今日は10月7日。。。
「とう(10)なん(7)」(盗難)と読む語呂合わせから
「盗難防止の日」なのだそうです。
若い頃に車上荒らしとかあったこともありますが
本当に被害にあったときは実害そのものも痛いですが
精神的なショックも計り知れず大きいですよねぇ
最低限の戸締りとかは今や当然ですが
昨今、問題になっているネット上での情報流出による
銀行口座の被害なんかも怖いですよねぇ。。。
いったんターゲットになってしまったら
防ぎきれない部分もあるのではないかと。。。
昔はカギがかかってない家も多かったなぁ(苦笑)
友達の家に遊びに行って
声かけても誰も出ないし「あがるよ~」って中に上がっても
家に誰もいなかったなんて普通にあったし。。。
今じゃ考えられないですよね。
家にいても何が来るかわからないし
カギをかけるのは当たり前ですものねぇ。。。
いや、昔だって空き巣とか多かったとは思うのですが。。。
なんであんなに不用心だったのでしょう?今考えると不思議です。
さてさて
本日は「フジカV2」のカメラ修理を行っています。
1957年の「フジカ35M」から始まる
フジカ35シリーズの一員です。
フジカ35としては初代機の「35M」は
ピント合わせはボディ背面のギアで行い
巻上レバーは底部、巻き戻クランクはボディ側面と
その当時の標準的なデザインや機能の配置を
ことごとく打ち破ったモデルで非常に独創的なカメラでした。
今回の「V2」も巻上レバーこそ一般的な
ボディ上面に配置されたものの
背面ピント合わせや側面巻き戻しは引き継がれています。
確かにこの背面ギアでのピント合わせは
ちょっとクセになる操作性です。
親指1本で素早く合わせられるのはなかなか気持ち良いものです。
露出計はセレンではなくCdSとなり
シャッタースピード優先オートが搭載されています。
レンズは写りの評価の非常に高いフジノン4.5cmF1.8です、
このレンズを使いたいがためにこのカメラを使う方が
多いと言われるほど評判の良いレンズです。
シャッターユニットはシチズンMLTで
最高速はレンズシャッターとしては異例の1/1000です。
ファインダー内には設定したシャッタースピードが表示され
ご丁寧にスロー時には「slow」の表示が出ます。
AE時には露出計連動で絞り値も表示されます。
そんな機能満載なボディに優秀なレンズを搭載する
V2なのですが他のフジカ35シリーズのモデルと同様
今となっては非常に華奢な部分が多く
修理する立場としては困った部分の多いカメラです。
例えば今回のV2もスローガバナが全く効かないというトラブルがありましたが
このトラブルもこの時期のシチズンシャッターユニットで
よくあるトラブルで同じ系統のシャッターを搭載する
「35M」でもよくあるトラブルです。
言葉にするとわかりにくいのですがギアの軸の圧入が抜けて
ギアがフリーになってしまうことが原因で
修理するには部品取りのスローガバナが必要です。
今回はお客様がもう1台部品取り用個体を提供してくれており
その個体のスローガバナが無事だったので
何とか修理することができましたが
通常であればまず部品を確保することが大変です。
加えてファインダーユニット内の
ミラーやレンズの取り付けが比較的弱く
あちこちのミラーが外れたり緩んだりしている状況でした。
これもフジカらしいトラブルです。
こちらは調整をしながらしっかり補強しつつ取り付け直すしかありません。
自慢のファインダー内表示もなかなか厄介で
微妙な調整もできない構造なので
細心の注意を払って清掃整備を行います。
。。。ということでなかなか苦労の多かったV2ですが
非常に快調に動作するように仕上がりました。
外観はもともとキレイ目だったのですが
これもできる限り磨き上げました。
眺めているだけでもたしいほどのレベルだと思います。
噂のフジノンレンズの写りが気になりますね
是非、ご依頼者様に早く試してみていただきたいと思います。
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