コニカC35のカメラ修理

今日は5月10日ということで
語呂がいいせいもあり
いろいろな記念日が制定されています。
でも今年の場合は第2日曜日ということで
「母の日」が最大のイベントですかね。
うーん、まぁちょっとそれはおいといて
5月10日は「コッ(5)トン(10)」ということで
「コットンの日」なのだそうです。
「コットン=木綿」ですね。
ここで太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」や
杏里さんの「コットン気分」あたりが脳内再生されるところが
もはや年代を感じてしまいますね(苦笑)
サラッとした肌触りがこれからの季節にぴったりですが
木綿のシャツやハンカチなんて
長らく触れた覚えがないような気が。。。(汗)
今は化学繊維ばかりですものねぇ。。。
ちょっと調べてみたらもちろん今でもあるのですね。
木綿の浴衣や着物なんて気持ちよさそうですねぇ。。。
その感触だけでも懐かしい気分に浸れそうです。

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
おわゆる「じゃーに~コニカ」ですね。
そのキャッチフレーズの通りに
非常に軽量コンパクトで気軽に旅行のお供になり
操作も簡単で誰でもキレイに写真が撮れると言うことで
大ヒットしたカメラです。
C35の大ヒットを受けて他メーカーからも
同じようなカテゴリーのカメラがいろいろと発売されることになりました。
カメラ業界的にも非常に影響を及ぼしたカメラです。

機械制御のプログラムシャッターを搭載し
露出計の指針を挟み込むことによって露出を決定します。
一部に目測式のモデルもありますが
初代C35や今回お預かりしている「C35フラッシュマチック」は
レンジファインダーを搭載し
きっちり正確なピント合わせを行うことができます。
レンズは評価の高いヘキサノン38mmF2.8を装備します。

気軽に撮り歩くには十分なスペックを持つカメラですが
その気軽さやお求めやすい価格により
手荒に扱われた個体の多いカメラでもあります。
もともとエントリークラスのカメラでお安いこともあり
華奢な部分や経年劣化に弱い部分も多く
家に仕舞い込まれていたものが
そのまま問題なく使える。。。とはいかないカメラです。
このタイプのコンパクトカメラにはよくあることですが
コストの関係上、裏蓋の遮光を大量のモルトプレーンに頼ったものが多く
そのモルトの加水分解によって
フィルム室のコンディションが非常に悪いものも多いです。
動作しているものでも最低でもモルト交換は必要かと思われます。

お預かりしている「C35フラッシュマチック(1971年)」は
定番トラブルではありますが
シャッターを切ってもシャッター羽根がゆっくりとしか動かず
少し開いたままで止まってしまいます。
他のレンズシャッター機であれば羽根の汚れを疑うところですが
C35の場合は羽根ではなく駆動している円盤部の動作不良が原因です。
円盤がくるんと回ることにより羽根が開閉するのですが
その円盤が軸の汚れが原因でスムーズに回転できない状態です。
さらにプログラムAE専用機としては致命的なことに
電池を入れても露出計が全く動きません。
これではたとえシャッターが正常に動作していたとしても
常に絞り開放・1/30でシャッターが切れてしまい
ほとんどの場面で写真は真っ白になってしまいます。

露出計の不動の原因は
電池室裏側の配線が腐食しているためでした。
マイナス側が腐食しているパターンが多く
酷いものになるとその先にある受光体の根元まで
腐食しているものもあるのですが
今回は+側の腐食です。
こちらの先には直接メーターがつながりますが
今回はメーターにまでは腐食は到達していないようです。
どちらにせよ、配線は全て交換します。
他、動作不良のシャッター機構部等
一通りの整備一式を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。