日別アーカイブ: 2025年12月25日

ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「「昭和」改元の日」だそうですよ。
1926(大正15/昭和元)年のこの日に
大正天皇が崩御され
皇太子であった裕仁(ひろひと)親王が
新天皇に即位されました。
これと共に新しい元号「昭和」が制定されました。
「昭和」の由来は、中国最古の歴史書『書経』にある
「百姓明、協萬邦」(百姓(ひゃくせい)昭明にして
萬邦(ばんぽう)を協和す)という一行から
上下一文字ずつ取ったものだそうです。
国民の平和および世界各国の共存繁栄を願う意味なのだそうです。
もうほぼ100年前のことなのですねぇ…
私は昭和44年生まれですが
そりゃほぼじいさんになるわけですね…(苦笑)
私が子供のころ、「明治生まれ」と聞くと
そりゃもうかなりのおじいさんだよねぇ…とよく思いましたが
もう少ししたら令和生まれの方からみたら
そう見えるんでしょうね…時代は流れますね…
ただ昭和は他の元号に比べてもかなり長いですから
あまりひとくくりにもできませんが…

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
SR時代のミノルタ機を代表するヒットモデルですね。
1966年発売のカメラです。
ミノルタ初のTTL測光機であり開放測光機です。
ダイキャストはニューSR-7で登場したものを引き継いでいますが
操作感もよくスペックも十分なもので
非常に使いやすいうえに丈夫なカメラです。
造りの良さも評価されヒットモデルとなり
7年間にわたって生産されるロングセラー機にもなりました。
後継機のSR-TスーパーやSR505/101も
SR-T101のマイナーチェンジモデルといっても良いほどの
変更点しかなくSR-T101が基本設計に優れていることもよくわかります。
ロングセラー機だったこともあり
現存台数も非常に多いカメラで状態は千差万別ですが
基本的に水没品や分解品でない限り
致命的に壊れている個体は少ないかと思われます。
登場からほぼ60年ですが
未整備でもとりあえずは動作しているものも多いと思います。
しかしながら本来の姿でスムーズに動作している個体は
反対に少ないような気もします。

お預かりしている「SR-T101」は比較的初期の個体と思われます。
とりあえずはシャッターはなんとか切れるのですが
やはり未整備で長期間しまい込まれていたこともあり
とても本来の動きとはいきません。
高速シャッターは1/1000、1/500はシャッターが開かないまま
動作してしまっている状態です。
このシャッタースピードで写真を撮っても
もちろん何も写りません。
先幕と後幕の幕速バランスが崩れているせいですが
そもそも幕軸の動きがかなり悪いようです。
低速時にはスローガバナーも粘っていて
なんとか動きますが今にも止まりそうです
そしてそんな状態のため
頻繁にミラーアップしたままにもなってしまいます。
露出計も電池を入れても不動です。
ファインダーも装着されているレンズにも
かなりカビが生えて汚れてしまっています。

いずれにしても徹底的な内部の清掃が必要です。
そのうえで最低限の注油を行い
本来のスムーズな動きを取り戻していきます。
もともとの作りが良いカメラなので
新品同様とまではいきませんが
動きに関しては本来の動きを取り戻せると思います。
露出計不動はよくある配線の腐食とハンダの劣化が原因のようです。
こちらもCdSが劣化しているようなことは
SR-Tの場合はあまりなく精度も十分確保できると思います。
連動糸がそれなりにあり少々コツが必要ですが
整備性も良好で内部機構もよくできたカメラです。
SR-T系は修理依頼の多いカメラなので
見慣れた内部ですが油断せず慎重に整備を行っていきます。

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