今日は3.11ということで
記念日も震災に関するものが大部分を占めるのですが
ここで私が当たり前のことを繰り返しても
しかたないので何か他のネタを…
記念日ではないですが
1992年のこの日に自動販売機の缶ジュース類が
100円から110円に値上げされました。
今でもいろいろな理由で100円で売っている自販機もあるのですが
定価として100円ではなくなったのはここからだったのですよねぇ
それまではキリの良い100円だったのが当たり前だったので
かなり違和感を感じた記憶がありますねぇ(笑
ちなみに100円に設定されたのは1984年で
その後、1992年に110円、1997年に120円
2014年に130円と推移しています。
このあたりを見ても物価上昇のバロメーターとも言えますねぇ
これもそのうち200円とかになるのかな…
それ以上に稼ぎが上がっていればまだいいのですが
お金の価値が落ちていくわけですものねぇ…
まぁ貯金も資産もない私にはあまり関係ないのか…(苦笑)
さてさて
本日は「コニカオートS2」のカメラ修理を行っています。
コニカオートSシリーズは同時期に発売されていた
「コニカSシリーズ」にシャッタスピード優先AEを搭載したシリーズです。
「S2」の前身となる「S」は
世界で初めてCdSを受光素子に採用した
シャッター速度優先式自動露光カメラとなりました。
その翌年の1964年にCdSを上カバー巻上側前面から
レンズ上部のフィルター枠内に移動して
レンズフィルターによる露光倍数を補正する必要のなくなった
「オートS2」がデビューします。
その際にレンズも変更され47mmF1.9→45mmF1.8となっています。
この時代ですから少し大柄ではありますが
その分ホールディングしやすくガッチリ造られた
距離計連動カメラです。
シャッタユニットは「S」と同じくコパルSVAで
B・1s~1/500のSSとなっています。
お預かりしている「オートS2」は
お約束のシャッター羽根固着はなくシャッターは切れているのですが
絞り羽根が最少絞りで固まったまま全く動きません。
オートS2の絞り羽根はキヤノネットと同じく
リリース状態のときは絞りリングを操作しても
以前の絞り羽根位置のまま動かないのが正常ですが
巻き上げた瞬間に絞りリングで設定した絞りに
設定されます。オートの場合は開放になります。
マニュアルの場合はレリーズすればそのまま切れますが
オートの場合はレリーズしながら露出計の針を挟み込み
その指針位置によってどこまで絞り込むかが決定されます。
いずれにしても非常に小さな力で
絞り羽根を動かすので汚れや油等の付着があれば
簡単に羽根は固着してしまいます。
製造から60年弱…何もしなければ固着しない方が不思議かもしれません。
さらに今回のオートS2は露出計が全く不動です。
電池室は一見キレイなのですが
そのうらの端子部には緑青がびっしり付着していました。
やはり水銀電池から出るガスでやられるのですね
例え液漏れがなくても全く安心はできません。
配線も腐食してしまっているのでそのあたりも交換で対処します。
画像は一通り整備が終わった状態でのものです。
絞り羽根も露出計も問題なく動作し
オートの精度も全く問題ございません。
カビが発生していたレンズも
クモリが酷かったファインダーもできる限りの清掃を行い
かなりクリアになっています。
ボディの大きさに余裕があることもあり
非常に整備性の良いカメラです。
羽根清掃のためにシャッターユニットを単体で降ろすには
それなりに手間もかかりコツも必要ですが
レンズボード脱着までは非常に簡単に行えます。
この後のC35の登場以降は
ポケットに入るくらいのコンパクトなボディが
もてはやされますが
この時代のしっかり造られた少し大柄なボディの
レンズシャッター機はどれも非常に良くできていて
再評価されても良いと個人的には思います。
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