ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は「ひまわりの日」だそうですよ
…といっても正確には植物の「ひまわり」ではなく
人工衛星の「ひまわり」です。
1977(昭和52)年のこの日に
日本初の静止気象衛星「ひまわり1号」が
アメリカのケネディ宇宙センターから打ち上げられたことに由来しています。
もちろん気象衛星「ひまわり」の由来は
植物の「ひまわり」で
常に太陽を向いているヒマワリのように
地球の方向を向いているという意味からきているそうです。
私が子供の頃、天気予報で
「「ひまわり」からの画像です」って言いながら
日本列島にかかる雲の写真が出てくるのが
毎日のように目にする光景でした。
最初の「ひまわり1号」は
1989年(昭和64年)6月30日に昭和が終わるのを見届けるように
運用を終えたのだそうです。
2号以降は鹿児島県の種子島宇宙センターから
打ち上げられていて
現在、運用されているのは
2014(平成26)年10月7日に打ち上げられた「ひまわり8号」であり
2015(平成27)年7月7日より運用されているそうです。
また、2016(平成28)年11月2日に「ひまわり9号」が
すでに打ち上げられており
2022年から運用を開始する予定であるそうです。
ひまわりの名も代々受け継がれているのですねぇ

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」のカメラ修理を行っています。
国産ダイキャストボディの二眼レフを
代表するカメラといってよいと思われます。
ミノルタは二眼レフに非常に力を入れていたメーカーで
1937年には「実質的に」日本初の二眼レフといえる
ミノルタフレックスⅠを発売しています。
ミノルタフレックスはⅢ型まで発展し
ミノルタコードにモデルチェンジされ
さらに1955年にミノルタオートコードにモデルチェンジされます。
写りの評価の高いロッコールレンズ
シチズンシャッター、ハラキリ型とも呼ばれるピントレバー
セルフコッキング+スタートマーク式のセミオートマットで
フィルム装填も巻上も確実簡単
フィルムの平面性を考慮し、上から下へ巻く方式
ざっと思い浮かぶだけでも
非常に数々の利点や優れた部分が思い浮かぶカメラです。
実際に手にしてみても上から露出設定が確認でき
左手はボディを支えたまま
ほぼ右手だけの操作で巻上から撮影まで
スムーズにこなせるよく考えられた操作系となっています。
私も祖父から引き継いだオートコードLを持っていますが
いつ使っても使い勝手の良い二眼レフです。

お預かりしているオートコードは
オートコードの中でも1番人気のⅢ型です。
オートコードとしての最終モデルにもあたり
レンズコーティングも新しいタイプになり
220フィルムにも対応しています。
外観も非常にキレイな個体で
シャッターも精度はともかく普通に切れています。
ファインダーは少々汚れがありますが
それほど大きな問題があるほどではございません。
ただ、ピントレバーが全く動きません。
完全に固着してしまっています。
二眼レフのピント調整の固着は
オートコードに限らずよくあるトラブルで
発売されてから60年以上経過することもあり
かなり長い時間をかけて「がっちり」固着してしまっているものも多いです。
これを無理に動かそうとしても
ほぼピントノブやピントレバーを破損して
取り返しのつかないことになり頭を抱えるのがオチです。
特にオートコードは経年劣化もあり
ピントレバーそのものの強度が落ちていることもあり
無理すると簡単に折れてしまいます。
動かない、あるいは動きにくいものを
無理して動かすのは古い機械に対しては厳禁です。
でも「力」で何とか動かそうと思う方が多いのも事実で
オークションサイトとかを見ていると
レバーの折れたオートコードを割とよく見かけます。
それも絶対に気づいているはずなのに
それには一切触れず「状態は画像で確認してください」となっています(苦笑)
酷いものになると折れた部分が見えにくいような
(それでもクレームになるからギリギリで見えるような絶妙な角度)
アングルで商品写真を撮っているものもあり
本当に信用ならないなぁ…と苦笑いするしかないようなものも
よく見かけます。
すみません、話が逸れました
…というわけで無理してレバーが折れてはならないので
慎重にばらしてヘリコイド部の固着を解消することから始めます。

ヘリコイド部までたどり着くのは結構大変で
完全にレンズボードは外してしまわないといけません
で、ヘリコイド部そのもの(一番内側の金リング部)は
全く固着していなくて
その線条ヘリコイドを動かす銀リング側が
(ピントレバーが噛みこむリング)が
完全に固着してしまっています。
直接、力で動かそうとしてもビクともしません
無理に動かすのは厳禁なので
溶剤を入れて固まった古いグリスを溶かしながら
焦らずに気長に少しずつ動かします。
数時間そうこうしているうちに
やっとボロンと銀リングが外れました
外れさえすれば表面を清掃して磨き上げ
グリスを薄く塗りスムーズに動くように再組立てします。
こういう作業はなかなか時間がかかる上に
時間が読めません。
でも焦るとロクなことにならなりません
短気を起こして強引に作業…なんてもってのほかで
イライラしてもいけません
時間さえかけてゆっくりやれば
必ずどこにもダメージを与えずに外れると
信じて作業を行います。
なかなか根気のいる作業です(苦笑)

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