コニカC35のカメラ修理

もう12月27日ともなると
どこも年末進行で記念日すら
ほとんど制定がないですね。
当店も明日で年内営業は最後になります。
このブログも明日は更新ナシの予定なので
今日の更新が年内最後となります。
今年もいろいろありましたが
何とか乗り越えて来年も普通に営業していけそうです。
それもこれもご利用していただいている
お客様あってのことなので心より感謝いたします。
以前(ほぼ4年前)のように
いきなりの体調不良で入院とかがあると
一人でやっている関係上
ご迷惑をかけることにもなってしまいますので
とにかく健康には気をつけて続けていきたいと思います。
来年も引き続きよろしくお願い申し上げます。

さてさて

今日のカメラ修理は「コニカC35」です。
これもコンスタントに修理依頼のあるカメラです。
「じゃーに~コニカ」の愛称で大ヒットしたカメラです。
ハーフカメラと変わらない大きさで
非常に軽量コンパクトにまとめられたカメラです。
愛称の「じゃーに~」は旅行時における携帯に
ぴったりということで名付けられたそうです。
このカメラの大ヒットで各社のレンズ一体型カメラの
小型化が一気に進みました。
露出計連動のプログラムオート専用機です。
こんなに小さいのにしっかり距離計は搭載し
レンジファインダーでピント合わせを行います。
余計な機能は一切ない潔い設計で
露出の過不足があってもシャッターロック等の制御は行わず
できる限りの制御でシャッターが切れる構造になっています。
ある意味、融通が利いて使いやすいのですが
反対に電池がなかったり明らかに写らないような暗さでも
シャッターが切れてしまうので慣れていない場合には
少し注意も必要です。
しっかりファインダー内指針をチェックしておけば
それも大きな問題ではありません。

お預かりしている「C35」は1968年発売の初代モデルです。
まずは露出計が全く動かず
常に絞り開放の1/30で切れてしまうような状態です。
電池室腐食等のトラブルが多いカメラではありますが
今回の「C35」は電池室はキレイでさほど問題があるようには見えません
とはいっても登場から50年経過しているカメラなので
電池室裏のハンダや配線はかなり劣化しており
そのあたりに原因があるものと思われます。
傷んだ配線はすべて交換し露出計本体に
きちんと電圧がかかるようにした上で調整を行っていきます。
使用電池はもともと水銀電池MR44です。
ただMR44は現在のボタン電池「LR(SR)44」とほぼサイズが同じなため
電池室にそのままLR44が収まります。
ただ元々の水銀電池は電圧1.3Vなので
現在の電池(1.5V)だと0.2V電圧が高くなることになり
そのままだと1.5段ほどアンダーに制御されてしまいます。
(露出計指針が振り過ぎるため)
もちろん今回は1.5V電圧での使用を前提に再調整を行っていきます。

あきらかに粘っている…というおどではないですが
やはりシャッター駆動部の動きが悪いようです。
これはC35では定番のトラブルなのでもちろん対処を行っていきます。
他、ファインダー、レンズにそれなりのカビや汚れも見られますので
そのあたりもできる限りの清掃を行っていきます。
小さなボディに効率よくメカニズムが収められていて
非常にまとまりのよいカメラです。
整備性も非常に良好です。
おそらく今年最後の修理がこのカメラになりそうなので
最後まで気を抜かずきっちり仕上げていきたいと思います。
まだ明日もありますが
ブログ更新は今日までなので
皆様もよいお年をお迎えくださいませ。

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