今日は「図鑑の日」だそうですよ。
日付の由来は日本で最初に「図鑑」の書籍名称を用いた
『植物図鑑』の初版が発行された
1908(明治41)年10月22日にちなんでだそうです。
幼い頃に家にあった子供向けの図鑑を
時間さえあれば眺めていた時期がありました。
「動物図鑑」「植物図鑑」「昆虫図鑑」
「乗り物図鑑」「恐竜図鑑」「人体図鑑」…
他にもあらゆるジャンルの図鑑が
確か12冊セットだったと思うのですが…
本当にボロボロになるまで何度も何度も
出しては片づけを繰り返していたと思います。
だからいまだにその頃にみた図鑑の絵面や写真で
頭に残っているものもあります。
あまりにもよく使ってボロボロにしてしまうので
年齢にも合わせて何回かセット丸ごと
買いなおしてもらったんですよ…
今調べてみるとそれなりの値段がするのですよねぇ
ほんまじいさんばあさんには感謝しかありません…
さてさて
本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
1981年発売のカメラです。
当店で扱えるカメラとしては
このあたりが最も新しいモノになります。
…といっても40年以上前のカメラになりますが…
巻上、シャッター、ミラー駆動部等の機械的構造は
最初の「Aシリーズ」でもある1976年発売の
「AE-1」がベースにはなりますが
要ともいえる電子制御部分は5年もあれば相当進化しています。
制御部に関してはもはや最初の「AE-1」とは全く別物です。
大きな機能としては「プログラムオート」が追加されただけであり
一見さほど違いはないのではないかと思われがちですが
動作の安定性やファインダーの明るさ、露出計の視認性の良さ等に
明らかな違いがあり使い勝手の良さや動作の信頼性では
1978年発売のAシリーズトップモデルの「A-1」をも上回ると思います。
ただし、電子制御が進化した分、
もはやちまちまと手作業で
整備調整できる部分は制御部に関しては少なく
電子制御関連にトラブルが出た場合は修理不可能になる可能性もあります。
…とはいえ先述した通り信頼性に関してもかなり向上しているので
普通の環境で使われている個体はそう簡単に電子制御部に
トラブルは出ないかとも思います。
お預かりしている「AE-1プログラム」は
電池室の腐食が激しく電源が全く入りません。
電池を入れたままで仕舞い込んでしまった期間が
相当長かったものと思われます。
「電池なければただの箱」とこの時代の電子制御機を
揶揄する言葉が当時からありましたが
まさに電源が入らなければ
このカメラはシャッターも何も動きません。
それでも比較的簡単に強制的にシャッターを切る方法はあり
チャージ状態だったので強制的にシャッターを切ってみると
やはり派手なシャッター鳴きの異音も確認できました。
電池室の修復と機械的な動作部分の一通りの整備は必須で
電子制御的に致命的な問題がないかどうかは
電源が入るようにある程度電池室を修復してみないと
確認することもできない状況です。
画像は分解整備に取り掛かり始めのモノですが
電池室の蓋も端子の腐食の影響から樹脂が脆くなって
一部破損しており外れたまま閉められない状態です。
マイナス端子側のバネで出たり引っ込んだりする端子は
引っ込んだままの状態です。
それほど激しく腐食していなくてもここが引っ込んだままに
なっている個体は「旧AE-1」を含めて多いです。
今回は引っ込んでいるだけでなく端子自体が黒く変色していて
さらに端子裏側は緑青でびっしり覆われていて
完全に朽ちてしまっています。
ここは部品交換しないともはや通電させることは不可能です。
結果からいうと中古部品を使って端子交換で
電源は復活し、調整は必要なものの電子制御には
大きな問題もありませんでした。
あとは機械的に動きの悪い部分を整備して電気的にも調整を行っていきます。
今回も何とか快適に使える除隊に復活できそうです。
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