オリンパスペンDのカメラ修理

今日は「あかりの日」ですね。
1879(明治12)年のこの日に
発明家トーマス・エジソンが
世界で初めて実用的な白熱電球を完成させたことに由来しています。
秋も深まってきて少し肌寒い夕暮れ時に
家々のあかりが何とも暖かそうに見える季節ですね。
当たり前のようにあかりがあるおかげで
日が暮れても普通に生活できますし
当店なんてあかりが点かなかったら
昼間でもほぼ真っ暗で仕事も何もできません。
本当に普通にあかるのある生活に感謝ですね。
エジソンが白熱電球を発明してから
150年も経っていないのですよね…意外と最近の話です。
それより前は行灯や石油ランプってことですね。
まぁたまにはそれも風情があっていいですが
生活するには暗すぎますよね…
しかしお店の電気代がここのところ
高止まりしているのが少し悩みの種です(苦笑)
空調ももちろんですが照明もかなり電気食うのですよねぇ…
(LEDじゃなくて天井組み込みの蛍光灯だし…)

さてさて

本日は「オリンパスペンD」のカメラ修理を行っています。
「ペンD」のDはデラックスのDですね。
最初のペンが出た翌年に高級型の「ペンS」が追加され
3年後に「プロ仕様のペン」とされる
「ペンD」が追加されました。
F1.9の高性能大口径レンズ、高速1/500秒シャッター、
LV値直読式内蔵露出計を装備したまさに最高級機です。
さすがにF1.9の大口径レンズや露出計(セレン)搭載のため
最初のペンに比べると少しだけ大きく重くなりましたが
それでもハーフカメラならではのコンパクトさです。
デザインの秀逸さもあって現在でも非常に人気の高いカメラです。

お預かりしている「ペンD」はまず巻上が上手くできません。
正確にいうと巻上はできるのですが
シャッターチャージが上手くいかず
巻上った瞬間にシャッターが切れてしまい
また次のコマに巻き上げられてしまいます。
たまにうまくチャージできても巻止めは効かず
次のコマに巻き上げられてしまいます。
今回のようにいつまでも巻き上げられてしまったり
巻上が二コマずつ進んでしまうような症状は
ペンシリーズ全体でよくあるトラブルの一つで
原因の多くはシャッター羽根が粘っていて
きちんと最後まで閉まりきっていない場合が多いのですが
(隙間は開いていなくても最後まで閉まっていない)
今回はそれに加えてシャッターユニットチャージレバーの
動きも悪いことが症状を悪化させてしまっているようです。


これからシャッタユニットを分離して
シャッター周りの整備から取り掛かっていきます。
おそらくかなり長い間使われていなった個体と思われ
レンズやファインダーもカビや汚れで
かなり曇った状態ですので
そちらもできる限りの清掃を行っていきます。
心配されるセレン光電池の状態は悪くなく
露出計にはさほど大きな問題はないようです。
ペンに限らずレンズシャッター機は
小さなバネ力で駆動する部分が多く
ちょっとした汚れや古い油脂でも動きが悪くなってしまいます。
登場して50年以上経つ個体が未整備であれば
当然ながらまともに動くわけがありません。
今回も入念い整備を行ってっ本来の動きを取り戻していきます。

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