日別アーカイブ: 2025年10月13日

ミノルタハイマチック11のカメラ修理

今日は「引っ越しの日」だそうですよ。
1868(明治元)年のこの日に
明治天皇が京都御所から
江戸城(現在の皇居)に入城されたことが由来となっています。
数千人と共に京都から東京へ向かい
その道中では沿道の民衆に金品を配るなど華々しく行われたそうです。
これに伴い、日本の首都は京都から東京に移され
これを東京奠都(とうきょうてんと)と呼びます。
引っ越しをすることで身の回りの環境が一新されるのは
何とも新鮮でいいですね。
若い頃は割と気軽に引っ越しを計画して実行しましたが
今はなかなかいろいろな事情もあり
そう簡単にはできなくなりました。
「もう面倒くさい…」というのもありますが…(苦笑)
でもたまに
「ここに引っ越してこんな生活できたら楽しいかな…」とかで
やたらと不動産サイトと地図とにらめっこしてしまいます。
で。結局のところ「先立つものがない…」と
イメージ遊びだけで終わるのですが…(苦笑)
もし次に引っ越すことがあれば
きっとそれは最後の引っ越しでしょうねぇ…

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック11」のカメラ修理を行っています。
1969年発売のカメラです。
「ハイマチック7」からの基本構造を引き継ぐ
少し大柄な前期ハイマチックのカメラとしては
最後のモデルとなります。
これ以降は中身も一新され時代の流れを反映した
小型のコンパクトカメラへと変化していきます。
レンズは大口径のロッコール45mmF1.7を搭載します。
シャッターはセイコーALAへと変更され
プログラムオート露出とシャッタースピード優先オートとなります。
SS優先が搭載されたことによりマニュアル露出は省かれています。

お預かりしている「11」はかなり長い間
使われずに眠っていたようで
ファインダーはかなり汚れやカビで曇っていて
レンズにも盛大にカビが生えています。
シャッターはとりあえずは動作していますが
肝心の露出計が電池を入れても全く動きません。
「11」ではマニュアル露出が省略されているため
まずは露出計が動いてくれないと
シャッターがとりあえず動ていても
通常の撮影は行えません。
光学系の入念な清掃整備と
露出計の修理をまずは行っていきます。
もちろんシャッターユニット等の通常整備も
並行して行っていきます。

最初に書いたように「7」からの流れを汲むカメラなので
基本的な構造は「7」や「9」とあまり変わりません。
整備性は内部のスペースに余裕があることもあり良好です。
問題の露出計不動ですが
よくあるパターンとしては電池室周りのトラブルですが
電池室は非常にキレイな状態です。
分解してみても電池室裏のハンダや配線にも問題はありません。
テスターをあててみても基盤までキチンと導通しています。
この時点でもうわかってはいますが
とりあえず露出計本体に直接電流を流してみます。
予想通り…露出計は全く動きません。
露出計本体内の断線が不動の原因のようです。
メーター内を弄繰り回すのは最後の手段で
幸いなことに部品取りに中古良品があるので
それと交換することで対処します。
このタイプのカメラは露出計本体の交換が大変なモノも多いのですが
その点もハイマチック前期は比較的容易です。
キャノネットの前期モデル等もそうですが
やはり内部にある程度の余裕があるのは正義ですね。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。