日別アーカイブ: 2023年7月9日

キヤノンF-1のカメラ修理

今日は「泣く日」だそうですよ。
「な(7)く(9)」(泣く)と読む語呂合わせからですね。
泣くことで喜怒哀楽の感情表現の豊かさについて考える日だそうです。
単に「泣く」と言っても
いろんな感情で泣く場合がありますものね
感動して思わず出る涙はいくら出してもいいとは思います。
でも痛いとか苦しいとか悲しいとかで出る涙は
できる限り避けたいと思います。
年取ったせいもあって涙腺が弱くなったのか
「最近やたら泣けるなぁ…」と思っていた時期もあったのですが
気が付いて見れば最近感動して
思わず泣けたという覚えがあまりないですね…
数日前ノムスケの今季初勝利にはちょっとウルっときましたが…
(野球の話です(笑))
たまには「涙活」したほうがいいのでしょうねぇ
ストレス発散になれそうですし
映画やドラマはあまり見る気になれないので
感動大作なコミックでも手に入れて読んでみるとか…ですかね…
その前に腰を落ち着けて読める時間を確保しなければ…

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
最近、「F-1」の依頼が少し続いてますね。
数日前にも「F-1」の修理のブログを書いた気が…
キヤノン初のプロ向け一眼レフカメラです。
1971年発売開始です。もう50年以上前になるのですね。
先行しているライバル機、ニコンF2と同様に
過酷な状況下でも確実にシャッターが切れ
撮影できるように作られたカメラです。
しかしながらそれは現行モデルの頃
新品あるいはしっかりと整備された個体における状態での話で
製造から50年間使いっぱなしの個体では
さすがに「F-1」といえども本来の性能は発揮できません。
基本的な部品のクオリティや精度は非常に高いものがあり
時間の経った現在も十分に問題のないものですが
定期的に交換しなくてはならない消耗部品ももちろんありますし
定期的にメンテナンスをしないと
本来のスムーズな動きを確保することはできません。
それは「F-1」だけでなくどのカメラでも同じではありますが…

お預かりしている「F-1」は一通りは動作しており
このままでも何とか撮影には使えそうな感じです。
ただやはり本来のスムーズさは出ていない部分もあり
高速シャッターの精度はかなり問題が出ています。
場合によっては写真の一部が暗くなったりする症状がありそうです。
スローシャッターも少々ガバナに粘りが出ています。
今回の「F-1」は1976年のマイナーチェンジ後の
「F-1N」とも呼ばれるモデルで
巻上角の変更や巻上レバーの変更等、外観でわかる部分だけでも
従来モデルに十数か所の変更が行われています。
内部構造の基本的株部には全く変更はないですが
それでも細かい部品の変更等は行われています。
特に露出計SW部あたりは接点の形式も変わっていたりするのですが
相変わらずSW接触不良は前期と同じくよく起こります。
今回もBCはほぼ不動で露出計にしても接触不良で
指針が不安定です。
接点なのだから形状に関わらず定期的な清掃を行わないと
接触不良が起こるのは当たり前なのですが…

まだ取り掛かったばかりの状態ですが
これから本格的に分解整備取り掛かっていきます。
この時代のこのクラスのカメラは定期的に分解整備を行って
長く使うことを想定している造りになっているので
当然ながら整備性には優れています。
正しい手順さえ踏んで丁寧に作業を行えば
元々の基幹部品の精度の高さも相まって
本来の動きを取り戻しやすいカメラだと言えると思います。
作業を行っていると
そういう部分も「やっぱりさすがのフラッグシップ機」と
関心するところもたくさん見られるカメラです。

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