今日は「3分間電話の日」ということらしいですよ。
1970(昭和45)年のこの日に
公衆電話からの市内通話の料金が3分で10円になったそうです。
それまでは1通話10円で、時間は無制限(!)だったのですね。
ちなみに現在は10円で区域内(市内)で57.5秒です。
(深夜・早朝は77.5秒)
公衆電話には100円玉も入れられるようになっていて
30分話せるから100円玉を握り締めて
よく近所の公衆電話に電話をかけにいきました。。。
中学生の頃は毎晩のように。。。だったと思います(苦笑)
区域内だと市外番号ナシで電話がかけられる(固定電話の場合)ことを
最近は知らない方も多いのだそうです。
私の生まれ育った呉市では市外局番ナシだと6桁でしたが
もう少し田舎に行くと区域内だと4桁でかけられるところも
まだまだたくさんありました。
4桁だと友達の家とか覚えやすくて便利だったでしょうね(笑)
さてさて
本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
キヤノンFシリーズの中では比較的初期のモデルです。
一眼レフで明らかに立ち遅れたキヤノンが
本格的に一眼レフでも存在感を出してきたのは
「Fシリーズ」からだと思います。
Fシリーズ最初のモデルは1964年の「FX」ですが
その2年後の1966年に発売されたのが「FT」です。
この:時代以降のキヤノン機では定番となる
「クイックローディング」を採用し
フィルムの装填は簡単になり
これもその後のキヤノン機に採用され続ける
中央部12%の部分測光を採用したカメラでもあります。
マウントはFLマウントでまだ絞込み測光です。
お預かりしている「FT」はシャッター駆動部の油切れが酷く
1/1000~1/250まではシャッターは切れても
シャッター幕が開きません。
シャッター音も明らかにおかしく
高周波を多く含んだ「キャイン」といった感じの動作音がしています。
(Aシリーズのシャッター鳴きとはまた異なる異音です)
「Fシリーズ」はFXからF-1まで
シャッターの基本的構造は同じです。
この時代のキヤノン機はシャッター油切れが起こると
こういうシャッター音になるものが多いです。
もちろんこのシャッター音がしている状態だと
まず間違いなくシャッターの精度はまともではありません。
ちょっとやっかいな幕ブレーキ部分も
Fシリーズは同じような構造・材質なので
ここがダメだとシャッターにバウンドが起こります。
これもFシリーズで気をつけなくてはいけないポイントです。
今回は懸念される幕ブレーキには問題はないようです。
幕軸の清掃注油はもちろん、スローも固着気味なので
ガバナも洗浄・注油を行った上で調整を行います。
露出計は作動していますがやはり狂いがあるので
調整を行います。
FT、FTbではお馴染みですが
シャッターダイヤルから露出計へ連動する
ノコギリ歯の位置関係もしっかりチェックします。
(意外とズレているものが多い)
一通り整備を行ったあとのテストでは
キヤノンらしい非常に気持ちよく
歯切れの良いシャッター音が復活しました。
やはりこの時代のカメラはきちんと手を入れると
見違えるような動きになりますね。
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