ヤシカエレクトロ35GTのカメラ修理

今日は「後の藪入り」なのだそうです。
かつてのいわゆる「奉公人」の休日です。
「藪入り」というのが1月16日で正月休み
で、この「後の藪入り」が7月16日でお盆休み
当時の奉公人は1年でこの2日間しか休みがないのが
一般的だったそうです。
現在のブラック企業も顔負けの休みの少なさですねぇ(汗)
仕事の密度は今に比べるとのんびりした部分もあるかもしれませんが
この時代は個人の余暇っていうものは
丁稚とか女中さんにはなかった時代ですものね。。。
比べてはいけないかもしれませんが
現在はやはり随分豊かにはなったのですよねぇ
まぁ、それも「きちんとした会社で働いていれば」という
枕詞が付くような気がしますが。。。(汗)
私みたいな個人事業主だとまた考え方が全く変わらざるを得なくて
「やったらやったぶんだけ収入で
やらなくてもいいけどその分ダイレクトに収入に響く」となると
「休みよりも仕事」ってなっちゃいますよねぇ(苦笑)
月半分ほど働いていれば左うちわで食っていけるのであれば
そんなに働きませんが
実際は時間を惜しんでやって何とか食っていける。。。って感じですし(汗)
まぁ手間仕事なんてそんなものです。
それでも好きな仕事をマイペースでやっていけるのであれば
感謝しなくてはいけませんね!

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GT」のカメラ修理を行っています。
あれ、つい数日前にもエレクトロGTやったよね?と
思われる方もいるかもしれません。
その通りなのですが先日の「エレクトロ35GT」は
「35G」のブラックモデルで1969年発売なのですが
今回の「GT」は「GS」のブラックボディで1970年発売です。
色ごとにモデル名を変えるのは良いのですが
シルバーを「G」から「GS」に変えたのであれば
ブラックもGSTとかに変更すればわかりやすいのに。。(苦笑)
なので今回のGSベースのGTはGT(S)とかGT後期とか
呼ばれる場合もあるようです。
わかりんくいのでシルバーボディで設枚しますが
「G」と「GS」は結構仕様が異なります。
最大の変更点はレンズで45mmF1.7のスペックは変わりませんが
「ヤシノンDXレンズ」から新コーティングの
「カラーヤシノンDXレンズ」へと変更になっています。
撮り比べたことはないのでわかりませんが
これは結構な変更ですよね。レンズの銘板にも
さも自慢げに「COLOR(←ここだけ緑文字)-YASHINON DX」と刻印されています。
他、ASA感度設定がASA500までだったのがASA1000までに
バッテリーチェックランプがボタンのすぐ横から
フィルムカウンター部に移動されています。
まぁそうはいっても基本的な構造は全く変わらないのですが。。。

お預かりのGT(S)はレンズにカビが盛大にあるものの
動作は一応できているかな。。。と思っていたのですが
例の巻上時の「カチン(レリーズ芯棒が戻る音)音」がしません
ゴムブッシュが潰れているようです。
ここがダメだとオートがほとんど効かなくなるのですが
今回のGT(S)はそれだけではなく
バルブが効きません(普通に高速シャッターになってしまう)
うーん、ちょっと嫌な予感がするなぁ。。。と思っていたら
予感は的中でゴムブッシュを交換して
周辺の接点を清掃してもオートが全く効かず
どんなに暗くてもわずかに赤ランプ(明るすぎるときに点灯)が点き
相変わらずバルブが効きません。
バルブが効かないのは他のカメラだと羽根の粘りや
シャッター駆動部が原因の場合が多いのですが
エレクトロの場合は制御側に問題があることがほとんどです。
まぁ、でもこのくらいではまだ動じません。
シャッタユニット側の接点ではないのであれば
今度はレンズ(受光体)及び絞り制御側の接点を清掃していきます。
さらに絞り設定を伝えるために
鏡胴内に固定抵抗がずらっと並んでいる場所があるのですが
(その固定抵抗の間を接点が通り摺動抵抗のような役割をしている)
その抵抗のハンダ付けを全部やり直します。
ここまで行ってやっとオート制御がまともに働くようになりました。
バルブもきちんと動作します。
まぁ電子制御カメラはいったんトラブルと手間がかかりますね。

作業時は余計なことは考えていなかったので
写真を撮るのを忘れました(苦笑)
写真は整備が完了した後のものです。
もともとボディの状態は良かったので
非常にキレイなエレクトロになりました。
動きも安定しているので全く問題ございません。
気持ちよく使っていただける状態になったと思います。

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