ニコンEMのカメラ修理

今日は「たまごの日」だそうですよ
「卵」という漢字が数字の「6」と「9」に似て見えることと
盛夏の前に卵を食べて
健康増進を図ってもらいたいとの願いからだそうです。
現在の食生活だと意識して取らなくても
いろんなものに卵が使われているのですが
やはりたまごが明らかに使われている料理や
たまごそのもの(ゆでたまごや卵焼きや目玉焼き)は
やはり美味しいですよねぇ
大抵のものが卵でとじてしまえば
美味しいというのもすごいですよねぇ
。。。とここまで書いて。。。
何か割と最近似たようなことを書いた気が。。。と思い
調べてみると5月22日が「たまご料理の日」だったのですね(苦笑)
たまご、大好きですし
ゆでたまごなんて準備さえしておけば
5~6個くらい平気で今でも食べてしまうと思いますが
今の私の身体でそんな無駄に多くたまごを食べると
あとでとんでもないしっぺ返しを食らうので
たまごは1日に1個までにしておきます。。。(苦笑)
たまごに限ったことではないのですが
食べたいものを食べたいだけ食べても
何も問題がなかった頃っていうのは
実はかけがえのないものだったのですねぇ
今、一時の感情で気持ちよく暴飲暴食すると
確実に数時間後か翌日にかなり気持ち悪くなりますのものねぇ(笑)

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年にデビューしたカメラです。
同じ年にフラッグシップである「F3」がデビューしており
フラッグシップとエントリー機、どちらもジウジアーロのデザインで
同時期にデビューとなったわけです。
ニコンというと「F一桁機」と言われるトップモデル
そしてそれに続く中級機はニコンらしく堅牢なイメージで
セールス的にも成功していましたが
いわゆるエントリークラスとしてはこのEMが初めてのカメラです。
この時代には物品税の関係もあり
ボディ本体4万円以下の「絞り優先オート専用機」が
各メーカーラインナップされていましたが
このEMでニコンもその市場に割って入ったわけです。
しかしながらプラボディで割り切った機能とした「EM」は
国内市場ではそれまでの「ニコン」のイメージとの落差からか
意外と苦戦します。
それでもそれなりにはもちろん売れていて
現存台数も多く今では逆に中古市場でも非常に人気のモデルです。
当時の国内市場では「EM」が意外に苦戦したことで
(海外市場ではなかなか好調だったそうです)
ほぼ同じボディにフルスペックの機能満載にした
「FG」を早々と追加投入することになりました。
現行発売中はそんな感じで国内市場でなかなか苦戦を強いられた
EMでしたがその秀逸なジウジアーロデザインや
他のニコン機にはない軽量コンパクトさ
割り切った機能とその使いやすさで
生産が完了した後に人気が出る形となってしまいました。
なかなか皮肉なものですね。
愛称は「リトルニコン」
Aiレンズ連動爪が固定式のため非Aiレンズの装着は不可能です。
たまに無理矢理非Aiレンズを取り付けている個体を見かけますが
オートも効かないしそのうち連動爪が破損します。

お預かりしている「EM」は
おそらく結構な長い間使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
保管環境は悪くないようで装着されていた
Aiニッコール35mmF2.8レンズにはカビもなくなかなか良い状態です。
ただし、ボディ側はいろいろ問題があるようです。
まずは電源が安定しません。
電池室は一見キレイなのですが電池を入れても
バッテリーチェックランプも非常に暗くしか点灯しません。
電池室裏側ハンダ劣化とSW部の接触不良のようです。
で、そこを改善しても今度は露出計が非常に不安定です。
EMはフィルムカウンターが1枚目にならないと
露出計SWも入らずシャッターはM90固定で切れるような仕様になっていますが
1枚目になっても露出計が全く動かないことが多々あります。
たまに思い出したように動き出したと思ったら
今度はその指針の動きが非常に不安定です。
これも今度はカウンター部、レリーズ部のSWの接触不良かと思われます。
露出計が安定していてもオートはまた別の問題で
少々不安定なので接点や摺動抵抗、マグネット関連も含めて
全体的に整備が必要な状態だと思われます。

80年デビューの電子制御カメラなので
中身はフレキで完全に覆われています。
何をするにもまずこのフレキを取り外すことから始まります。
はんだごてが大活躍するパターンですね。
露出計のついてないような50年代のカメラの場合は
はんだごてを全く使わないこともめずらしくはないのですが
この年代になるとはんだごてがないと何もできません
こうして考えると50年代のカメラと80年代のカメラでは
同じカメラとは思えないほど修理・整備に対する
アプローチが異なります。
とはいえまだ「EM」は整備性がかなり良いほうです。
それに修理不能になる可能性もゼロではありませんが
かなり低いほうだと思います。
ニコン機でこんな洒落たコンパクトなカメラ一眼レフは
この「EM」しかないと思いますので
今でもやはり人気が高いのはわかるような気がします。

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