オリンパスM-1のカメラ修理

今日は「御事納め」の日です。
農作業等の1年の作業が終わる日ということですね。
御事始めは2月8日です。
この2つをまとめて「事八日」と呼ぶこともあります。
ちょっとややこしいのが
この場合の「事」とはコトノカミという神を祭るお祭りのことで
コトノカミが「田の神様」であれば今日は「御事納め」なのですが
「年神様」であれば今日は「御事始め」の日になるのだそうです。
農耕に勤める人の立場で言えば今日は「御事納め」で
年神様から見ると今日は「御事始め」ということです。
ところで、御事納めである12月8日には、
里芋・こんにゃく・にんじん・小豆を入れた「御事汁」を食べる風習があったのだそうです。
まだまだ師走は始まったばかりで
これからが大変な時期ですが素朴な「御事汁」で和みたいですねぇ。。。(笑)
さぁ、今日もがんばります!

さてさて

本日は「オリンパスM-1」のカメラ修理を行っています。
当店でも頻繁に修理している「OM-1」の初期モデルですね。
1972年7月にオリンパス初のシステムカメラとして
「M-1」、「Mシステム」として膨大なレンズ・アクセサリー群と
共にスタートしましたが当時のエルストン・ライツ(現在のライカ)からの
クレームを受け1973年5月に「OM-1」、「OMシステム」への
改名が行われました。
「M-1」として発売されたのは10ヶ月ほどなので
台数としてはさして多くないとは思われるのですが
意外と中古屋さんでもよく見かけるカメラです。
もちろんOM-1に比べると圧倒的に現存する数は少ないのですが。。。

この「M-1」よ最初期の「OM-1」は
中身の細かい構造や使われている部品がそれ以降のモデルと
少し異なる部分が何箇所かあります。
修理をする立場で注意が必要なのは
メーターや基板、プリズムが載せられている
プラスチックの台座部分が非常に脆いものが多く
無警戒にネジを緩めただけでグズっとプラスチックが
崩れてしまうことがよくあるのです。
最初期のOMやM-1でなくても
この部分はプラスチック製なのですが
M-1と最初期OM-1だけが異様に脆いと思えるので
単純な経年劣化だけではなくて材質が微妙に違うのではないかと思います。
何にせよ、ひとつひとつの作業をより慎重に行う必要があります。

お預かりしているM-1はまず定番のプリズム腐食が発生しています。
毎度のことですが腐食のないプリズムとの交換で対応します。
加えて高速シャッターの精度が全く出ていない状態です。
幕走行が全体的に不安定なのですが
特に後幕の幕速が全く安定せず
シャッターを切るたびに速度が全く違うという状況です。
走り始めのスリットはそれほどではないのですが
後幕の速度が安定しないため
1/1000設定時の走り終わりのスリットが
あるときは1/3000だったり
そうかと思えば突然1/250になったりとなかなか大変なことになっています。
後からわかったのですが単純に幕軸の汚れ等だけの原因ではないようで
清掃してもなかなか動きが安定せず苦労しました。
OM系ですからシャッター不安定の原因は単純に幕軸の問題だけではなく
底部三連ギアの不具合等も原因のひとつになっていたようです。

シャッターはもちろんのこと、ミラー駆動部、露出計、ファインダー
巻上部等々、一通りの整備を行いました。
現在はすっかり動きは安定しています。
付属のレンズは「Mシステム」銘の50mmF1.4です。
こちらもできる限りの清掃を行いました。
M-1よりもMシステム銘のレンズのほうは見かけることが少ない気がします。
貴重なMシステムですが
これで気持ちよく使っていただける状態になったと思います。

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