カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

キヤノンF-1のカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「芒種」ですね。
芒(のぎ)を持った穀物の種をまく季節という意味から
「芒種」とされています。
芒とは、米・麦などイネ科の植物の穂の先端にある
とげのような突起のことだそうです。
現在では実際の種まきや田植えは
これよりも早い時期に行われますね。
「芒種」がくるともうすぐ梅雨入りか…というイメージですね。
二十四節気は二週間余りで次の節気に移り変わりますが
もう次の節気は「夏至」です。
また鬱陶しい梅雨の後に暑い季節が来ると思うと
ちょっとげんなりしますねぇ(笑

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
言わずと知れたキヤノン初と言える「プロ向け高級一眼レフ」です。
1971年発売のカメラです。
キャノンは高級レンジファインダー機の分野で
トップを走るメーカーだったこともあり
他メーカーに比べると一眼レフへの移行はかなり
遅れてしまったのは周知の事実で
特に高級一眼レフの分野では
60年代は「ニコンF」の一人勝ちの状況でした。
(他に太刀打ちできる機種も実質的に皆無でした)
70年代に入りニコンFはF2にモデルチェンジされ
さらに進化を遂げてその地位を固めようとしていたわけですが
そこに満を持して対抗するために登城したのが
「キヤノンF-1」です。
スペックはもちろん、この分野で重視される耐久性安定性についても
「F-1」は「F2」に劣らぬものであり
さらにプロ仕様機として求められるシステムカメラとしての
膨大なアクサリー群、交換レンズ群に関しても
ニコンにひけをとらないラインナップとなりました。
この「F-1」の登場によりここから長く続くことになる
2大メーカーによる熾烈なシェア合戦が繰り広げられることになります。
そういった意味でも記念碑的なカメラだと思います。

今回の「F-1」は普通のF-1ではなく
ちょっとレアなオリーブ色です。
モデル名としては「キヤノンF-1オリーブドラブ」として
1978年に発売されています。

文句なしにカッコ良いですねぇ
1978年登場なのでタイプ的にはマイナーチェンジ後の
後期モデルです。
ボディカラー以外はいわゆる通常の「F-1N」(後期モデル)と同じです。
あまり資料もないのですが
発売当時は特に限定モデル等ではなく通常販売だったと思われますが
この時代はあまり変わった色というのは売れにくかったと思われ
販売台数も非常に少ないまま発売も終わってしまい
いまや現存している台数はかなり少ないのではないかと思われます。
それでも中古市場でたまにはみかけますが…
F-1は基本的に黒しかないのでオリーブ色はかなり新鮮です。
見ていると個人的にも欲しくなってきますね。

修理整備内容としては
何か大きなトラブルを抱えているわけではないですが
やはり機械的な動作不良はあって高速シャッターは不安定です。
持病のシャッターバウンドこそ症状はありませんが
やはり問題の幕ブレーキは劣化が進んでいて
このままだと時期にシャッターバウンドが出てしまいそうな状態です。
加えて電気的な接触不良もあって
バッテリ-チェックや露出計が非常に不安定で
指針の動きが全く落ち着きません。
一通りの分解整備を行って当分問題なく気持ちよく動作するように
整備を行っていきます。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は6月1日月初ということもあって
様々な記念日が制定されています。
「世界親の日」「世界こどもの日」「牛乳の日」
「防災の日」「気象記念日」「電波の日」
「麦茶の日」「氷の日」「ねじの日」「真珠の日」
「チューインガムの日」まだまだたくさんありますねぇ
牛乳さえ毎日飲んでいれば常に元気!と思っている
牛乳信者な私としては「牛乳の日」を取り上げたいところなのですが
当店としてはやはり今日は「写真の日」ですよね!
1841(天保12)年のこの日、日本初の写真が
撮影されたということが由来ですが
この後の調査でそれ以前にも
写真撮影が行われていたことがわかっています。
いずれにしてもこの由来となった日から180年少々
写真を取り巻く環境はいろいろと変化しましたね。
いまや写真は誰でも簡単に撮れて記録媒体としても
非常にお手軽なものとなりました。
私の生きている間だけでもほんの数十年前からは
想像できないほどの便利さに進化しています。
それでも少し昔の不便さを楽しみながら写真を
撮るのも楽しいのですよねぇ…
…というわけで個人的にはデジタル写真はほぼスマホに任せて
量は少しだけではありますが
細々とフィルム写真を引き続き楽しんでいきたいと思います。

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
一時期は毎週のように修理依頼のあった「FE」ですが
少しばかり久しぶりですね。
それでも「FE」は当店としては
相変わらず修理整備依頼の多いカメラです。
1978年発売の中級機です。
60年代後半から70年代にかけてヒットした
「ニコマートELシリーズ」の後継機となります。
電子制御シャッターを搭載し絞り優先オートが使えることが
一番のセールスポイントです。
このこと自体はニコマートからFEに変わっても共通のコンセプトですが
大きさも適度にコンパクトになりデザインも操作性も
劇的に洗練されて非常にスマートなカメラとなりました。
ファインダーの明るさやキレも随分と進化し
視認性の良い非常に使いやすい露出計ファインダー表示や
絞り値表示等もあり撮影時の使い勝手も非常に進歩しています。
機能的な部分だけではなく電子回路の安定性も
随分と進化しています。
「電子制御機」ということで発売から40年以上経つ現在としては
動作の不安定さやメンテナンス性に不安を持たれる場合も多いかと思われますが
「FE」は電子回路上の問題は皆無とまでは言いませんが
非常に少ないかと思います。
トラブルの大半は経年劣化による機械的動作不良です。
もちろん電子制御機は接点の接触不良やマグネットの吸着問題等も
よくあるトラブルですがそのあたりは整備すれば改善できるので
いずれにしても整備が必要なこの年代のカメラとしては
大きな問題ではないかと思います。

お預かりしている「FE」は巻上ロック機構の動作不良を抱えていて
受付時には巻上が全くできずどうにも動かせない状態でした。
電気的な接触不良もあるようで露出計も少しばかり不安定です。
巻上関連のトラブルはFEのみならず機械的な部分で
共通点の多い「FM」でもよく見受けられるトラブルです。
大体パターンは限られているので
分解整備の過程で修理可能かと思われます。

画像は取り掛かり始めの段階のもので
上カバーを外しただけの状態です。
電子制御機としては整備性はかなり良好なカメラですが
やはりそれなりに神経を使うカメラではあるので
これ以降はより集中して慎重に作業に取り掛かります。
この後でわかったことですが
巻上ロックのトラブルが解消してシャッターをテストしてみたところ
やはりシャッター羽根の見えない部分に
汚れ等が溜まっているらしく
1/1000はほぼ開かず高速シャッターの精度はかなり崩れてしまっていました。
金属羽根シャッターは動作安定性は非常に高いですが
汚れや油脂にデリケートな部分もあるので
そのあたりも含めてしっかり整備を行っていきます。

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ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は「古民家の日」だそうですよ。
「こ(5)みん(3)家=おうち(0)」の語呂合わせと
古民家の再利用や古材の活用を推進したいとの想いから
「ごみゼロの日」と同じ日にしたものだそうです。
古民家ではないですが
私の生まれ育った町は今や空き家が非常に多く
その中でも比較的キレイなものが
安く売られたりするので
一時期ちょっと購入を考えました。
いや…移り住む気はなかったのですが…
結局、維持や改修にかなりお金がかかりそうなことと
住まないとなおのこと傷む…結局は無駄遣いになる…と判断し
早々にあきらめました…(苦笑)
いや、でも昭和レトロな住環境大好きなので
興味は湧くのですよ…こんなことなら
実家を引き払わずに借りたままにしておけばよかったかな…
(それはそれで手入れが大変だったか…)
まぁ現実味のない夢物語は置いておいて
身の回りのちょっとしたモノに
懐かしいモノを置くことでも充分満たされたりはしています(笑

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」のカメラ修理を行っています。
国産最高峰と言われることも多い二眼レフの名機です。
ミノルタの二眼レフはオートコード以前のモデルも
非常に評価が高いモデルが多いですね。
最初の「オートコード」は1955年にデビューしています。
特徴と言える腹切り型のピントレバー
ビューレンズ上の露出設定集中表示、
通常とは逆の上から下へと巻くフィルム送り
クランク式の巻上…これらの機能は
既に前身のミノルタコードでほぼほぼ搭載されていて
それらの集大成として
さらにまとめたのがオートコードなような印象もあります。
さらに初期のオートコードから細かな改良も加えられて
最終のオートコードⅢに至るまでどのモデルも
非常に魅力的なカメラだと思います。

お預かりしている「オートコード」は
いわゆる「RG型」かと思われますが
多くの「RG型」は吊り下げ金具が
賛否両論の専用型になっているはずなのですが
この個体は前期モデルと同じく従来タイプの吊り下げ金具です。
またファインダーフードには「RG型」では
既に「CHIYOKO」銘はないはずなのですが
この個体には前期型同様に「CHIYOKO」銘が入っています。
搭載されるシャッターユニットは「RG型」の特徴でもある
シチズンMVLで通常であれば絞りレバーにあたる部分で
LV表示に対応しています。
ビューレンズ上の集中表示では通常の「SS・絞り」が表示されます。
どうみても後から改造したような様子は見られないので
生産の過程でこういうモデルもあったのだと思われます。
レンズ銘は「MINOLTA」銘のロッコールです。

細かな仕様は興味本位で特に問題も何もないのですが
お預かりしている「オートコード」は
まずシャッターが切れません。巻上クランクもどっちにも動きません。
完全に固まってしまっている状態です。
チャージ機構に問題があるのかとも思ったのですが
まずは他の機能も確認と思い、絞り(LV)レバーを動かそうとすると
ちょっと尋常ではない重さです。
かなり強烈に絞り羽根が貼り付いているようで
無理に動かすと間違いなく羽根を破損しそうです。
もちろん動かすことはすぐに止めました。
この様子だとシャッター羽根も間違いなく貼りついて固着していると思われます。
シャッター切れず、巻上できずの主な原因はこれかと思われます。

それでもシャッターユニット・チャージレバーの動きも悪いですね。
シャッタ―ユニット内のあらゆる部分の動きが悪いようです。
まだ現状確認を行っている段階ですが
大体の状況は把握できたので
これからまずはシャッターユニットを降ろして
シャッター関連から整備修理を行っていきます。
その後で側面も開けて巻上やカウンター部の整備を行っていきます。

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ペンタックスS2のカメラ修理

今日は「エベレスト登頂記念日」だそうですよ。
ニュージーランドのエドモンド・ヒラリーと
チベット人シェルパのテンジン・ノルゲイが
世界で初めて世界最高峰のエベレスト
(チョモランマ)の登頂に成功した日ですね。
標高8848m、言わずと知れた世界最高峰です。
富士山の3776mより倍以上高いのですものね。
山頂付近の酸素濃度は下界の1/3程度です。
低温やジェット気流等、他にも過酷な環境ではありますが
この酸素濃度の低さが体に与える影響は相当深刻だと予想されます。
それでも海抜たった9km弱なんですよね。
高さなので単純に比較は全くナンセンスなのですが
水平方向に9km移動であれば私の毎日のウォーキングと
さほど変わらない位の距離です。
人が住める領域というのは
本当に地表のわずかな薄いエリアなんだと実感します。
でも高さと水平方向の距離では本当に全く違いますね。
地上から数mの高さでも足元の状況によっては
めちゃくちゃ怖いですものねぇ…

さてさて

本日は「ペンタックスS2」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のカメラです。
ペンタックスの最初カメラである「AP」や
その高級機ヴァージョンの「K」に続いて
普及機として発売されたカメラです。
生産工程や設備の見直し等により大幅に価格を抑えることにも成功し
ヒット商品となったカメラです。
ポジション的には普及機クラスですが
一軸不回転型シャッターダイヤルを採用し
SS最高速こそ1/500ですが使いやすさでは「K」を凌駕し
最終的にはSS最高速も1/1000が搭載されます。
続くS3やSVへと続くAP系シリーズ本流のベースともなり
基本設計に非常に優れたカメラだと思います。

この時代のペンタックス機、AP以降SVまでの機種は
どれもシャッター幕に問題を抱えた個体がほとんどです。
過去に幕交換を行っていない個体であれば
ほぼ間違いなく幕にトラブルを抱えているといっても
間違いではないかと思います。
今回の「S2」も幕の硬化がかなり進んでいて
巻上げてシャッターを切ると先幕は
何とか「ズルズルズル…」という感じでゆっくり出てきますが
後幕はビクとも動かないような状況です。
無理やり後幕を引っ張り出してみると
硬化して幕が激しく波打った状態です。
先幕もかなり硬化が進んでいてこれでは他をどんなに整備しても
シャッターはまともに動きません。
しなやかな新品のシャッター幕と交換を行い
シャッターの設定等を最少から見直して調整を行います。

上カバー裏側にはってある干渉防止用のモルト劣化の悪影響もあって
プリズムも頭頂部に腐食が見られます。
大きなものではないですがせっかく分解しているので
腐食のないキレイな状態のプリズムと交換で対処します。
今回の「S2」は最高速は初期モデルと同じく1/500ですが
比較的後期のモノかと思われます。
シンクロ接点の構造が後のSV等と同様に構造になっています。
こちらのほうがもちろん理にかなっていますが
前期と違って幕の貼り位置に少し気を付けなければ
シンクロのタイミングも狂ってしまいます。
要は元の幕と同じ寸法のモノを切り出して
元の幕と同じところにキチンと貼ればSSも含め
精度は出るはずです。
こう書くと簡単なのですが
それがそれなりに大変なのではありますが…(苦笑)

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キヤノンEFのカメラ修理

今日は「東名高速道路全通記念日」だそうですよ。
1969(昭和44)年のこの日に
足柄上郡大井町の大井松田IC~静岡県御殿場市の御殿場ICが開通し
東京から小牧まで346kmにおよぶ
東名高速道路(東名高速)が全線開通したそうです。
私の生まれたすぐ後なんですよね。
今や主要都市間は高速道路で効率よく移動できるようになりました。
私は今はクルマ持っていないので
なかなかその恩恵にあずかれませんが
以前は広島に帰省する際にも東京から広島まで高速道路は頻繁に使いました。
都市部から抜けて車線も広くなり緑の多い中を
高速で移動していくのは何とも気持ち良いですよね
そして途中SAに立ち寄ったりすると
なおのこと遠出している非日常の実感がわいてきて
高速道路での遠出は大好きでした。
こんなこと書いているとクルマ欲しくなってきますね(笑
まぁ乗る時間も機会も必要性も少ないですし
都内で維持するのはあまりに効率悪いので非現実的ですが…
それでもたまには高速道路使って遠出はしたいですね。
レンタカーでも借りて行ってこようかな…

さてさて

本日は「キヤノンEF」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
時代的には「Fシリーズ」の後期に分類されると思いますが
「Fシリーズ」のカメラというにはかなり異端児的なカメラです。
まずシャッターは布幕横走ではなく
金属羽根縦走りの「コパルスクエアS」です。
他メーカーのカメラにも搭載されたお馴染みのシャッターユニットです。
基本的にはこれを機械制御で駆動します。
ただ1秒以上のスローシャッターに関しては電子制御とし
最大30秒のスローシャッターを搭載したカメラです。
そしてシャッター速度優先オートを搭載します。
シャッタースピード優先オート搭載の一眼レフは
新技術てんこ盛りの次世代機「AE-1」が本命だったと思われますが
さすがに開発にかなり時間がかかっていたために
他メーカーが続々とオート露出搭載の一眼レフを発売する中で
「AE-1」までの「繋ぎ」といえる存在のカメラです。
しかしながら「EF」にはその端正なデザインや
上記の独特のシャッター・オート機構
他キヤノン機では見られない
シャッター速度ダイヤル – レリーズボタン – 巻き上げレバーが
いずれも同軸になる設計等々
かなり「EF」ならではの部分が多いカメラで
発売期間が短い割には根強い人気があるカメラです。

他機種でもおなじみで安定性においては定評のある
コパルシャッターなので機械的なトラブルは比較的少ないカメラです。
とはいえ、さすがに発売から50年経過しているので
羽根汚れ等による高速シャッターの精度不良は多く
今回のEFも高速シャッターが少々不安定です。
加えて低速SSを中心とする電子制御部に関しては
接点やマグネット類が肝なのは
通常の電子制御機と同じで
1秒以上の電子制御時には電子制御から機械制御に切り替わる際に
機械制御側のガバナが上手く作動できない等のトラブルが多いカメラです。
今回の個体は切替時云々よりも電源電圧が不安定なようで
動きも不安定なってしまうような状態です。
各接点や配線を細かくチェックして対処する必要があるようです。

まだ取り掛かったばかりで上カバーを外しただけの状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
EFの修理の際にはよく書いていますが
EFの電池は本来水銀電池(MR9)を2個使用します。
水源電池使用カメラでLEDを使うカメラには多いのですが
電圧変換型電池アダプタを使用すると
大抵の場合、アダプタ側の抵抗が原因でLEDが点灯しなくなります。
「EF」でいうと電子シャッター駆動時やBC時に点灯する
上カバー上の赤LEDが点かなくなります。
そのため電池は電圧変換型のアダプターは
使用しないほうがよろしいかと思います。
(細かく検証したわけではないですが
LEDが点かない以外には問題はないかと思います)

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ニコンF2フォトミックSBのカメラ修理

今日は。。。うーん。。。これと言って。。。
「ゴルフ場記念日」「伊達巻の日」
「スクーバダイビングの日」。。。
個人的に全く関りがなくてネタにできないですねぇ(苦笑)
そういえば先月の24日もネタにできなくて
毎月24日の「ブルボン・プチの日」をネタにしましたね(笑
今日も「プチうす焼き」か「プチえび」を買って
ビールのつまみにします(笑

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックSB」のカメラ修理を行っています。
ファインダー側が「S系」なのは当店にしてはめずらしいのですが
それはフォトミックの「LED式露出計」の修理が
大抵の場合、修理不可と判断せざるを得ない場合が多いからです。
今回もファインダー内露出計に関する部分は
あまりタッチできません。行えるのは若干の調整くらいです。
F2に限らずLED式の露出計は修理不可能な場合が多くなってしまいます。
もちろん露出計を回路ごとごっそり交換できる場合は
修理可能な場合もあるのですがそれが可能な機種も
部品手配と作業天順の関係上、あまり多くないような気がします。
フォトミックSBはLED式露出計搭載の「S」の受光体を
CdSではなくSPDに変更したものです。
より低輝度の反応に優れ精度も高いと言われています。
露出計に関してはできることは少ないのですが
ボディ側の電源供給の問題で少々不安定な部分があるようです。
さらにボディ側に関してはシャッターの動きもかなり悪く
後幕が先幕に追いついてしまうような状態で
1/2000、1/1000に関してはシャッターが開かない状態です。
ミラー駆動部にしても動きはあまりよろしくなく
機械的な部分の動作改善のための整備が一通り必要な状況です。

何か大きな問題があると対処できない可能性もある
ファインダー側が気になるのでファインダー清掃から行っていきます。
外観的には指針式のフォトミックファインダーと大差ないのですが
カバーを開いてみると露出計関連に関しては
指針式の「フォトミック」や「フォトミックA」とは全くの別物です。
指針式の露出計とは違った意味で神経を使う部分が多いので
慎重にプリズムや接眼レンズ周りの清掃を行っていきます。
そしてやはりファインダー内部にモルトも結構使われているので
それらの交換や対処を行っていきます。
それが完了したところでボディ側の整備を改めて行っていきます。

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ヤシカエレクトロ35のカメラ修理

今日は「たまご料理の日」だそうですよ。
5月を「たま(0)ご(5)」、
22日を「ニワトリ(2) ニワトリ(2)」と読む語呂合わせからだそうです。
「たまご料理」、美味しいモノばかりですよねぇ
目玉焼き、ゆで卵、卵焼き、だし巻き卵、オムレツ、オムライス、
スクランブルエッグ、親子丼、茶碗蒸し、卵豆腐、天津飯…
他にも数え上げるとキリがないですし
たまごを食べている自覚がなくてもいろいろな調味料とかに
使われている場合もありますね。
それだけ美味しい上に生活に欠かせない食材です。
ただ、私の年齢くらいになってくると食べ過ぎに注意ですねぇ…
カロリーも高いですし、コレステロール量も多い…
でもそれより「飽和脂肪酸」が多いというのが気になります…
動脈硬化を促進してしまいますものね…
飽和脂肪酸は油脂類や加工肉、
そして卵やバター等の乳製品に多く含まれます。
脳梗塞や心筋梗塞のリスクが気になる方は
注意したほうが良いかもしれません。
でも食べ過ぎさえ気を付ければ
タンパク質を程よく含んでおり、さらにビタミンやミネラルが豊富で
何といっても美味しいたまごはやはり魅力的ですね。
なんなら簡単に生たまごで卵かけご飯でも最高です!

さてさて

今日は「ヤシカエレクトロ35」のカメラ修理を行っています。
そうなんです。またエレクトロです。
ここのところなぜか集中して依頼が入っていますね
でも今日以降は当分エレクトロの整備の予定はないので
この依頼を受けたあたりの数日間だけやたらと集中しているのです。
なかなか不思議ですよね。
今日の「エレクトロ35」は前々回と同じく「初代エレクトロ35」です。
それも前回よりも初期モデルです。
ファインダー内の警告灯は矢印ではなく丸いランプ
ASA感度設定は最大400までとなっています。
そして底板を留めているネジの数が4本です。
中身的には最初期もそれ以降の初代も大きな違いはありません。

お預かりしている「初代エレクトロ」はまず電源が入りません。
電池室自体は腐食や緑青もなくかなりキレイなのですが
配線やハンダの劣化が原因かと思われます。
そしてやはりシャッター羽根の動きは悪く
完全に開ききらない状態かと思われます。
エレクトロに多くある症状で羽根自体の汚れによる粘りではなく
羽根駆動部の動作不良かと思われます。
そして今回のエレクトロは巻上でシャッターチャージは
問題なくできるもののフィルムが全く巻き上がりません。
正確に言うと巻き上げてもスプロケットが全く動きません。
巻上軸の回転が底部スプロケット駆動ギアに伝わらないようです。
ギア裏面のピンに問題があると思われます。
オート制御等はまずは電源を入るようにしてみないと
問題の有無はわかりませんが
もんだいがあればそれも合わせて修理整備を行っていきます。

ちなみにレリーズ軸を抑えておくゴムブッシュは
当然のごとく劣化していて全くレリーズ軸を抑えておくことができません
なので今回もエレクトロならではの巻上時の
「カタン」というレリーズ軸の戻る作動音は今回もありません。
ここも先に処置をしておかないと
オート制御は回路に関係なくまともに動かないので
ここを対処してからオートの制御を確認します。
まぁエレクトロの電子回路はおそらく大丈夫かとは思います。
何かあるとすればハンダの劣化や
マグネットの汚れによる吸着不足等の動作不良かと思います。
いずれにせよ、エレクトロは整備の過程で確認事項の多いカメラなので
ひとつひとつ動きを確認しながら全体的な整備を行っていきます。

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コニカⅢのカメラ修理

今日はこれといってピンとくる記念日がない日ですねぇ…
過去の出来事を探ってもなかなかこれといったものが…
ただ今月に限らず毎月19日は
「シュークリームの日」なのですよね。
「19」がシュークリームの語感と似ていることからだそうです。
いろいろ身近なスイーツでお馴染みのモンテールさんが制定しています。
モンテールのシュークリームやエクレア美味しいですよねぇ
スーパーで身近に見かけるのでついつい買ってしまいます。
個人的に思い出すことですが
シュークリームと言えば広島市内でサラリーマン時代
(20代だから30年くらい前かな…)
立町に「キャベツ畑」ってシュークリームしか売っていない有名なお店があって
1個単位で買えたので外回りから帰社する際に
内勤の人たちに差し入れでよく買って帰ってました。
まぁ小さなオフィスだったから10個とか15個で足りるから
ほんの些細なお土産なのですが…あれも美味しかったですねぇ…
こんなこと思いだしてたらやたらとシュークリーム食べたくなりますね(笑
あの頃は2,3個平気で食べられましたが今は1個で充分ですし
だいたいカロリー的にも糖質的にも1個でも気を使います(苦笑)
あとでコンビニ行ったときにでもお茶請けに買ってきましょう!

さてさて

本日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っています。
1956年発売のレンジファインダー搭載のレンズシャッター機です。
巻上を特徴的なフロントレバーで行います。
よく整備された個体だと巻上も非常に軽快で
リズミカルにダブルストロークさせるのが病みつきになるカメラです。
この「Ⅲ」からセルフコッキングにもなり
シャッターチャージ、巻上がダブルストロークの巻上で
同時に行えるようになりました。
やはりセルフコッキング化されると
一気に操作性が現代的になりますね。
「Ⅲ」にもいくつかバリエーションがありますが
今回お預かりしているのはシャッタースピード設定が
ライトバリュー方式になった「L1」と呼ばれるモデルです。
それに伴って搭載シャッターユニットもセイコーシャMXLになっています。
レンズは変わらずヘキサノン48mmF2です。
ライトバリュー方式の露出設定は今となっては
少し慣れが必要ですがうまく使うと便利なシチュエーションもあると思います。

お預かりしている「コニカⅢ L-1」は
シャッターが全開に開いたまま固着してしまっています。
閉じたまま固着というパターンは多いのですが
開いたまま固着というのは少し珍しいですね。
ただ開いたまま固着ということは単なる羽根粘りでの固着ではなく
羽根駆動部に問題があるような気もします。
絞り羽根側に粘りがほとんど見られないのも
羽根粘りではないと思わせます。
余談ですが最近変な状態のカメラをよく見ることもあって
「そもそも羽根がない」なんてことはないだろうな…なんて
ついつい疑ってしまいます(苦笑)
結論から先に行っておくと無事に羽根はありました。
やはり駆動部の動作不良、部品変形による固着です。
ちょっと修理にはそれなりに苦労しそうな感じです。

最初にとりあえずはシャッターの現状を確認しようと思い
前面からアプローチし状態を確認している段階です。
まずはシャッターが普通に動作する状態にすることから
取り掛かろうと思います。
それに目処が立ったところで分解を進めて巻上の整備調整
レンズ・ファインダー清掃、距離計の調整等々
一通りの整備を行っていきます。

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ヤシカエレクトロ35のカメラ修理

今日は「ことばの日」だそうですよ。
「こ(5)と(10)ば(8)」と読む語呂合わせからで
言葉について考え、言葉を正しく使えるように心がける日だそうです。
当然ながら言葉を使って人とコミュニケーションを取るのが普通ですが
言葉使いって本当に難しいですねぇ…痛感することが良くあります(苦笑)
言い方ひとつで与える印象がガラリと変わってしまい
意図しない方向へ話が進んでしまうこともあるので本当に大変です。
それでもまだ対面で話している分には
意図しない伝わり方をしてしまった場合にも
それに気づくのがまだ早いような気がしますが
メールや文章ではまたそれに気づきにくいのが怖いですね…
いずれにしても発しようと思った言葉はあまり勢いで
そのまま発するのではなく一度咀嚼して
落ち着いて発言しようとは思います。
もちろん気の向くまま思いのまま発する言葉も
ストレートで良い場合もあるとは思います。
ケースバイケースですが「言葉」というより
意思を伝えるって何年生きていても難しいですね(苦笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35」のカメラ修理を行っています。
またまた「エレクトロ35」です(笑)続きますね…
ただし今日のエレクトロはコンパクトな「MC」とかではなく
ちょっと大柄でレトロなデザインの「初代エレクトロ35」です。
1966年発売のカメラです。
「ろうそく1本の明かりでも写る」カメラを目指して作られたカメラです。
そのため安定した低速及び長時間シャッターを得られる
電子制御シャッターを搭載し
少しでも早いシャッタスピードを確保するための大口径レンズを備えています。
シャッターユニットはほぼ専用設計ともいえる「コパルエレク」を搭載し
レンズは45mmF1.7ヤシノンDXレンズを搭載します。
露出制御は絞り優先オートで制御します。
昨日・一昨日の「MC」のブログでも書きましたが
エレクトロ35シリーズは
この「大口径レンズ」+「電子制御シャッター」+「絞り優先オート」
そして「レンジファインダー」という点は最終モデルまで共通項となっています。
「MC」のみが小型化を優先してこの中から「大口径レンズ」と
「レンジファインダー搭載」という特徴が外されています。
内部機構もモデルチェンジごとにブラッシュアップされ
特に電子回路は年々進化しますが基本的構造やアプローチは
この初代の考え方が最終モデルまで引き継がれています。
そういったところも見てもこの初代エレクトロが
優れた設計だったことが垣間見えるような気がします。

お預かりしている「エレクトロ35」は初期のモデルで
ファインダー内の警告灯がエレクトロ35の特徴ともいえる
矢印マークではなく黄色・赤色の丸い警告灯です。
ASA感度も500までの設定しかありません。
初期モデルは最近さすがにあまり見なくなったような気がします。
ご依頼者様のお宅で新品時から使われていた
個体だと思われますがここ数十年は使われることなく
しまい込まれていたものと思われます。
残念ながら電池を入れても電源は入らず
オートやSSの制御は全くできません。
やはり配線やハンダの劣化のため接触不良な状態かと思われます。
エレクトロ35といえば巻上レバーで巻き上げたときに
「カタン」とレリーズ軸が戻ってくる作動音がするのが
シリーズ共通の特徴ですがこのエレクトロはその差動員もしない状態です。
レリーズ軸を抑え込む部分のゴムブッシュが劣化で
溶解してしまっていると思われます。
シリーズ中期以降のモデルはこの部分に劣化しにくい素材を使っているので
ここのトラブルは少ないのですがシリーズ前期の
初代と同様の躯体を持つモデルはここに注意が必要です。
これが腐食して軸の抑えが効かなくなると
オート制御が一部不能となってしまいます。
加えてシャッター羽根に少々油滲みも見られ
羽根の動きが粘ってしまっているようです。
レンズ・ファインダーに当然ながらカビも発生しています。

電子回路自体は非常にしっかりできていて
意外と電子制御関連のトラブルは少ないカメラです。
しかしながらこの配線の多さはこの時代の電子制御機らしく
非常にややこしい上にトラブルも元にもなりますね。
電子制御機は接点と導通、そしてマグネットの吸着が肝なので
そのあたりを中心に一通りの整備を行っていきます。
電池室からの配線交換と端子の清掃等で
とりあえず電源は入るようになりました。
ボディサイズに少し余裕があるので意外と整備性は悪くありません。
この時代ならではの配線の多さとそれを繋ぐハンダも
エレクトロは非常にしっかりしています。
メーカーや機種によっては経年劣化もあり
どこもかしこもハンダ不良なカメラもあるので
そこは非常に安心できます。
そして何といってもシリーズ初期モデルの
このギンギラギンなシルバーは
他のカメラとは一線を画していていいですね!

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ヤシカエレクトロ35MCのカメラ修理

今日は「旅の日」だそうですよ。
1689(元禄2)年5月16日(旧暦3月27日)、
俳人・松尾芭蕉が江戸を立ち
『おくのほそ道』(奥の細道)の旅へ出発いたことに由来しています。
隅田川から日光街道を北へ進み、下野・陸奥・出羽・越後・加賀・越前など
未知の国々を巡る旅は、全行程約600里(約2400km)に及ぶ徒歩の旅でした。
芭蕉は体が弱かったため困難も多かったが
2年後の1691年(元禄4年)に江戸に帰ってきたのだそうです。
2400kmの徒歩の旅はすごすぎますね。
そんなのは間違いなく真似できませんが
もうどこか遠くの未知の場所に出かけたいとも
あまり思わなくなりました(苦笑)
年3回の帰省が私に取ってはちょっとした旅行ですね。
あとはたまに日帰りで行ける範囲に出かけるくらいで充分です。
でも通常の生活で見ることのない景色や街並みを
出かけた先で見るのは本当に新鮮で
非常にいい気分転換になるのはわかっているので
無理のない範囲で余裕をもってこれからも出かけたいですね!

さてさて

本日も「ヤシカエレクトロ35MC」のカメラ修理を行っています。
昨日とは別の個体です。
エレクトロ35MCなんてそれほど頻繁に入ってくる機種ではないのですが
偶然にも2台続けて同じ日に全く違うご依頼者の方からお預かりしました。
この仕事していると割とこんな偶然があるのですよ。
2台連続は確かに珍しいですが
滅多に依頼のこない機種が
短期間に集中して入ってくる…なんてパターンはよくあります。
昨日も書きましたがエレクトロ35シリーズの中でも
「MC」は特に小型化に特化した異端児的カメラです。
「MC」が出た翌年の1973年にはエレクトロの本流ともいえる
大口径レンジファインダー機の「FC」がそれまでのモデルと比べて
小型化されて出てきますがそれでも「MC」ほど割り切った設計ではないので
それなりの小型化にとどまっています。
「MC」の魅力は何といってもその小ささと
コンパクトながらエレクトロらしい機能と何とも魅力的なデザインだと思います。

昨日の「MC」はブラックでしたが今日の「MC」は
ヤシカらしいギンギンギラギラのシルバーです。
初期のエレクトロ程ギンギンギラギラではないですが
「MC」のシルバーもまた独特で何とも魅力的です。
昨日の黒MCと同様に今日の銀MCもシャッターが開いたままになってしまいます。
さらに今日の銀MCは電池を入れても電源が入らない模様です。
シャッターが開きっぱなしになる症状はやはり羽根側でなく
羽根を駆動している機械部分の粘りが原因です。
駆動部は上画像の状態で既に確認できているので
動きを良くする処置を行っていきます。
電子制御機なのでマグネットの清掃ももちろん必須です。
電源が入らないのは電池室からの配線腐食かと思われます。
お預かりした時点でかなり古い電池が入ったままになっていたので
その影響も大きいかと思います。
いずれにしろ普通にシャッターが動作し、電源が入る状態になってから
各制御の動きの確認を行っていき
調整整備を進めていきます。並行してレンズやファインダーの清掃を行います。

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