月別アーカイブ: 2018年12月

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日はしそ焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」の日だそうです。
あぁ。。。鍛高譚、飲みやすくて美味しいですよねぇ。。。
居酒屋で頼むこともあるし、家で飲むこともありますねぇ
ロックでもいいですし、お湯割り梅干入りもいいですね!
昔の話ですが最初に当時の会社の上司が
「たんたかたん」をオーダーしているのを聞いて
「なんだ?その変な名前のお酒?」って思ったのを思い出しました(笑)
メーカーのサイトを見てみると
飲み方もいろいろ紹介されていて
クランベリージュース割りだとか飲むヨーグルト割りだとか。。。
見ているといろいろ試したくなりますね~

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
毎月コンスタントに修理依頼のあるカメラです。
それまでの大きく重い一眼レフのイメージを一変させた
軽量コンパクトで非常に使いやすい一眼レフです。
シャラシャラっとした巻上の感触や
非常に上品なシャッター音等、使い心地も良いカメラです。
この時代の一眼レフとしては
群を抜いてコンパクトなOM-1ですが
さすがにその軽量コンパクトを実現するために
多少デリケートな部分もあります。
数年に一度は定期的に点検をしたほうが良いかとも思います。

お預かりしているOM-1はご依頼者様が
随分以前からお持ちの個体だということですが
最近は使われずにしまってあったようです。
まずは定番のプリズム腐食、
これは何か対策を行っておかないと
まず間違いなくいつかは発生するトラブルです。
接眼レンズ上からプリズムにかけて貼られている
モルトが加水分解し、プリズムの塗装・蒸着を侵してしまうことが主な原因です。
一旦、腐食が発生したプリズムは
再蒸着という手段もございますが基本的には交換が望ましいと思います。
(当店では再蒸着は受け付けておりません)

シャッターは動作しているものの
1/1000で動作チェックをしてみると
走り始めこそ1/1000の露光量ですが
走り終わり付近では1/4000になってしまいます。
先幕の動きが遅いため
だんだんスリットが狭くなってしまうのですね。
このままだとそのうち開かなくなってしまいそうです。
写真両端で2段、露出が異なるわけですから
現在でも写真に影響は出ると思います。

上の写真ではわかりにくいですが
プリズム腐食もはっきり写っています。

加えてトラブルの比較的多い露出計ですが
今回も全く動きません。
いつもの電池室端子裏のビス折れかハンダ腐食かと予想しましたが
そこはしっかりしており、長期間電池が入れっぱなしだった形跡も見当たりません。
電池室の周辺の導通も問題ありません。
それでは上カバー部SW周辺か、あるいはメーターそのものが断線か、
といったところでしょうか。。。
メーターに直接電圧をかけると指針は元気よく振り切ります。
SWの根元までは導通が来ることも確認できました。
となるとSWでしょうね。ここの接触不良も多いです。
SW部の磨き・清掃を行い、とりあえず露出計復活です。
シャッター周り、ミラー駆動部、巻上周りの整備を行ってから
露出計の調整も行います。

写真にはありませんが今回は一緒に入庫した
50mmF1.8レンズと200mmF4レンズのカビ取り清掃もこの後行います。
一式リフレッシュで是非また撮影を楽しんでいただければと思います。

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ミノルタSRT101のカメラ修理

今日、12月8日は「事納め」の日ですね。
その年の農事・雑事をしまう日ということです。
去年も「事納め」が来ると「あぁ、12月だなぁ」という実感がわきました。
この日に昔は里芋、こんにゃく。にんじん、小豆を入れた
「御事汁」を食べたそうです。
何だか温かくて優しい味がしそうですね。
ちなみに農事を始める「御事始め」は2月8日だそうです。
これから長く厳しい冬が始まるわけですね。

さてさて

本日は「ミノルタSRT101」のカメラ修理を行っています。
ミノルタ機械制御シャッター機の代表機種といっていいと思います。
ミノルタ初のTTL開放測光機でもあります。
ちょっと変わっているのがCLC測光といわれる
CDS(受光体)を視野内の上下に配置し
上下分割測光としていることです。
視野内の輝度差が大きい場合に露出を適正にさせる方法です。
現在では分割評価測光は当たり前の機能ですが
2分割のシンプルなものとはいえ
ミノルタのCLCはその元祖と言えると思います。
SRT101は非常に大ヒットとなったカメラで
100万台以上作られたとも言われています。
そのため現存している個体数も非常に多く
元々が非常に丈夫なカメラなため
未整備でもとりあえず動作しているものも多いと思います。
しかしながら油切れであちこち動きの悪い中
かろうじて動作しているような個体も多いと思います。

お預かりしているSRT101は
元々、ご依頼者様のお父さまのカメラだそうです。
長い間、使われずに保管してあったようですが
ご依頼者のお子さんが使ってみたいということで
今回、当店にやってきました。
先程も書きましたが、相当長い間動かしていなかったと思われますが
とりあえずは動作します。
しかしながらファインダー、レンズはカビだらけで
露出計は非常に不安定で針が激しく踊ります。
シャッターは動作してはいるものの
1/1000にセットしても実際は1/400くらいしか出ていません。
汚れや油切れで非常に動きにくい中
必死で何とか動いているような感じです。

プリズム上にCDSが縦方向に2個配置されています。
先述したCLCですね。
写真は一通り整備して調整を行っている段階でのものです。
シャッター幕軸、スローガバナー、ミラー駆動部、
巻上部、等々、動作部は全て清掃して注油を行っていきます。
シャッター速度も申し分ない精度になり
巻上も非常に軽やかになりました。
SRT101はハンダ劣化の多いカメラでもありますので
露出計関連のハンダは基本的にやり直します。
もちろんSW類等、接点も磨きます。
これで露出計も安定した値がでるようになりました。
これでやっと本来の動きができるような状況になってきたと思います。
ボディが終わったら今度は一緒に入庫した
MCロッコールPF58mmF1.4の清掃整備も行います。
このレンズ、軽く拭いただけでコーティングが剥がれ落ちるレンズ面があるので
そのあたりに注意しながら清掃していきます。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「大雪」ですね。
「おおゆき」ではありませんよ(笑)
「雪が激しく降り始める頃」ということですが
二十四節気は中国・中原の気候が元になっているので
関東と比べると随分北国よりな感じがしますね。
都内では雪はまだまだという感じです。
ここ数日は少し暖かく
冬本番はもう少し先かもしれません。

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
1960年代最大のヒット作といってよいカメラだと思います。
日本国内だけでなく世界的にもベストセラーとなったカメラです。
それだけ売れまくったカメラですから
現存している台数も非常に多く
現在でも使っている方が多いカメラでもあります。
M42マウントで世界中のいろんなレンズが使えるのも
現在の人気を支えている要因だと思います。

それだけのカメラですから
当然、修理依頼も多いカメラです。
基本的にシンプルな造りで丈夫なカメラなので
現在でも動作している個体が多いと思いますが
製造されてから50年を超えるカメラです。
一見、動作していても
あちこち動きにくい箇所がある状態で
何とかかろうじて動作している。。。という個体も非常に多いです。
さすがに50年以上の間、
未整備な上に長期間動作させていないものは
とりあえずシャッターが切れても問題は抱えていると考えていいと思います。

今回、お預かりしているSPは
まず電池室の中に液漏れした電池が入っているようで
蓋が固着してビクとも外れません。。。
実はこれを開けるだけで1時間以上かかってしまいました(苦笑)
当然、電池端子は+側も-側も腐食で導通せず
露出計は動作しません。
シャッターは一応動作していますが
1/1000は開ききらず、低速シャッターだとミラーアップしたままになってしまいます。
いつものパターンではありますが
幕軸の汚れと古い油が原因と思われます。

ただ、定番のプリズム腐食は全くありません。
全体的に汚れや劣化は少なからずありますが
外装のコンディションは悪くなく
仕舞いこむまでは大切に使っていたことが想像できます。

古いカメラの整備の際の基本ですが
とにかく動作する部分はひたすら清掃して適度な注油を行います。
もちろん電池室及び端子は磨いて導通を取り戻します。
電池室からの配線は交換です。

シャッター、露出計はもちろん復活しましたが
少々重苦しかった巻上も本来のSPらしい
軽快な巻上に戻すことができました。
話が少し逸れますが
SPやS3、SVあたりの巻上フィーリングは
後に出てくるKXやMXよりも
個人的には気持ちよいと思います。
部品磨耗が激しいと巻上フィーリングは
元に戻らないことも多いのですが
巷に出回っているSPは
巻上の妙に重いものが多いような気がします。
整備次第では巻上のフィーリングも良くなる可能性は高いと思います。

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コニカFTAのカメラ修理

今日は「音の日」だそうですよ。
1877年のこの日にエジソンが自ら発明した蓄音機で
録音・再生に成功したとのことです。
気がつけば最近、レコード、CD、買ってないなぁ。。。
最近のCDを欲しいとはあまり思いませんが
ひとたび中古レコード屋さんに足を踏み入れれば
おそらく4、5枚はアルバムを衝動買いする自信はあります(笑)
新宿に行くたびに「レコード屋さん寄ろうかな。。。」と
いつも頭の片隅には思っているのですが。。。
時間のあるときにゆっくり見たいですねぇ。。。

さてさて

本日は「コニカFTA」のカメラ修理を行っています。
1968年発売のカメラです。
コニカというとやはりレンズ一体型の
コンパクトカメラのイメージが強いですが
1960年のコニカFから一眼レフも生産しています。
今回のFTAは1968年の発売です。
ARレンズとの組み合わせでシャッタースピード優先オートが使えます。
コンパクトカメラで当時よく採用されていた
露出計の針を挟み込むタイプのオート露出です。
シャッターは機械式制御のコパルスクエアです。
露出計指針挟み込みの構造上の理由もあるとは思いますが
シャッターレリーズがちょっと深め(長め)のカメラです。
おもしろいのは装着するレンズによって
測光範囲が微妙に変化します。
広角レンズでは中央部部分測光、
標準レンズでは中央重点測光
望遠レンズでは平均測光となります。
前期型と後期型が存在し
背面にON/OFFスイッチがあるものが前期型です。

お預かりしているFTAはまず露出計が動きません。
それもそのはずで電池室を見ると
マイナス側の端子が外れて中に入り込んでしまっているようです。
マイナス端子はカシメて電池室に取り付けられているのですが
ここが少し構造的にも弱いようで
電池室のプラスチックが劣化してくると
外れてしまうものが多いようです。
もちろん電池を入れっぱなしで腐食させてしまうと
まず間違いなくここの端子も脱落します。

加えてFTAに多いのは接眼レンズのクモリです。
張り合わせレンズの内側が曇っている場合が多く
交換するしか方法のない場合が多いです。
。。。とはいえ、中古でクモリのない接眼レンズが
なかなか見つからないのが実情です。
当店ではできる限りの清掃で対応しています。
今回のFTAもかなり激しく曇っていたのですが
張り合わせ内側でなく内側表面のクモリだったので
今回は清掃で問題ないレベルまで
キレイにすることができました。

一通りの整備を行って少し様子見の状態です。
露出計は当然、普通に作動するようになり
オート露出の精度も含め申し分ない状態になりました。
シャッターはもともとそれほど悪い数値ではありませんでしたが
やはり羽根汚れのため先幕・後幕のバランスが
少し崩れている状態でしたが
こちらも問題ないレベルまで改善しています。
写りの評価が非常に高いヘキサノンレンズを
存分に楽しんでいただけれる状態になったと思います。

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ニコマートFT2のカメラ修理

今日は「バミューダトライアングルの日」だそうです。
これ。。。最近の人は知りませんよね。
フロリダ・バミューダ・プエルトリコを結ぶ三角形のエリアで
船舶や航空機が行方不明になる事故が多発するということで
私が子供の頃に随分話題になっていたと思います。
そのエリアで磁気が乱れるのではないか?とか
正体不明の巨大海洋生物がいるのではないか?とか(笑)
いやいや宇宙人の仕業ではないか?とか。。。。(苦笑)
実際にはそのエリアで事故が異様に多かったわけではなく
周辺で起きた事故まで関連付けられて
だんだん騒ぎが大げさになっただけのようです。
でも子供の頃は「そんな不思議で怖いところがあるんだなぁ。。。」と
素直に思っていました。。。(笑)

さてさて

本日は「ニコマートFT2」のカメラ修理を行っています。
ガチャガチャ(開放F値補正機構)がついたFTNから
さらに使いやすく変更が行われたモデルです。
FTNからの変更点は電池が現在でも入手可能な
SR44(LR44)2個の仕様になり
アクセサリーホットシューが追加されました。
(シンクロ接点もX接点のみになりました)
個人的にはASA(ISO)感度ダイヤルが
ロック式になり設定しやすくなったのが非常に良い改善点だとも思います。
(修理品テストで頻繁にASA設定変えるときに
まわしにくいFTNはほんの少しだけ煩わしいと思っていました(笑))

お預かりしているFT2は露出計がどうもおかしいようです。
動作はしているのですが明るさによっての
変化が少なく低輝度になると全くあっていないような状態です。
この時代の露出計はどれも抵抗や受光体の劣化も
多少なりは必ずあり、なかなか高輝度~低輝度まで
完璧に合わせるのは正直にいって非常に難しく
高輝度を中心にそれほど問題のない範囲に調整する。。。というのが
現状できる整備ではあります。
しかしながら今回のFT2はLV15(日中の明るい日なたくらい)では
合っているのですがLV12(曇天・日陰くらい)では既に2段アンダーと
ちょっと普通に使うのにも問題がありそうな状態です。

ニコマートFT系の露出計といえば心配されるのは
マウント部のマイラー抵抗の劣化ですが
今回はここは問題なさそうです。

先にシャッターユニット、巻上部、ミラー駆動部等々の整備を行った後で
露出計の修理・整備を行います。

いろいろ検証してみた結果、原因はCDSの劣化にあるようです。
CDSを他の個体から交換すると
固定抵抗も基板も全て一緒に移植します。
というのも基板にセットされている固定抵抗は
おそらくそのCDSの特性に合わせてセットされているもので
CDSのみを交換すると尚のこと露出計がおかしくなるためです。
ちなみに巻き戻しクランク部にある小さな基盤は
FT2になって追加されたものでFTNにはありません。
写真ではここに半固定抵抗がセットされていますが
これはおそらく後から付けられたものです。
通常はここも固定抵抗です。
アイピース上の基板と合わせてこちらの基板も交換します。

(写真のレンズは当店のテスト用レンズです)

何とかうまくいったようで
まずまず通常の使用には問題ないレベルに
露出計の値もまとまりました。
各部清掃・注油を行っているので
いつものことですが少し様子見を行ってから最終チェックを行います。

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リコーオートハーフSEのカメラ修理

今日は「カレンダーの日」だそうですよ。
明治5年(1872年)12月3日(旧暦)が
太陽暦の採用により明治6年1月1日に変更されたことに
由来するものだそうです。
それまで使っていた太陰太陽暦から太陽暦に変更すると
決まってからわずか20日あまりで導入されたでそうです。
昔のこととはいえ当時は大混乱だったでしょうね。。。。
あ、来年のカレンダーそろそろ買っておかなくては。。。

さてさて

本日は「リコーオートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
「オートハーフシリーズ」は
「オリンパスペン」と人気を二分する
ハーフ判カメラの定番モデルです。
「SE」はオートハーフEにセルフタイマーが付いたモデルですね。
オートハーフは「50歳の自分の母親でも撮れるカメラ」という
基本思想に基づいて作られています。
そのため巻上、ピント、露出は可能な限り自動化され
構えてシャッターを押すだけで撮影ができるように作られています。
加えて女性のハンドバッグ、男性の上着のポケットに
収まる大きさを目指して作られています。
総金属製のボディは現在の感覚からすると大きさの割りに
重いのは事実ですが凹凸の少ないコンパクトな四角いボディは
非常に持ち歩きに便利です。
ゼンマイ仕掛けの自動巻上も使っていて楽しいカメラです。

オートハーフの露出はセレン光電池を使用した
露出計の針を挟み込み、
その位置で絞りやシャッタースピードを制御する仕組みです。
この時代のオート露出カメラではよく使われている手法です。
やはりこの露出計関連のトラブルが多く
露出計が反応していないため常に絞り開放・1/30で
シャッターが切れてしまうという状態のものが多いです。
今回、お預かりしたオートハーフSEも
常に開放絞りで露出され
ファインダー視野内に組み込まれている
露出警告マーク(光が不足していると赤、OKなら黄緑色)も
明るいところへ向けても赤のままです。
この場合、セレン光電池が劣化のため起電しないパターンと
セレンは起電しているのですが露出計本体が動作しないパターンに分かれます。
これまでの感覚では半々といった感じでしょうか。。。
今回はセレン光電池が劣化して起電していないパターンでした。

写真は一通り整備が終わったあとのものです。
少し様子見をしてから最終チェックを行います。
オートハーフのシャッターは非常に小型で
ほんのわずかなバネの力で駆動しています。
今回ももちろん整備していますが
シャッター羽根にわずかな油や
駆動部に汚れがあれば簡単に固着してしまいます。
コンパクトに作られているが故のデリケートな部分です。
しかしながら構造自体はシンプルで
非常に考えられて造られているカメラです。
整備するたびに個人的に1台欲しい。。。と思うカメラでもあります。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「ビフィズス菌の日」らしいですよ。
ビフィズス菌といえば真っ先にイメージするのは
「ヤクルトミルミル」かなぁ。。。
子供の頃、毎日飲んでました。
ミルミルもですが一般的には
ヨーグルトで摂取するのが一般的ですよね。
一時期、(割と最近)ヨーグルトを意識して
毎日食べていた時期もあったのですが。。。。
うーん、もう一度、始めようかな。
腸内環境は大事ですものねぇ~

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
AE-1の修理も結構コンスタントにありますね。
世界初のマイクロコンピュータを搭載したカメラです。
AE-1と同様のシャッタースピード優先AEを装備した
電子制御シャッター機というカメラは
それまでにもありましたが
マイクロコンピュータによる中央集中制御方式や
徹底して見直された生産ライン等々の効果もあり
大幅なコストダウンを成功させたカメラです。
当然のごとく大ヒットとなり現在でも非常に数多くの
個体が残っているカメラでもあります。
時代を席巻することになる「キヤノンAシリーズ」の始まりのカメラでもあり
その後、出てくる全ての「Aシリーズ」のベースとなるカメラです。

電子制御シャッター機ということで
電子部品の故障や劣化が心配されるところでもありますが
AE-1は比較的、電子部品トラブルの少ないカメラです。
ただし、中古市場にお求め易い価格で出回っているものは
中途半端な分解品も多く、フレキが切れているものや
基板をショートさせてしまっているもの
連動糸が切れているものもたまに見かけます。

お預かりしているAE-1は
ご依頼者様のお父さまがお使いになっていたものだそうです。
おそらくご依頼者様が生まれた頃に購入したものだということです。
このAE-1はご依頼者様の成長を見届けてきたカメラということですね。
非常に丁寧に扱われていたカメラのようで
外装にアタリや大きな傷は見当たりません。
動作も一通りは動作しているのですが
あちこちに油切れの兆候が出始めています。
定番のシャッター鳴きこそ発生していませんが
巻上時には「ギャッ」とちょっと耳障りな音がします。
巻上軸の油切れかと思われます。
メーターはオーバー気味、オート露出はアンダー気味で
オートは不安定です。
オート時に絞り制御を行うマウント部のレバーの動きが重いようです。
シャッタースピードも不安定で幕速も安定しません。
これは幕軸の動きが悪いためと思われます。
不調部分は全て機械的な問題で
電子制御部分に関しては何の問題もないようです。
これであれば通常の各部点検整備一式で
安定した動作を取り戻せると思われます。

フレキが使用されているといっても
この時代ではまだリード線による結線もまだまだあります。
フレキを外す際にはとにかくフレキを傷めないように
注意して行います。
AE-1は連動糸もあるのでそれももちろん細心の注意を払います。

今年も静電気の発生しやすい季節がやってきましたが
帯電した指でうっかり基板に触ってしまうと
場合によっては一発で基板が死んでしまいます。
アースをしっかり取ってピンセットも通電しないものを使います。

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ミノルタX-700のカメラ修理

今日からいよいよ12月!
12月1日は「カイロの日」だそうですよ。
カイロといえば使い捨てカイロを連想される方が
多いとは思いますが
やはり昔ながらの「ハクキンカイロ」が最高だと思います。
暖かさも全く段違いに違います。
一度オイルを満タンにすれば24時間以上使えますし
寒い日はこれを腰辺りに入れておけば1日快適です。
。。。とはいえ。。。まだちょっと気温的に早いかな。。。
(通勤時間5分ですがまだ上着も着てません。。。(笑))
昨年のあまりのオイルもあるけど
今のうちにもう1本買っておかなくては。。。

さてさて

本日は「ミノルタX-700」のカメラ修理を行っています。
1981年に登場し、18年間もの間、発売され続けたモデルです。
αシリーズが発売されてからも
長年ミノルタのMF機のトップとして君臨したカメラです。
80年代の中級機なので
カバー類はプラスチックですし、コストが抑えられている部分も多いですが
ロングセラー機だけあってミノルタらしい使い心地のよさと
とにかくキレの良いファインダーが魅力のモデルです。

X-700は正直に言うと
電子基板関連のトラブルが出ると修理不能なことも多いカメラです。
今回、お預かりしているX-700は
一通り動作はしてますのでその心配はないようです。
ただしオート、露出計に少々のズレ
巻上に若干の油キレ、ミラー受部のモルト劣化、
それによるファインダー内へのゴミ等々
いくつか手を入れたほうがいい箇所があります。
ご依頼者様はこのX-700を最近、手に入れたということですが
一通りの整備を行った上で安心して使いたいとのことで
各部点検整備一式でお預かりいたしました。

まだ現状チェックを行っただけの状態です。
これから分解整備に取り掛かります。

私も個人的に1台、X-700を持っていて
今でもたまに使っていますが
適度にコンパクトでピント合わせの楽しい
非常に良いカメラだと思います。

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