今日は「モノレール開業記念日」だそうですよ。
この日が来るたびに
下から見たことは何度もあっても
実際にはまだ乗っていない「湘南モノレール」に
乗りに行きたいなーと毎年思いますね(苦笑)
東京オリンピックが開催された1964(昭和39)年のこの日に
浜松町~羽田空港間の「東京モノレール」(東京モノレール羽田線)が
開業したことに由来しています。
現在でも羽田空港へのアクセスに重要な路線ですね。
東京モノレールは何度か乗ったことはあります。
っといっても10年以上ご無沙汰ですが…
モノレール(monorail)とは、1本の軌条(レール)により
進路を誘導されて走る軌道系交通機関です。
語源は「一つのもの」を意味する接頭語「mono」と
「軌道」を意味する「rail」、
つまり「単軌鉄道」(たんきてつどう)ということです。
東京モノレールのように車両の下にレールがあり
レールに車両がまたがっている形態の跨座式と
湘南モノレールのように車両を吊るように上にレールがある
(レールに車両がぶら下がっている)形態の懸垂式に大別されます。
やはり見た目のインパクトがあって車内からの見晴らしの良い
懸垂式に興味がわきますよねぇ…
やっぱり湘南モノレールに乗りに行かなくては…(笑
さてさて
本日は「キヤノネット」のカメラ修理を行っています。
キヤノンを代表するコンパクトカメラのシリーズですね。
初代から最終「G-Ⅲ」まで
当店にはコンスタントに修理依頼がありますが
今回は社会現象になるほどの大ヒットを記録した
1961年発売の初代キャノネットです。
45mmF1.9の大口径レンズにレンジファインダー搭載
セレン光電池使用の露出計と連動し
シャッタースピード優先オートも搭載
その上で露出計は連動しませんがマニュアル露出も可能
当時のカメラとしては最高級の性能を持ちながら
18,800円という破壊的な価格で登場し
50年代に雨後の筍のように乱立した多くの
中小カメラメーカーを倒産・撤退させるきっかけを作ったとも
言われているある意味伝説的なカメラです。
分解整備してみるとよくわかりますが
当時としては徹底されたコストカットの多くは
生産の効率化です。
部品や素材そのものに安っぽい部分はかけらほどもなく
それどころか指針挟み込み式のオート機として
非常によく考えられて作られたカメラということがよくわかります。
大ヒットモデルなので現存台数も非常に多いですが
現存数が多いこともあって
不遇な扱いを受けている個体が多い印象です。
お預かりしている初代キャノネットは
いわゆる初期のモデルです。
ファインダー内の露出計表示が指針ではなく
矢印状のマークが出たりでなかったりするタイプです。
ご依頼者様のお父様が入手されたもので
ご依頼者様の幼少期に大活躍したカメラとのことです。
保存状態もよく丁寧に扱われてきたことが
一目でわかるカメラです。
それでもさすがに使われていなかった期間が
かなり長い間あったとみられ
シャッターや絞りに粘りがあり
特にオート制御の構造上、オート時マニュアル時ともに
非常に小さなバネの力で動く絞り羽根は
正常に動作しない状態です。
他、ファインダーにクモリ、レンズにはカビが見られますが
比較的軽微なもので清掃で十分にクリアになると思われます。
心配なのはやはりセレン光電池の状態でしたが
保管状況が良いことも幸いしてか
起電状態には問題ないようです。
ある程度の光を当てると露出計の針は
元気よく大きく振れています。
巻上や藻き戻しは底部に配置され
すっきりした上カバー部に筆記体の「Canonet」の刻印
この時代なので少し大柄ではありますが
非常にスタイリッシュなカメラだと思います。
機械的な駆動部は十分すぎるほど丈夫ですし
少し大柄なボディのおかげで内部整備性も非常に良好です。
セレンさえ元気であれば
しっかり整備すればまだまだ長く使える良いカメラだと思います。
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