オリンパスワイドのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの
「穀雨」ですね。
「田畑の準備が整い、それに合わせて春の雨が降るころ」
ということですが、
今日は全く雨の予感のしない良い天気です。
一昨日あたりの雨が「穀雨」っていう感じですかね。。。
次の節気はもう「立夏」(5月5日)です。
春も駆け足で通り過ぎて行きますね。

さてさて

本日は「オリンパス・ワイド」のカメラ修理を行っています。
1955年発売のカメラです。
この頃のレンズ固定式カメラは
45mm~50mmのレンズを搭載するのが普通でしたが
このオリンパスワイドは35mm広角レンズを搭載し
当時、ワイドカメラブームの火付け役となったカメラでもあります。
オリンパスワイドシリーズも無印のワイド、ワイドE
ワイドスーパー、ワイドⅡ等々ございますが
今回、お預かりしているのは無印のワイドです。
ズイコーF.C3.5cmF3.5レンズを搭載し
シャッターはコパルMX、最高速は1/300です。
広角レンズ搭載のためだとも思われますが
シャッターがレンズ後玉より後ろに配置される
ビハインド・シャッターになっています。
ピントは目測式ですがブライトフレーム表示のために
採光用の窓。ハーフミラーを装備します。
巻上げ・巻き戻し、共にノブ式です。

構造そのものはシンプルなカメラですが
さすがに60歳越えのカメラなので
あちこちに経年劣化が見られます。
ご依頼者様からご指摘いただいているのは
ファインダーのクモリとレンズのクモリ・カビですが
ここはできる限りの清掃で対応したいと思います。
クモリ・カビ跡は少々残るものと予想しています。
シャッターは動作はしているのですが
やはり若干の粘りが確認できていますので
羽根清掃を入念に行います。
他、動作部分の清掃・注油、ピント調整、等々
各部点検整備一式を行います。

写真を撮るのを忘れてしまいましたが
この頃のオリンパス機はフィルム圧板に
ガラスを使っているカメラがいくつかあります。
このワイドもそのひとつです。
通常の圧板より平面性を保ちやすいそうですが
静電気が発生しやすく、発光して写真に写りこむこともあるようです。
頻度は低いですが、通常の金属製の圧板でも
まれに静電気発光が写りこんでしまうことがあります。
。。。とはいえ、今となってはこのガラス圧板も
オリンパスワイドの魅力のひとつですね!

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