キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は国旗制定記念日だそうですよ
日本の国旗と言えばもちろん「日の丸」ですが
1870(明治3)年の旧暦1月27日に
明治政府が日の丸を国旗とする
太政官布告の商船規則により国旗のデザインと規格を示したのだそうです。
江戸時代から日の丸は使われていましたが
デザインが微妙にバラバラで正式に決まっていなかったのですね
当時の規格は縦横の比率は7:10で
日の丸が旗の中心から旗ざお側に
横の長さの100分の1ずれた位置とされていたのだそうです。
これも1999(平成11)年8月9日に「国旗及び国歌に関する法律」が成立し
少し変更されており、国旗の縦横の比率は2:3
日の丸の直径は縦の長さの5分の3
日の丸は旗の中心の位置。色地は白色、日の丸は紅色とされています。
細かいことはともかく世界のいろんな国旗を見ていると
日本の日の丸はシンプルでよいなぁ。。。と思います。
子供にだって簡単に書けますものね

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」のカメラ修理を行っています。
「Aシリーズ」全モデルの基本であり1号機でもある
「AE-1」の後継機種です。1981年4月発売です。
機能的に大きく変わったというか追加されたのは
やはりプログラムオート搭載という部分なのですが
中身的にはかなり大きく進歩してして
上カバーを開いてみただけでも従来のAE-1との差が
歴然とわかります。
リード線の数も極力減り
よりフレキの利点を生かす方向へ変更されています。
従来のAE-1ではまだ糸連動とかも残っていたのですが
AE-1Pではもちろんありません。
露出計も指針式からLED式へと変更されました。
ファインダースクリーンも非常に明るく
ピントのキレの良いものに変更され
A-1まで存在していたプリズムとスクリーンの間に置く
コンデンサレンズもやっと省略されました。
AE-1登場から5年後のモデルなのですが
この時代の電子技術の進歩の速さを実感させるモデルです。
。。。とはいえ
機械的なシャッター機構やミラー駆動等は
やはり基本的にはAE-1のままなのです。
それだけ最初のAE-1の機械的構造がよく練りこまれた
できの良いものだったのだと思われます。
余談ですが当店で整備・修理が行えるキヤノン機は
このAE-1Pまでかと思います。
この後出るニューF-1やAL-1、Tシリーズは
現在のところ当店では修理・整備を行っておりません。

話を戻します。
機械的機構がAE-1と同様ということは
やはりAE-1PもAシリーズ全般の定番でもある
シャッター鳴きトラブルが起こります。
今回、お預かりしている個体もかなり派手な
シャッター鳴きが発生しています。
このシャッター鳴きはミラー駆動部のギアの油切れが原因で
発生するのですが
放置しておくと異音だけの問題ではなく
ミラーの動作もだんだんと遅くなっていき
最終的にはミラーが全く動作しなくなってしまいます。
異音が出ている時点で早めの対処を行っておきたい部分です。
マウントのネジ穴から注油して
とりあえず対処する方法が有名ですが
よほど中身の構造がよくわかっていないと失敗する可能性も高いです。
今回の個体はもちろんそんなことはなかったのですが
これまで何度もミラー駆動部周りが油まみれになっている
個体に遭遇しています。
油まみれのくせに肝心なギアには油が届いておらず
そのかわりにそばにある電気接点まで
油まみれにしてしまい接触不良を起こしている個体もありました。
やはりきちんと分解して肝心な場所を
清掃した上で必要最小限の注油を行うべきだと考えます。

まだ現状チェックを行って上カバーを外してだけの状態です。
シャッター鳴きは原因もわかっていて問題ないのですが
露出計が多少オーバー気味な上に妙に不安定で
例えばASA100・LV15でSSは1/125、露出計の値はF16が正解ですが
あるときはF11、あるときはF4といった感じで
大きく外れることがあるようです。
F11はまだしもF4は大問題です。
おそらく摺動抵抗の汚れ等が原因かとは思われますが
清掃の上、確認を行っていきたいと思います。
もちろんその前に基本的なシャッター周りの整備
ミラー駆動部の整備をこれから行っていきます。

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