オリンパスOM-1Nのカメラ修理

今日と明日はさすがに記念日の制定は少ないですね。
でもそんな中でも今日は
「ゆめぴりかの日」だったり
「ブルボン・プチの日」だったりします。
「ゆめぴりか」はたまに買いますし
「ブルボン・プチシリーズ」はついつい
買い物かごに入れてしまいますね(笑)
「うす焼き」や「えびせん」が多いかな…
で、今夜は「クリスマス・イヴ」ですね。
「eve」は「夜・晩」を意味する古語「even」から来たもので
「クリスマスの夜」という意味になります。
キリスト教会暦では日没が一日の始まりであり
クリスマスは24日の日没から25日の日没までとなるので
その間の夜である24日の夜のことを「クリスマス・イヴ」と呼ぶのですね。
日本では「クリスマス(12月25日)の前夜」と認識されることが多いですが
正しくはその言葉通り「クリスマス当日の夜」となり
「クリスマス・イヴ」は既に「クリスマス」に含まれているのだそうです。
ということで、今日の日没からクリスマスのスタートです!
皆さま、良い夜を!

さてさて

今日は「オリンパスOM-1N」のカメラ修理を行っています。
1972年に「M-1」が登場し翌年に「OM-1」に改名され
さらに1979年に登場した改良版が「OM-1N」となります。
機能的には専用シューとフラッシュ使用時に
フラッシュ充電完了確認ができるようになったくらいで
他の機能には変更ありません。
内部の構造も基本的な部分はほぼ変更はありませんが
「N」でない「OM-1」の中期あたりから
細かい部分に関してはかなりの数の改良や部品変更が行われています。
内部的に「1N」で特徴的なのは露出計電源SWの構造変更ですが
これも「1」の後期には同様に変更されていたりします。
他、ファインダースクリーン及びプリズム枠の形状変更だったり
露出計のアース方法の変更等も行われています。
電源SWもそうなのですが変更された部分は
旧モデルで確かにトラブルの多い部分なのですね。
でも「1N」になってもその変更された部分で
意外にトラブルが多かったりします(苦笑)
特に電源SW部と露出計アース部です。
なかなかこういう部分の改善は難しいのでしょうね…

お預かりしている「1N」も電源SW部に問題を抱えていて
露出計オン時に頻繁に指針が不安定になり
上下に激しく踊りだしてしまいます。
「1」でも「1N」でもこういう症状の原因の多くは
電源SW部の接触不良が原因です。
接点で接触不良が起こるのは経年変化もあって
致し方ない部分でもありますので
やはり定期的にメンテンナスが必要ということだと思います。
加えてこれも経年的に仕方ないのですが
幕軸の動きがイマイチ悪いようで
先幕・後幕のバランスが崩れていて
高速シャッターで精度不良が出てしまっています。
そしてこれも経年劣化と言えますが
プリズムの腐食です。
これはプリズムそのものの蒸着の劣化というよりも
プリズム接眼部に貼ってあるモルトプレーンの加水分解が原因で
モルトが加水分解して変質することがプリズムの蒸着にも
影響し蒸着を剥離してしまいます。
プリズムは中古良品と交換で対処して
他は一通りの清掃整備の上で調整を行っていきます。

電源SWの構造が変更されているので
それに伴って露出計回路の形状も変更されています。
もちろん回路構造自体はほとんど変わってはいないので
難しいものではありません。
メーターアース部分にトラブルが多いのは
「1」も「1N」も変更されても同様ですが
アース部のメンテは「1N」のほうが少々面倒な位置になりました。
シャッターやミラー、巻上等の機械的駆動部は
部品の材質等に変更はあるものの構造に変更はありません。
依頼数の非常に多いカメラなので
内部も見慣れた風景ではありますが
小さく軽量に造られているが故の繊細さがあるカメラなので
集中して細心の注意を払って作業に取り掛かります。

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