今日は12月第三土曜日ということで
「大洗濯の日」なのだそうです。
日付は年末の掃除や洗濯の準備を始めるのが12月の3週目が多く
しっかり取り組みやすい日としてその土曜日としたのだそうです。
大掃除の洗濯版ですね!
私は一人暮らしだからそれほど大物の洗濯モノはないのですよねぇ
自宅にカーテンもないし…(苦笑)
強いて言えば冬から夏まで一年中
敷きと掛けに使っている2枚の毛布くらいか…
たまにコインランドリーに持ち込んで洗濯乾燥していますが…
あれ?前回したのいつだったっけ???(汗)
自宅もお店も大掃除しなくちゃな…
結構大変なのですよ。1日じゃ終わらないし…
ちっと身体が不自由になってしまってからは
なおのこと時間がかかる…(笑
でも大掃除・大洗濯の達成感は気持ちよいものですものね~
大洗濯はともかく大掃除はことしもがんばるか!
あ、でもさすがにまだ10日ほど先の話です…
さてさて
まだまだ年末大掃除よりも日常業務のラストスパートです!
本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
非常に滑らかな巻上で一部のコアなファンに人気のカメラです。
ミノルタらしく機能的なスペックより
数値に表れない「使い心地の良さ」が魅力のモデルです。
ミノルタXシリーズとしては2機種目となるカメラです。
1機種目のフラッグシップX-1登場翌年の1974年に発売されました。
Xシリーズですから当然電子制御シャッターなのですが
X-1とは異なりコパル・ライツ・ミノルタの3社で開発した
金属羽根縦走りのコパルライツシャッターを採用しています。
このシャッターユニットも抜群の使用感に大きく貢献しています。
ただし電子制御機としては比較的初期のモデルに当たり
ボディも大柄で重く、電気的なトラブルも比較的多いカメラです。
基板内トラブルが発生すると修理不可能になることも多々あります。
おまけにXEの最大の困った点は何といってもプリズム腐食です。
プリズム前面と固定枠の間に遮光用と緩衝材を兼ねて
大きなモルトプレーンが貼られていて
無対策だとほぼ間違いなく加水分解を起こします。
そのモルトの加水分解からプリズム蒸着部への腐食となり
蒸着が剥がれ落ちてしまいます。
剥がれ落ちるとファインダー視野内中央近くに
大きな横方向の黒い帯が出現します。
こうなるとプリズム交換しか方法はありませんが
XEの腐食のないプリズムはもはや入手が非常に困難です。
お預かりしているXEはファインダーを覗く限り
プリズム腐食はないようです。
ただ安心できません。
無対策だと加水分解したボロボロのモルトがそのままの可能性があり
プリズムを降ろした瞬間に蒸着が剥がれ落ちてしまうことも
よくあるからです。
プリズムばかりがどうしても気になってしまいますが
ご依頼者様からご指摘を受けているのは
電源が全く入らず、当然シャッターもまともに切れない…といった症状です。
XEは電源が入らなくても「X」と「B」だけは
メカニカルで動作する仕組みになっています。
昨日のFEでも書きましたが「B」が機械制御なのはいいですね!
他の電子制御シャッターは電源が入っていないと
とりあえず切れますがシャッターは開かず
ミラーアップしたままになってしまいます。
これも昨日のFEと同じく電池室からうまく電源が供給できないようです。
さらにファインダー内、露出計表示付近のみが
異様に暗く見づらいとご指摘をいただいているので
確認してみると確かに仰せの通りです…
何がどうなってるんだろう?とミラー側からスクリーンを覗いてみると
なんとスクリーンの脇が熱か何かで大きく変形しています。
スクリーンはプラスチックですから変形することはありますが
なんでこんなことに…はんだこてでも当てたのか?というような状態です。
何にしろあまり良い扱いを受けていない個体のようです…
スクリーンは中古良品と交換で対処します。
プリズム周りが気になるのでまずはプリズムを降ろします。
フィルム室のモルト等は交換した形跡が見られるので
プリズム周りももしかしたら処置済みかも…と淡い期待を持ちましたが
そんなことはありませんでした。
ファインダー枠には劣化したモルトがべったり付着して
プリズム側にも付着しています。
このモルトを無理に剥がすと間違いなく蒸着も剥がれるので
このまま蒸着が剥がれないようにできる限りの処置を行っておきます。
これでいつまでもつか正直なところわかりませんが
そのままにしているよりは全然マシなはずです。
枠側に付着しているモルトはキレイに除去します。
それにしてもこの状態でよく蒸着面まで腐食が達していないものです
たまたま運が良かったとしか思えないですねぇ
プリズムの確認はできたので
これから本格的に電池室が整備できるところまで分解を進めます。
それと並行して各電気接点や摺動抵抗の清掃整備を行います。
電子制御機は電気接点の状態が非常に重要な要素です。
とりあえず修理不能な状態になるような電気トラブルはないようです。
それでも何が起こるかわからないカメラなので
慎重に整備を進めていきます。
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