ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は「やまなし桃の日」だそうですよ。
日付は「百」を「もも」と読むことから
1年で百の倍数の200日目に当たるこの日を記念日としたそうです。
また、この時期は美味しい桃の出荷時期でもあります。
スーパーにも山梨産の桃が並んでますねぇ
今年も既に何度か買って食べました。桃って本当に美味しいですよね
故郷の親友にも先日、山梨の産地から直送で
桃を送ったのですが「桃美味い!桃美味い!桃美味い!」と
めちゃくちゃ楽しんでくれているメッセージが来たので
私もその日、いてもたってもいられなくなって
すぐにスーパーに桃を買いに行きました。
ジューシーでやさしい甘さがこの暑い時期にも合いますね。
こんなこと書いていたらまた桃が食べたくなってきました。
今日の帰りにまた買って帰ります!(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
世界的に超大ヒットした名機「SP」の後継機にあたります。
シャッターや巻上等の機械的構造はほぼSPのままですが
電子制御機「ES」発売のタイミングで先行発売された
SMCタクマーレンズとの組み合わせで「開放測光」を可能としたモデルです。
シンプルなねじ込み式の「M42マウント」は
ユニバーサルマウントして世界的に普及していましたが
「ねじ込むだけ」というそのシンプルさゆえに
レンズ側から絞り情報を伝える術はなく
そのためにM42マウントの「SP」は絞り込み測光で内臓露出計を
連動させていました。
慣れてしまえばこれでも充分なのですが
やはり常に開放の明るいファインダーで測光ができたほうが自然で便利と
「開放測光」への対応を行うことになりました。
そのために従来のM42マウントレンズ(それまでのタクマーレンズ)に
定点固定用のピンを付け、絞り値伝達レバーを追加したのが
「SMCタクマーレンズ」で、それに対応したカメラが「ES」や「SPF」です。
従来のスーパータクマー等のM42マウントレンズ使用時には
「絞り込み測光」で測光が可能です。

お預かりしている「SPF」はその最大のセールスポイントである
「TTL露出計」は動作してはいるものの精度にかなり問題があります。
この露出計の値を信じて写真を撮っていると
ネガだったとしてもさすがにちょっと暗すぎるのではないかと思われます。
そしてシャッターにも問題があり
頻繁にミラーアップしたままの状態で止まってしまいます。
特に低速シャッター時のこの症状が頻発します。
後幕の動きが良くないためミラーダウンレバーが
上手く蹴れないものと思われます。
そんな状態なので動作はしていても高速側のシャッター精度はやはり狂っていて
1/1000時に1/250程度しか出ていない状態です。
全体的に機械的な動きが悪い部分、バランスが崩れている部分がるので
駆動部分の入念な清掃整備調整が必要な状況です。

まだ取り掛かったばかりの状態で
これから本格的に分解整備を進めていきます。
先程も書いたように機械的部分はほぼ「SP」と同様ですが
露出計関連は全くの別物で当然ながら開放測光対応のため
絞り情報伝達からの電気回路もあるので
「SP」に比べるとかなりごちゃごちゃした印象です。
開放測光云々は関係なく「SPF」の露出計は
少々変わった構造です
通常は露出計=電流計でCDSで光量によって抵抗を受けた
電流が電流計を動かしているだけというパターンが多いのです。
そのため指針は電流が通らない場合はファインダーの
上端か下端に引っ込んでいることが多いのですが
SPFの指針は電源オフ時に真ん中です。
そしてCDSからの電流とSS/絞り設定からの電流で引っ張り合い
バランスが取れて指針が真ん中にあるときが適正露出となるように
作られています。
そのため露出計本体からもリード線は3本出ているのです。
理屈がわかれば難しくはないのですが
そのためにまた少々ややこしい回路になっています。

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