ミノルタXG-Eのカメラ修理

今日は「500円札発行記念日」なのだそうです。
1951(昭和26)年のこの日に政治家・岩倉具視の
肖像の500円札が日本銀行より発行されたことに由来しています。
当時の1000円札と100円札の間を埋めるべく
登場した500円札(B号券)です。
ただ、私が個人的になじみがあるのは
この後(1969年11月)にマイナーチェンジされた
C号券のほうですかね。
B号券と同様に表面は岩倉具視、裏面は富士山ですが
印刷はより精緻になり透かしは桜花と波線で
その部分には印刷がされていないため容易に確認できました。
加えてC号券は全体的に青みがかっていて
B号券とも他の1000円札や5000円、1万円札とも明らかに
イメージが異なるのを子供心によく覚えています。
1982(昭和57)年に500円硬貨が発行され
1994年に支払いが停止されるまでは引き続き流通していました。
…意外と最近まで使われていたのですね…とはいえ30年近く経つのか…
懐かしいですね。
当時のお札、記念にピン札で取っておけばよかったな…

さてさて

本日は「ミノルタXG-E」のカメラ修理を行っています。
カルメン’77でお馴染みの1977年発売のカメラです。
同じ年に「XD」がデビューしており
位置づけとしては「XD」の普及版といえますが
中身は全く異なるカメラです。
まずXG-Eは布幕横走りシャッターです。
縦走りのXDとは基本的な部分が異なります。
で、この横走りシャッターなのですが
ミノルタ独自のユニット工法で作られており
非常に効率的に生産できるシャッターユニットだそうです。
縦走り機のシャッターはその多くがシャッターメーカー製のもので
ユニット化されていることがほとんどなのですが
横走り機でユニット化されているのは珍しいと思います。
ミノルタはSRの時代にも横走りシャッターをユニット化していた
時期があったのでそのノウハウもあったのでしょうね
で、多くのメーカーがしゃったーめーかーでユニット化され
生産効率の良い縦走りシャッター機に移行する中。
ミノルタはこのXG系フレームで横走り機のユニット化に成功したことで
後に続くX-7、X-700も横走りシャッターを採用し
逆にMF機としての縦走り機はXD系が最後となってしまいました。
オートフォーカスのαシリーズになると
他メーカー同様に縦走りシャッターのみの展開となります。
高速SSに対応しようとすると縦走り機が圧倒的に有利ですから
時代を考えると当然の流れではありますね。
…ということでこのXG系というのはミノルタにとって
非常に重要な位置づけのカメラだったわけですね。

お預かりのXG-Eはまず電源が非常に不安定です。
電源が入らないと全くシャッターの切れないカメラなので
まずは電源が安定しないことには話になりません。
で、SW部もクリック感が全くなくスカスカになってしまっています。
さらにミノルタX系では定番のプリズム腐食です。
プリズム前面に貼られているモルトが加水分解を起こすことが原因ですが
今回のXG-Eはファインダー視野の1/3以上が真っ黒になってしまっています。
これではさすがに撮影に支障があります。
腐食したプリズムはもうどうにもならないので
今回は中古良品のプリズムと交換で対処いたします。

装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
今回のXG-Eはご依頼者様のご実家で
長らく眠っていたもののようで
外装も随分くたびれてしまっていますが
もちろんそれも含めてしっかり整備していきます。
まだ現状チェックを行っただけの状態で
これから本格的に作業に取り掛かっていきます。

XG-Eは基本的に絞り優先オート露出で撮るカメラという
位置づけで露出計はオートの時のみオンになり
現在の絞り設定でこれからいくらのSSで
シャッターを切るかを知らせてくれるものです。
マニュアル時には完全に露出計はオフになるので
基本的に絞り優先オート専用機と考えたほうが良いと思います。
ちなみに後継のXG-Sになるとマニュアル時にも露出計が使えます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。