かしていて
少しずつ変形してしまったのだと思われます。
オート制御関連の駆動部をすべて動きやすくするための
整備を行った上でアーム部の修正も行い
オート・露出計の精度も調整いたしました。
修理後は問題なく露出制御できるようになっています。

加えてシャッター周りや絞り制御部にも
若干の粘りや動作不良が確認され
もちろんそれらも含めて全体的に整備を行っています。
画像は一通りの整備完了後のモノで
全体的に動きも軽く開口に動作しています。
しばらく動きがなじむまで様子見を行っていたのですが
これから最終的なテストを行って
もんだいなければ完成となります。

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