ニューキャノネットQL17のカメラ修理

1959年のこの日に当時のソ連が打ち上げた
ルナ2号が月の表面に衝突し
人類史上初となる月に到達した宇宙船となりました。
もちろんまだ無人の宇宙船です。
人類が実際に月に着陸するのはこの10年後ですね。
今年も月が美しく楽しめる季節が近づいてきました。
次の満月はいわゆる「中秋の名月」ですね。

さてさて

本日は「ニューキャノネットQL17」のカメラ修理を行っています。
発売は1969年、私が生まれた年でもあり
アポロ11号計画で人類が初めて月に降り立った年でもありますね。
この「ニューキヤノネット」は
従来のキヤノネットの機能はそのままに大幅に小型化されたモデルです。
キャノン40mmF1.7のレンズを搭載し
シャッタースピード優先AEが使用できます。
後に発売される「GⅢ」がキヤノネットとしての最終モデルですが
バッテリーチェック等の細かな部分を除いては
この「ニューキヤノネット」とほぼ同一です。
「QL」ということでキャノンお得意の
フィルムクイックローディング機能も搭載されています。

お預かりしたニューキャノネットは一見キレイな外装で
シャッターも一応切れるのですが
レリーズボタンを押すとなかなか元の位置に戻ってきません。
露出計の針も挟み込まれたままになっているようです。
裏蓋の開いている状態だと
このカメラはカウンターが1になるまでは
何度も巻き上げられるようになっているので
巻き上げているうちにレリーズが戻ってくれるのですが
フィルムが入った状態だと巻上ロックしたままになるようです。
さらに問題なのはレンズ前玉周辺部にかなりの
クモリが発生しています。
これはニューキャノネット及びGⅢに多い症状ですが
基本的にコーティングの劣化によるクモリなので
清掃では取れません。
部品取り用ボディからもう少し状態の良いレンズを
移植することで対応します。

レリーズ異常の原因は最初よくわからなかったのですが
この写真の段階まで開けた時にわかりました
レンズボードを留めている4箇所のネジが
緩んでいて微妙に遊びが出ているため
レリーズが戻らず、露出計の針も挟み込んだままになっているようです。
これから本格的に各部点検整備一式を行います。

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