キヤノンF-1のカメラ修理

今日は絡みやすい記念日のない日ですねぇ
で、近年の2月7日に起こった出来事を調べてみると…
1979年2月7日に冥王星が1930年の発見から初めて
海王星の軌道の内側に入る…なんてことがありましたね
当時、私は10歳でしたがこのことはよく覚えてて
太陽から近い順番で
「水金地火木どってん海冥」だったのが
「水金地火木どってん冥海」になった!って話題になりました。
1999年2月11日までこの状態が続き
今はまた冥王星の方が太陽から遠くなっているのですが
2006年には冥王星はいわゆる惑星ではなく
「準惑星」との区分になっており
海王星とはよく軌道が「交差」していていると言われますが
実際に冥王星と海王星がぶつかるようなことはあり得ないそうで
(その辺りの説明を書き始めると
非常にややこしい上に長いので割愛)
実際にこれまで最も近づいたの1896年6月で
距離にして18.9au(地球と太陽の距離の18.9倍)だそうです。
もう太陽系の中だけでもスケールが大きすぎて
わけわかりませんね(笑)
でもこの季節は寒いですが
空気が澄んで星空がキレイに見える季節です。
いろいろな思いを馳せながら
少し星空を眺めてみるのもいいかもしれないですね!

さてさて

今日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
一昨日もモントリオール五輪記念モデルの
F-1の修理を行っていますが
今度はいわゆる後期モデルの「F-1N」です。
F-1がデビューしてから5年後の
1976年にマイナーチェンジされたモデルです。
外観はほとんど変わりませんが
変更点は10ヶ所以上あり使い勝手が向上したモデルです。
参考までに変更点は下記になります。

・フィルム巻上角度が180度から139度に
予備角が15度から30度に変更
・巻上レバーの形状変更及び指あてが追加
・対応フィルム感度がISO25-2000から25-3200に変更
・シンクロターミナルがねじ止め式に変更
・ミラーの反射率変更、スクリーンマット部粒子の微細化
・シャッターボタン受け皿部の形状変更
・ファインダー接眼レンズに多層膜コーティング
・ファインダーアイカップ部をゴムリングに変更
・標準スクリーンが「A」から「E」に変更
・バッテリーチェックボタンが自動復元式に変更
・ボディ背面にメモホルダー追加
・巻戻しクランクを引き上げた際のクリックを追加

時間がないので実際に確認したわけではなく
資料を丸写ししただけですが
細かい部分が多いですが結構変更されています。
このマイナーチェンジで使い勝手を向上させ
基本的な部分はデビュー時の宣言通り
「向こう10年間は不変」を守り
1981年の「ニューF-1」デビューまで
キヤノンのフラッグシップ機として君臨します。

お預かりしている「F-1N」は
F-1には多いトラブルである
フラッシュ接点不灯のトラブルを抱えています。
フラッシュを繋いでシャッター切っても
フラッシュが点かないということですね。
接点の形状が少々変形しやすく
シンクロしてオンにならないことが原因です。
他にも露出計は不動でバッテリーチェックは不安定
高速シャッタースピードの精度不良等が見られます。

テストも兼ねてフラッシュカプラーを装着した状態で
お預かりしました。
装着されているFD50mmF1.4s.s.cはピントリングや
レンズ装着時に少々ジャリ感があるとの
ご指摘を受けていましたが
実際に何か汚れや砂を噛みこんでいる訳でなく
金属面のスレ感が出ているようです。
摩擦面の摩耗によるものもあり
できる限りの清掃・整備で対応しています。
レンズにはSSCレンズにありがちなコーティングの痛みが
若干ありそれは改善できませんが
できる限りの清掃で通常使用には問題ないレベルにはなっています。

…毎回言いますが…文句ナシにカッコ良いですね。

かなりの部分で溶剤等での洗浄の上、注油も行っているので
少し馴染むのを待ってから最終チェックを行います。
問題なければ完成となります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。