オリンパス35DCのカメラ修理

今日は「ピアノの日」だそうですよ。
1823(文政6)年のこの日に
オランダ商館医となるドイツの医師シーボルトが
日本に初めてピアノを持ち込んだとされています。
この「日本で一番古いピアノ」は
山口県萩市の「熊谷美術館」に保存・展示されているそうです。
製造されたのは1806(文化3)年頃のイギリス・ロンドンで
四角いテーブルのような形をしたスクエア型の小型のピアノです。
足を外して持ち運ぶこともできるそうです。
ピアノの音色ってなんともまろやかでいいですよね。
小学校の頃からの友人が
その頃からいまだにピアノを趣味で弾き続けていますが
たまに帰省した際にその友人宅で聴かせてもらっています。
クラシックのレコードとかで聴くピアノももちろんいいですが
目の前で聴く生のピアノの音は本当に耳ざわりが良く
心地いいものです。
またお盆に帰省した際には
お邪魔して聴かせてもらおうかと思っています。

さてさて

本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
1971年発売のカメラです。
「デラックス(D)なコンパクト(C)」小型高級カメラですね。
Fズイコー40mmF1.7の大口径レンズを搭載します。
露出制御はプログラムシャッターを露出計と連動させた
プログラムオート専用機です。
大口径レンズの恩恵もあって光量の少ない場面でも
プログラムオートで写真を撮ることが可能です。
この時代のフィルム感度はASA100が主力なので
室内や暗い曇天、朝夕の撮影時に大口径レンズは
重宝したと思います。
セイコー製シャッターユニットは機械制御で動作しますが
先述したように露出計指針と連動して制御されます。
そして露出計の指針が振らないような低光量下では
シャッターロックがかかるようになっています。
そのため露出計がキチンと作動していて
電池を入れないとシャッターが切れません。
レンズキャップをしている際やフィルム装填時用に
強制的に露出計を動作させてシャッターを切るボタンも
装備されていますが
いずれにしても電池が入っていることが動作の前提になっています。

お預かりしている「35DC」は
セルフタイマーでシャッターを切ろうとして
その際に電池が入っておらずそのままシャッターロックが
かかったような状態で当店にやってきました。
この状態に陥っている「35DC」は割とよく見かけますね。
そのセルフタイマーも固着してしまっていて
前にも後ろにも進めない状態になってしまっています。
このままだと現状がわからないので強制的に
セルフタイマーを何とか解除したのですが
案の定、電池を入れても露出計は動かない状態です。
電池室はキレイなのですが配線やハンダの劣化で
導通不良になってしまっていると思われます。
そのあたりの修理も含めた整備一式を行っていきます。

外観の状態は良く丁寧に扱われてきたことがわかります。
露出計指針挟み込み式オート露出のカメラは
この時代にはいろいろとありますが
「35DC」はその構造というか配置が少し変わっていて
露出計本体は底部に配置されています。
底板を外せば露出計本体が確認できます。
ここでオート制御の調整もある程度可能です。
ただ、電池をセットするためには底板を付けなければいけません…
指針の動いている様子は
張り革の下の前板の確認用の
小さな穴からも見ることができます。
まだ現状をか確認しただけの状態ですが
ここから分解を進めて各部の修理点検整備を行っていきます。

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