今日は「光化学スモッグの日」だそうですよ。
1970(昭和45)年のこの日に
東京都杉並区で日本初の「光化学スモッグ」が発生したとされています。
工場や車の排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)や
炭化水素(HC)が日光に含まれる紫外線によって
有毒な物質に変化して起こる現象です。
ちなみにこの日以前にも、近畿や四国、関東などで
農作物の斑点などの被害があり
光化学スモッグによる被害はあったと考えられています。
子供の頃にはやたらと耳にする機会も多かった
「光化学スモッグ」という言葉ですが
現在ではそれほど耳にすることも減ったとは思います。
光化学スモッグ注意報などの発表延べ日数は
1973(昭和48)年に300日を超えてピークに達していて
その後減少し、1984(昭和59)年には100日以下となります。
しかしながら、その後再び増加して1980年代後半以降は
100-200日前後を推移し、2000年と2007年には200日を超えているそうです。
昨年(令和5年)の注意報の発令日数は4日
(5月18日、7月18日、7月25日、7月26日)であり
2012年と並び過去最少となったのだそうです。
…とはいえまだまだ油断できないのでしょうね。
空気と水は本当にキレイであってほしいものです。
さてさて
本日は「リコーFF-1」のカメラ修理を行っています。
非常にコンパクトで人気の高いカメラですね。
極限まで小さく仕上げるために鏡胴を折り畳み式にして
収納できる構造になっています。
1978年発売のカメラです。
シャッターは電子制御で露出はプログラムオート露出です。
ピントは目測で前玉回転式
搭載されるレンズはリケノン35mmF2.8です。
お預かりしている「FF-1」は
巻上げてシャッターを切ると「チッ」と作動音はするものの
シャッターは開かない状態です。
このカメラで電池が入っていないときの動作状況と同様の状態です。
ただ電源が入らないわけではありません。
シャッター半押しすると撮影可能を示すグリーンランプは
ちゃんと点灯しています。
でもシャッターを切ってもシャッターが開かない状態です。
ただおもしろい(おもしろいというと語弊がありますが)のが
巻き上げた時点で一度レンズを格納してもう一度レンズを出してから
レリーズするとシャッターが切れてちゃんと開きます。
原因はおそらくシャッタユニットにリンクするチャージレバーが
チャージ後に所定の位置に戻らないことが原因かと思われます。
レンズを一度格納することでその振動でチャージレバーが戻るため
それからレリーズすると通常動作をするのだと思われます。
実は「FF-1」でこのチャージレバーの動作不良による
「シャッターが開かない」トラブルは比較的定番なのです。
あまり頻繁に当店にやってくるカメラでありませんが
かなり高い確率でこのトラブルに遭遇しています。
チャージレバー部の清掃整備でおそらく解消するかと思われます。
今回の現象も含めて他不具合がないか検証を行っている段階です。
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
非常にコンパクトなボディに電気回路も含めて
ギッシリと詰まっている上に
レンズの格納機構もあるので整備性は正直、良くはありません。
なかなか分解整備には苦労するカメラです。
チャージレバーの動作不良はもちろん
シャッターユニット、レンズ清掃、他各部清掃整備を行います。
ファインダーの曇りもこのカメラの定番トラブルですが
それはガラスの変質によって起こっているパターンが多く
曇りは除去できない場合がほとんどです。
今回のこの「FF-1」もそれなりに曇っていて
できる限りの清掃を行いますが曇りは除去できないと思われます。
ただそれほどひどい状態ではないので撮影には支障ないと思われます。
折りたたむとレンズの出っ張りもなく非常に持ち歩きやすい
なかなかオシャレなカメラです。
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