カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「潤滑油の日・オイルの日」だそうですよ。
潤滑油の通称「OIL」(オイル)を反転させると
「710」に見えることからだそうです。
油分は大事ですよねぇ
仕事柄、当然その効果もよくわかっているつもりですが
過剰な油分や古くなって劣化してきた油分は
トラブルの元となります。
当店に修理でやってくるカメラの大半は
「破損」で壊れているのではなく
「動作不良」でのトラブルが多いのですが
その多くが油切れ、あるいは油分は残っているものの
劣化した油脂分が原因だったり
油分があってはならない場所に漏れ出しての動作不良だったりします。
スムーズに動作させるにはなくてはならないものですが
やはり何事も「適材適所」で
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」なんですね。
油脂分は人の体にも必要なもので
上質な油脂分をたっぷりと使った料理は美味しいのですが
これも摂りすぎると間違いなくトラブルの元ですね。
まぁ年取ってくると過剰な油分は
身体が受け付けなくもなりますが…(苦笑)

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
相変わらず当店では修理依頼の最も多いカメラだと思います。
1台挟んでその後にも今月もう1台「OM-1」がありますね。
修理依頼が多いということは「壊れやすい」という意味ではなくて
それだけ「現在でも使っている」
あるいは「きっちり整備して使いたい」という方が
それだけ多いカメラだと思われます。
今回のOM-1も致命的なトラブルや破損個所があるわけではありません。
使い方をうまく限定すれば何とかごまかしながら
撮影に使うこともできなくはないかと思います。
それでもそれは本来の姿ではないですし
無理を通していれば新たなもっと大きなトラブルを引き起こすと思います。
発売されて50年以上経過する機械ですから
整備も行ってある程度はいたわりながら長く使っていただきたいと思います。

お預かりしている「OM-1」は
やはり長くしまい込まれていたものと思われます。
それでも保管状態は悪くなく一応はシャッターも切れ
心配されるプリズム腐食は今回はありません。
それでもやはり接触不良や配線・ハンダの劣化で
露出計は動かない状態で
シャッターも精度は出ておらず1/1000はほとんど開きません。
スローガバナも粘っていて1秒で数回切っていると
たまに開いたまま固まってしまうような状態です。
モルトはもちろん全滅です。
やはり一通りの整備を行ってリフレッシュさせ
本来の姿・動作を取りもどしていきたいと思います。

まだ取り掛かり始めの状態で現状を確認している段階です。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
「軽量コンパクトな一眼レフ」の代名詞のようなカメラですが
この大きさそして作動音の小ささを実現するために
様々な工夫と独創的な構造をしています。
画像に少し写っていますが
ミラー下にスローガバナは普通ですが
高速側のSS調速機構が入っているのもOM-1ならではですね。
他にもいろいろと個性的な造りがあって
整備性は良好ですが注意する部分の多いカメラで
デリケートな部分も数多く存在します。
シンプルなようで意外と難しいカメラです。

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ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は言わずと知れた「七夕」ですねぇ
記念日も七夕関連のものが数多く制定されています。
そんな中、七夕と関係なく
「冷やし中華の日」が制定されています。
日付はこの日が二十四節気の「小暑」となることが多く
(今年の「小暑」は7月6日でした)
夏らしい暑さが始まり
冷やし中華がおいしい季節であることからだそうです。
「夏らしい」どころか今日もむちゃくちゃ暑いですけどね…
現代風の冷やし中華の原型は五色涼拌麺(五目冷やしそば)として
東京神田神保町のお店が発祥とされています。
「冷やし中華」とはちょっと異なるのですが
私の生まれ故郷・呉には「呉冷麺」と言われる名物があって
甘酸っぱいスープに平打ち麺
きゅうり・チャーシュー・ゆで卵・海老がトッピングされています。
ぱっと見、冷やし中華なのですが味は全く異なり
甘みと辛みの絶妙なバランスですごく美味しいのです。
私が生まれる前から存在しますが
高校生の頃に週に何度も学校の帰りに友達と食べに寄っていました。
あの頃の思い出の味でもありますね。
当時の「呉冷麺」発祥のお店はその後、近所に移転してキレイになり
今ではいつも行列ができるようなお店になっています。
気軽にパッといって軽くさっと食べるものだと思っているので
並んでまで食べようとは思いませんが
お盆はどこかのお店で「呉冷麺」も堪能してきます!
(毎度恒例のふるさとの味、呉の細うどんも食べなくては…)

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
このカメラの修理依頼も多いですね。
当時のフラッグシップである「F2」のボディに
露出計内臓の「フォトミックファインダーDP-1」を
組み合わせたモデルです。
前モデルの「F」では「フォトミック」はあくまで
オプション的扱いで電池室もファインダー側にあり
「とってつけた感」がかなりありました。
「F2」では開発当初から「フォトミックファインダー装着」が
標準の形として設計が行われいて
電池室もボディ側に移動し、デザインもかなり一体感のあるものになっています。
それでも露出計レスのアイレベルに比べると
少々頭でっかち感はありますが反対に当時のニコンの
無骨さが出て個人的には好きなデザインです。
フォトミックファインダーは露出計内臓が一番の特徴ですが
加えてファインダー内に絞り値・設定SSが表示されるようになり
使いやすさでもかなりの便利さがあると思います。
絞り値の視認性に関してはAi化され直読式となったフォトミックAより
非Aiの無印フォトミックのほうが良好です。

お預かりしている「F2フォトミック」は
まず露出計が少々不安定なこととBCボタンを押しても
指針が反応しない問題を抱えています。
いずれもSWや接点、摺動抵抗の汚れ等が原因と思われます。
そしてボディ側は高速シャッターの精度が出ておらず
1/2000はシャッターが作動していても実際は開いていない状態です。
先幕・後幕の幕速バランスが崩れてしまっています。
幕軸の汚れ等が原因で動かないほどではなくても
動作を妨げてしまっているものと思われます。

まだ現状を一通り確認している状態です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
「F2」は1/2000を実現するために幕速も
横走り機としてはかなり速めです。
当然ながらその幕速は本来通りのスムーズな幕軸の動きがないと
達成できません。非常に堅牢なカメラではありますが
やはり定期的なメンテナンスは必要かと思います。
その速い幕速のせいもあり「F2」のシャッター音は
「F」のまろやかさのある音とは異なり
非常にアタックの強い歯切れの良い音です。
基本的な構造は同じ形式をとるのですが
全くの新設計な「F2」はまた「F」とは違った魅力があります。

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キヤノンデミEE17のカメラ修理

今日は「ピアノの日」だそうですよ。
1823(文政6)年のこの日に
オランダ商館医となるドイツの医師シーボルトが
日本に初めてピアノを持ち込んだとされています。
この「日本で一番古いピアノ」は
山口県萩市の「熊谷美術館」に保存・展示されているそうです。
製造されたのは1806(文化3)年頃のロンドンとのことです。
私は鍵盤楽器全く弾けませんが
ピアノの音色はいいですよねぇ
たまにじっくり聴きたくなるのでピアノ曲のレコードは
クラシックを中心に何枚か持っています。
そして地元の幼馴染でもある親友が
幼い頃からピアノを弾いていていまだに仕事の合間に
弾き続けているので呉に帰った時に
たまに弾いてもらったりしています。
間近で生で聴くとまた最高に心地よいのですよねぇ…
その友人とは呉に帰るたびに遊んでもらっているので
またお盆に戻った時にでも何か弾いてもらいましょう
それもこの夏の楽しみですね!

さてさて

本日は「キヤノンデミEE17」のカメラ修理を行っています。
1966年発売のカメラです。
キヤノンのハーフカメラ「デミシリーズ」の一員です。
通常のデミがプログラムシャッターを露出計指針に合わせて
マニュアルで設定するのに対し
EE17はシャッタースピード優先オートを搭載します。
加えて絞り・SS、それぞれマニュアルでも露出設定が可能です。
レンズもSH30mmF1.7の大口径レンズを搭載します。
露出計の受光体はセレンではなくCdSで
電池はMR9水銀電池を本来は使用します。
ノーマルのデミに比べるとさすがに少し大柄ですが
それでも充分にコンパクトで
スペック的には高級版の位置づけです。
この前年に「デミラピッド」という
ラピッドフィルム用のカメラが発売されていて
それを35mmフィルム用に変更したカメラです。
デミシリーズ共通の何とも気持ちよい巻上が
やはり魅力なカメラです。

お預かりしている「デミEE17」は
シャッター切れず巻き上げできずの状態です。
レンズシャッター機定番のシャッター羽根固着かと思ったのですが
そもそもシャッターチャージができないようです。
「巻き上げできず」の問題はとりあえずの応急処置で
一時的に解消できたのですがフィルムの巻上はできても
シャッターチャージができない状態で
チャージできないので当然ながらシャッターも切れません。
それとはまったく別の問題で
やはりシャッター羽根もかなり強烈に貼り付いて固着しています。
露出計も不動で電池室には緑青が発生しています。
電池室内部には腐食した水銀電池が入ったままの状態で
電池室裏の配線も朽ちて断線してしまっています。
ありがちなトラブルが全て発生しているような状態です。
一通りの整備の前に配線交換、シャッター周りの修理も必要です。

まだ現状の問題点やトラブルを洗い出している状態です。
トラブルとその原因がある程度わかって
その対策の道筋も大体イメージできてきたので
これから本格的に分解修理に取り掛かります。
指針挟み込みのオート制御や
オート時の絞り連動がスムーズに動くように
(ここも現状はかなり問題有り)
各部品が最小限のバネの力で動けるように
入念に整備を行っていきます。

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ニコンEMのカメラ修理

今日は「ソフトクリームの日」だそうです。
美味しいですよねぇ…ソフトクリーム…
アイスクリームを口にすることは比較的あっても
ソフトクリームって意外に食べる機会少ないのですよね…
基本的にその場ですぐに食べるものだから
出かけた先で食べる機会が多いですよね
高速道路のSAや道の駅とかでついつい買って食べてしまうものの
かなり上位にくると思います(笑
アイスクリームとはまた違った美味しさがあるのですよねぇ
あのやわらかさというかなめらかさというか…
やはりバニラが王道で定番ですが
出かける先によってはいろいろな味のフレーバーがあるのですよねえ
どこかのSAで食べた紫芋が美味しかったような記憶が…
どこかどーんと高速で遠くに行って
適度に空いているSAでソフト食べたいですねぇ…

さてさて

現実に戻って今日もカメラ修理をやっていきます。
今日は「ニコンEM」のカメラ修理です。
「EM」も比較的依頼の多いカメラです。
1980年発売のモデルでニコンとしては初のエントリークラスのカメラです。
それまでのニコンにはフラッグシップのF一桁機と
ニコマートからの流れを汲むFM/FEがあるだけで
シンプルなラインナップで中級機以上のメーカーでした。
EMはエントリー機としては非常に良くできていて
基本的に絞り優先オート専用機でありながら
機械式1/90シャッターを備えていたりと
ニコンらしいこだわりもあったカメラでしたが
さすがにこの価格帯で同じクラスの強力なライバル達と
わたりあうためにコストを抑えてチープな部分もたしかにあります。
それが当時の昔からのニコンを知るユーザー(特に国内)からは
「ニコンらしくない」とも言われ
販売的には思ったよりは苦戦を強いられたカメラでした。
実際にもてはやされるようになったのは
生産中止後の中古市場でのことでした。なかなか難しいものですね。

お預かりしている「EM」は
やはりしばらく使われていない個体のようで
外観はキレイなのですがフィルム室のモルトはぼろぼろで
巻上のレバーの動きも悪く巻き上げた後にレバーがスムーズに戻ってきません。
電源も妙に不安定で露出計指針も安定しないような状態です。
露出計が不安定なのでオート制御も安定して測定できないのですが
現時点でもかなりオーバー目に制御してしてしまっているようです。
致命的なトラブルはありませんが
やはり機械的駆動部は清掃整備が必要ですし
電気的にも各接点の磨きや清掃が必要です。
その上で精度を出すための調整を行っていきます。

画像はまだ取り掛かり始めの段階でのモノです。
80年発売の電子制御機なのでそれなりに手間もかかりますし
整備性も良くはないですがそれでもこの類のカメラとしては
かなり整備しやすいほうかと思います。
フレキが入っている割にはリード線がまだ多いのも
70年代後半の設計を感じさせます。
しっかりとした構造でニコンらしいカメラなのですが
そこはエントリーモデルなのでプラスチック部品も多用されています。
そしてそれが経年劣化で見た目以上に脆くなっていることも多く
分解整備時には注意が必要です。
いずれにしても新品部品は手に入らないので
今ある当時作られた部品にできるだけ負担を掛けないように
分解整備を行っていきます。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日は7月1日でたくさんの記念日が制定されています。
そんな中から毎年ついついこれを取り上げてしまうのですが
「ウォークマンの日」ですね。
1979(昭和54)年のこの日に
ソニーが携帯式ヘッドホンステレオ「ウォークマン」の第1号機
「TPS-L2」を発売したことが由来となっています。
そしてこれも毎年書きますが
私がこの少し後に持っていたのは「ウォークマン」ではなく
「東芝ウォーキー(Walky)」でした。
チューナーパックをカセットのようにセットすることで
ラジオも聴ける優れもので鮮やかな真っ赤なモデルを持っていました。
当時中学生でしたがどこに行くにもお気に入りのカセットと
一緒に持って出かけていましたねぇ~
さすがに現在はカセットを外で聴きたいとまでは思いませんが
当時のカセットもまだ何とか伸びずに保管で来てますし
自宅にはそれなりのカセットデッキがオーディオシステムに組み込まれているので
たまにテープも聴いています。当時の汚い手書きのインデックス見るたびに
少し懐かしい気持ちになれますね。
ところでこれはウォークマンもウォーキーも同じパターンだと思うのですが
当時の純正で付いてくるヘッドフォン
伸び縮みする部分に髪の毛が挟まって困ったことがある人は
当時たくさんいたのではないかと…(笑

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
最初の「ニコマートFT」の登場から2年後の1967年に
発売されたカメラです。
このモデルから開放F値補正操作(いわゆるガチャガチャ)が
採用されレンズ交換時に絞り環を1往復させるだけで
開放F値をカメラボディ側に伝達できるようになっています。
非Aiカニ爪連動のボディを使っている方にはお馴染みですが
この機構がないとレンズ交換のたびに
装着レンズの開放F値をボディ側にセットしてやらないと
正しく開放測光を行うことができません。
開放F値の伝達が正しく行われているかどうかは
ガチャガチャ後にマウント脇の設定表示で確認することができます。
動作不良を起こしていてガチャガチャを行っても
うまくF値が伝達できない個体もたまにあるので要チェックです。
慣れてくると作動音だけでも正しく動いているかどうかもわかります。
他にも中央重点測光が採用されていたり
ファインダー内にSS表示が追加されたりと使い勝手は向上しています。
反対にシャッターユニットや巻上機構等に変更はなく
機械的な基本設計はFTをそのまま受け継いでいます。
ニコマートFT系の中では最も販売台数の多いモデルだと思われます。

基本的に非常に丈夫なカメラで長年放置されていても
シャッターだけは普通に切れるという個体も多いカメラです。
お預かりしているFTNもシャッターは何とか全速切れますが
ちょっと動きに重苦しさを感じます。
シャッターそのものも汚れ等で精度が出ていないのですが
それ以上にミラー駆動に問題があり
レリーズしても明らかにミラーの上がる動きが遅い状態です。
ミラーが上がりきらないと当然シャッターは切れないので
ミラーの動きが遅いと明らかにシャッターレスポンスが悪くなり
「ここだ!」と思ってシャッターを切っても
実際にシャッターが切れるのはおもったより
随分遅くなってしまうような状況です。
これをそのまま放置しているとミラーが動き間はそれでもまだ良いのですが
いずれはみらーが動かなくなってしまい
連動してシャッターも切れなくなってしまいます。
加えて電池室の中には当時の水銀電池が入ったままになっていて
電池室の蓋も固着してしまっています。
少し時間かけて何とか蓋を開けると
中からは真っ黒に腐食した電池がコロンと出てきました。
電池室の中も緑青で覆われているような状態です。
当然ながら裏の端子や配線にもダメージがあり
電源は露出計に全く供給されない状態です。

画像は取り掛かり始めのモノですが
これにも緑青がしっかり写っています。
電池室は緑青を取り除き磨き上げて
配線を交換した上で露出計のチェックを行っていきます。
もちろん分解を進めてシャッターユニットや
ミラー駆動部、巻上機構、機械的な部分も
一通りの清掃整備を行っていきます。

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ペンタックスSVのカメラ修理

今日は「国際熱帯デー」だそうですよ。
低緯度の1年中温暖な地域のことですね。
温暖…といえば何だか過ごしやすそうですが
非常に暑い地域のことです。
緯度による定義では赤道を中心に
北回帰線から南回帰線までの間を指します。
上昇気流により低気圧が発生しやすく
豊富な雨量により熱帯雨林を形成する地域や
雨季と乾季が明確でサバナと呼ばれる草原が分布する地域もあります。
イメージ的にはジャングルに覆われていて
とんでもない生き物が多く生息する怖い地域って感じがします(笑
アジアで言えば台湾南部からインドネシアですね。
暑いのは昔から苦手なので暑い地域にはあまり行きたくはないですが
ここ10年くらいで昔は比較的平気だった寒さにも
めっぽう弱くなってしまい、暑さ寒さの我儘さに磨きがかかりました(笑
それにしても空調のいらない快適な季節は年々短くなっている気がしますね。
これから梅雨が明けると強烈に暑い季節が来るので憂鬱です。
若い頃だって「夏最高!」と思うのは
海やプールに行く時だけでしたねぇ(笑

さてさて

本日は「ペンタックスSV」のカメラ修理を行っています。
AP、K、S2、S3と進化してきたアサヒペンタックスシリーズのカメラです。
前モデルのS3で完全自動絞りとなり
マニュアル一眼レフとしてはかなり近代的なモデルとなっていますが
「SV」となってその名の通りセルフタイマーが装備され
(SVの「V」はセルフタイマーを意味する”Voraufwerk”の頭文字)
フィルムカウンターも自動復元式となりました。
露出計の内蔵となるとさらに後のモデルの「SP」まで待たなくてはいけませんが
何十年前の内臓露出計の安定性や使い勝手を考えると
いさぎよく露出計は内臓されないほうが良いとも思えます。
使い心地も良く、M42マウントで交換レンズも豊富で
適度にレトロなデザインも何とも魅力的なカメラだと思います。

ただし「SV」までのアサヒペンタックスシリーズのカメラは
シャッター幕の経年劣化が進んでいるものが非常に多く
それまで未整備で幕交換等が行われていないと
まず間違いなく普通に使えないほどの幕の劣化が起こっています。
今回お預かりしている「SV」も幕の硬化が激しく
シャッターを切ると波打ってゴワゴワな先幕は何とか走行しますが
同様に波打った上にロールした状態でゴワゴワになっている
後幕は全く走行できません。もちろんシャッターは開いたまま
ミラーアップしたままで固着です。
言うまでもないですがこの状態では全く撮影に使えません。

というわけでまずは何はともあれ幕交換からスタートです。
まだ取りかかかったばかりの状態ですが
手前に置いてあるのが取り除いた先幕です。
まだ本体側には後幕が残っていますが
こちらもかなり劣化しているのが画像でもわかるかと思います。
シャッター幕は素材から切り出して新たに作成するのですが
寸法はもちろんのこと貼り付けの位置も正確に行わないと
その後でいくら調整しようとしても
シャッタースピードが確保できない状態になってしまうので
より慎重に行います。
同時に幕軸や巻上、ミラー駆動部の整備を行い
正しくスムーズに動く状態にしたうえで幕速の設定を行い
シャッタスピードの精度を出していきます。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「ちらし寿司の日」だそうですよ。
酢飯がさっぱりしていていいですね。
季節的にもピッタリなような気がします。
関東だと具に握り寿司に使う生魚を多く使う
「江戸前ちらし寿司」をイメージされる方が多いのですかね?
個人的には「ちらし寿司」と聞くと
「五目寿司」を想像します。
身体に優しそうな気がして時々無性に食べたくなるのですよ。
若い頃にはそれほど好んでまで食べなかったのですが
「ちらし寿司」の話ではないですが
食べ物の好みは本当に年齢によってどんどん変わりますね。
干し椎茸、干瓢の煮しめ、酢蓮根、筍、茹でた海老、焼き穴子…
いろいろな具が思い浮かびますがそれらが混然となって
何とも美味しいのですよねぇ…
…と書いていると何だか無性に「ちらし寿司」が食べたくなってきました。
スーパーとかで売っている出来合いのモノも美味しいのですよね
私、普段は昼食は食べないのですがスーパーまで
ちょっと行ってこようかな…(笑

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラで
キヤノンAシリーズ最初のカメラでもあります。
電子制御シャッターのカメラや
シャッタースピード優先オート露出のカメラ自体は
それまでにもありましたが
世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラで
来たるべき「AE時代」を開花させた記念碑的カメラだとも思います。
自動露出やシャッター制御を搭載されたコンピュータで集中的に制御し
従来機種より300点以上の部品削減と生産の効率化による
コストダウンを実現しています。
当然ながら大ヒットモデルとなり
低価格化・高機能化についてこれなく中堅メーカーが
このカメラの登場によって淘汰が進んだとも言われています。
こう書くとゴリゴリの電子制御カメラだとも思えますが
その後の時代の電子化に比べるとまだまだアナログな部分も残っていて
内部には連動糸もまだ使われており露出計も指針式です。
これより10年前のカメラに比べるとややこしい部分も多いですが
それでもこの類のカメラとしては整備性も良好です。
電子制御も意外と現在でもトラブルは少なく
経年劣化による接点の接触不良とかはありますが
トラブルの大半は機械的な動作不良だったりもします。

お預かりしている「AE-1」はまずシャッターが切れません。
幕位置から判断してチャージは完了しているようなので
電気的にレリーズができず固着してしまっている状況です。
電源はちゃんと入っていてレリーズボタン半押しで
露出計は反応します。
おそらくはマグネットの汚れ等による固着かと思われます。
このままでは埒があかないので
底部から一度、強制的にシャッターを切ってみたところ
定番ともいえる耳障りな「ギャイン」という
シャッター鳴きも確認できました。
「シャッター鳴き」と言いますが原因はミラー駆動部の
ギアが油切れにより異音を発する現象です。
そのまま放置しておくとミラーの動きが明らかに緩慢になり
シャッターレスポンスが悪くなり
最終的にはミラーが動かなくなり連動してシャッターも切れなくなります。
「AE-1」分解整備の際には症状が有無にかかわら要整備な部分です。

機械的な動作部分の清掃整備注油
電気的接点の清掃整備を行い
もちろん今回のトラブルの要因のマグネット吸着部の
清掃調整も行います。
その上で電気的調整を行い、露出制御等の精度を出していきます。
「AE-1」は当店では比較的修理依頼の多いカメラなので
トラブルの多い個所やチェックポイントはわかっているので
そういう部分も踏まえて修理整備を行っていきます。
意外と丈夫なカメラなのでしっかり整備すれば
また当分の間、安心して快適に使える状態になると思います。

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リコーフレックスニューダイヤのカメラ修理

今日は「露天風呂の日」だそうですよ。
「ろ(6)てん(・)ぶ(2)ろ(6)」(露天風呂)で
「6・26」の語呂合わせからだそうです。
露天風呂いいですねぇ…
この季節ならぬるめのお湯にゆっくり長く浸かりたいですねぇ
なかなか温泉にまでは行く機会がないですが
寒い季節は割と頻繁に近所の銭湯には行って
大きな湯船でゆっくり過ごすのが何とも癒されます。
暑い季節になってくるとシャワーで簡単に済ませてしまいがちですが
ゆっくりとお湯に浸かる日も増やしたいですね
そのほうが間違いなく気持ちよく眠れる気がします。
露天風呂も長らくご無沙汰ですがたまには行きたいですねぇ
山登りによく行っていた頃は
山の帰りに温泉や露天風呂に立ち寄ることも多かったのですが…
近年は出不精気味なせいもありなかなか機会がないですね(苦笑

さてさて

本日は「リコーフレックスニューダイヤ」の
カメラ修理を行っています。
「リコーフレックス」といえばプレスボディで
ピントギア搭載の二眼レフとしては
軽量コンパクトなシンプルなカメラを
思い浮かべてしまいますが
「ダイヤ」シリーズはダイキャストボディです。
ピント調整もヘリコイド方式となり
レンズボード左右から出たピントレバーで操作します。
フィルム装填もスタートマーク合わせの
セミオートマットとなっています。
機能的にはかなり充実したモデルです。
搭載されるシャッターユニットは
いくつかバリエーションがありますが
今回のモデルはシチズンMXV搭載です。
最高速は1/400です。
レンズはリコナー8cmF3.5です。
「ニューダイヤ」は1956年の発売ですが
これ以前にも「ニュー」ではない「ダイヤ」も存在します。
「ニューダイヤ」にはレンズにBay1バヨネットが装備採用され
それまで巻き上げノブに付けられていた巻き止め機構が
ボディ内に格納されています。
よりスマートに使いやすく進化しています。

お預かりしている「ニューダイヤ」は
やはりかなり長い間使われていなったものと思われます。
しかしながら保管状況は悪くなかったようで
シャッターは若干の粘りがあるものの
一通りは動作しています。
ただしレンズやファインダーにはカビや曇りがあり
撮影に支障のある状態です。
さらにフィルムカウンターに問題がり
通常であれば裏ブタを開ければ
フィルムカウンターはゼロにリセットされ
そこからスタートマーク合わせのフィルム装填を行い
1枚目をセットするのですが
現状は裏ブタを開けてもフィルムカウンターがリセットされません。
正確に言うとカウンター4あたりまでは戻るのですが
それ以下に戻らない状態です。
パトろーネ入り135フィルムのカメラであれば
フィルムカウンターがたとえ不動でも撮影枚数がわからないだけで
撮影自体は行えますが
120ロールフィルムでスタートマーク合わせのセミオートマットの
カメラだとカウンター不良は大きなトラブルです。
1枚目を位置合わせすることができないため
まともに撮影するにはかなりの障害となってしまいます。
おそらく何らかの原因でカウンターのバネのテンションが
抜けてしまったとのだと思われます。

まずはフィルムカウンタートラブルから対処していきます。
やはりネジの緩み等の原因で
単純にバネのテンションが抜けてしまっただけのようです。
バネ破損とかでなくてよかったです。
カウンターの動作もそうですが巻き止め機構等も含めて
清掃整備を行っていきます。
他は少々動作不良があるとはいえ
原因のよくわからないトラブルはないので
シャッターユニットの一通りの整備
ヘリコイドグリスアップ等、全体の分解整備を行っていきます。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「UFOの日・空飛ぶ円盤記念日」だそうですよ。
1947(昭和22)年のこの日に
アメリカの実業家ケネス・アーノルドが
自家用機で飛行中にコーヒー皿のような
謎の飛行物体を目撃したことが
由来となっています。
これが最初の目撃例と言われています。
UFO(unidentified flying object:未確認飛行物体)」
「科学的に説明できない正体不明の飛行物体」ですね。
さすがに宇宙人の乗り物だとは思いませんが
正体のわからない飛行物体…と考えると
まぁなくもないかな…という感じがしますね。
個人的にはそういう不可解なことは全部
蟲の仕業だと思っていますが…(笑)
幼い頃に段ボールや厚紙をまぁるく切って
「UFOだ!」って言って飛ばしてましたねぇ~
あと世代的にピンクレディーの名曲はドンピシャです(笑

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
「F」や「FT」を合わせると「ペンFシリーズ」は
かなりの頻度で修理依頼のあるカメラです。
「FT」だと露出計絡みの修理も多いですが
露出計レスでシンプルな「F」だと
トラブルのほとんどが「ミラーアップしたまま固着」か
「巻上不可」です。
どちらも大抵がミラー駆動部の動作不良によるものがほとんどです。
今回の「ペンF」もミラーアップしたまま固着し
シャッターが切れない状況なのですが
レンズを外すと正常に動作します。
ご依頼者様のレンズを装着すると
ほぼ百発百中でミラーアップしたままになってしまいます。
試しに当店のテスト用レンズを装着してみると
ミラーアップの頻度が3回に1回くらいになります。
レンズを変えると完全に解消されるならレンズ側の問題のみと言えますが
頻度が変わるだけなのでやはりミラー駆動部にも問題があるようです。
絞りレバーの負荷がかかっただけでミラーが駆動しにくくなるようです。
改めてお客様のレンズをチェックしてみると
指でレバーを動作させる分にはさほど重さを感じないのですが
絞り羽根にはやはり粘りがあって絞り込んで戻る際には
羽根の動きがかなりゆっくりです。
絞り込む際にはそれほど問題があるような動きではないのですが
微妙に粘っているものと思われます。
羽根の重なっている部分には少し油滲みも確認できます。
レンズ側も絞り羽根清掃等の整備が必要です。

まずはボディ側の整備から取り掛かります。
ミラー駆動部も含め機械的駆動部を全て
スムーズに本来の動きができるように清掃整備していきます。
ペンFはフィルム室には蝶番部のみしかモルトがないのですが
上カバー内部光路周辺に結構な量の
内部モルトが使われており
今回もそうですがそれが劣化してボロボロになり
内部のあちこちに入りこんでしまうので
その清掃や交換も入念に行います。
もちろんファインダー清掃もしっかり行います。

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ニコンEMのカメラ修理

今日は「ボウリングの日」だそうですよ。
楽しいですよねぇ~
子供の頃にはじいさんに頻繁に連れて行ってもらいましたし
高校生くらいから20代まではかなりハマって
せっせとボウリング場に通いましたが
もう10年以上はやってないなぁ…
まぁ今の私の身体ではあの重いボールを持っただけで
バランスを失って倒れそうですが…(苦笑)
私が生まれてすぐくらいが空前のボウリングブームで
生まれ育ったあの小さな町にさえ(広島県呉市)
私が覚えているだけでも
6ヶ所のボウリング場があってどこも盛況でした。
じいさんが当時めちゃくちゃ上手くって
アマチュアの大会に出ては優勝争いをしていました…(笑
家にたくさんトロフィーがありましたねぇ…
じいさんが晩年…80歳になったかの頃…
「もう1回投げてみたいのー」なんて言ってるので
何回かその頃にも一緒にボウリングにいきました。
さすがに1ゲーム投げるのが精いっぱいで
「あとは二人分全部投げてくれー」なんて調子でしたが…
それもいい思い出です。写真撮っておけばよかったなぁ…

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年発売の絞り優先オート露出専用機です。
当時は各メーカー「絞り優先オート専用」の
エントリーモデルの一眼レフをラインナップしていて
価格も物品税の関係もあり押し並べて「4万円」で
熾烈なシェア争いを繰り広げていました。
ニコンとしては初のエントリークラスへの参戦で
前年に先行して海外発売し
その売り上げも上々だったので満を持しての国内デビューでした。
ただ…意外と国内での販売は苦戦だったようです。
それまでのニコンのラインアップはトップにF一桁機
その下に「FM/FE」というシンプルなもので
中級機以上の一眼レフしかない状況で
コストの関係もありプラスチックを多用し
機能もシンプルな「EM」は「ニコンらしくない」ということで
なかなか市場に受け入れられなかったようです。
今見ると電子制御の絞り優先オート専用機ながら
電池がなくても常に動く1/90機械制御シャッターを装備していたり
「B」も電池不要で長時間露光に使えたりと
非常にニコンらしい部分がいろいろと垣間見えるのですが
なかなか当時はそのあたりが上手く伝わらなかったようです。
ジウジアーロデザインでデザイン的にも全く安っぽさがなく
非常に良いカメラだと思います。

お預かりしている「EM」はご依頼者様が
長らく愛用されている個体とのことです。
大きなトラブルはないのですが
最近、落としてしまったようでそれ以来
なかなかレリーズできないことが頻繁にあるようです。
分解前にざっくり見た感じでは落下の悪影響は特になさそうで
レリーズの不調は落下のせいというより
経年劣化や汚れもあって
レリーズSW周りの接触不良ではないかと思われます。
外装にも大きなダメージはないようです。
ただレリーズも含めてオート制御も少々不安定なようなので
内部モルトの交換等も含みリフレッシュが必要だとは思います。

これから一通りの分解整備を行い
各部の調整も入念い行っていきます。
装着されているレンズは同時発売された
「EM」用の「シリーズE」レンズではなく
Ai-Sニッコールの50mmF1.8レンズです。
いわゆるパンケーキレンズで
非常に薄くコンパクトでEMにもぴったりです。
現在でも非常に人気の高いレンズです。
ただこのレンズ、ニッコールレンズにしてはめずらしく
絞り羽根への油滲みや粘りが非常に多いレンズです。
今回のレンズも大きな動作不良まではないものの
絞り羽根に油がねっとりと滲んでいます。
今は若干粘っている程度ですが
放置しておくとそのうち羽根が動かなくなると思います。
今回、レンズ側の分解清掃を行い
絞り羽根の洗浄清掃を行います。

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