リコーハイカラー35のカメラ修理

今日は「カメラ発明記念日」だそうですよ。
1839年のこの日にフランスの画家・写真家の
ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが写真機を発明しました。
この写真機は発明者の名前をとって
「ダゲレオタイプ(daguerréotype)」と呼ばれ
長時間露光させるため写真機の前で
長い間じっとしていなければならなかったが
大変な人気を集めました。
ダゲレオタイプは銀メッキをした銅板などを
感光材料として使うため、日本語では「銀板写真」とも呼ばれます。
この頃は日中屋外でも10分~20分の露光時間が必要だったそうです。
初期の写真機はその手間や準備、事後の処理も大変ですが
これが最初の一歩だったわけですね
感光材料はその後、写真湿板、写真乾板、そしてついにフィルムへと進化し
写真機もそれに対応して進化していくわけですね。
それから考えたら現在のデジタルカメラなんて
正に夢のようなアイテムなのですよね!
この200年弱の間にこれだけ進化したと思うと
少しばかり感慨深いですね!
そんなことにも思いを馳せながら
今日もカメラに触れていきたいと思います。

さてさて

本日は「リコーハイカラー35」のカメラ修理を行っています。
簡単にいうとここでもよく登場する
リコーオートハーフのフルサイズ版とも言えるカメラです。
最初はオートハーフと同様にセレン光電池を使用した
「オートショット」が1964年に発売され
その後の1968年に露出計受光素子をCdSとした
「ハイカラー35」が登場します。
基本的な構造はこの時代に多い指針挟み込み式の
SS優先オートですが
SSはオート時に1/125固定の為
実質的にはシャッタスピード固定のプログラムオートとも言えます。
フラッシュモード時にはSSは1/30に固定となり
絞りは任意で設定が行えます。
ピントは目測ゾーンフォーカスで
レンズは3群4枚のリケノン35mmF2.8を搭載します。
そして何といってもオートハーフ同様にゼンマイ式の自動巻上です。
ただし、このゼンマイ巻上機構、基本的にオートハーフのものと共通で
オートハーフではゼンマイをめいっぱい巻いておくと
20数枚自動巻上が行えますが
35mm判でフィルム送りが倍となるハイカラーでは
10枚ちょっとでゼンマイを再度巻く必要があります。
致し方ない部分でもありますがちょっと手間が多いような気もします。
それでもこの自動巻上げは十分に楽しいのですが…

お預かりしている「ハイカラー35」は
露出計が全く動いていないようです。
露出計周りの接触不良が原因かと思われます。
加えて目測ピントリングが固着していて全く動きません。
シャッターユニットも含めて
やはり全体的に整備の必要な状態です。

オートハーフとはまた違った感じで独特のフォルムです。
今回のハイカラーはレリーズボタンが前面にある
初期モデルです。中期以降のモデルは上カバー部に
レリーズボタンが移設されます。
結果的に露出計は問題なく動作してオート精度も問題なくなったのですが
露出計が動作するようになってもCdSの劣化のため
どうにも精度が確保できなかったので
今回はCdSを中古良品に交換して対処しています。
他、レンズやファインダーは清掃で問題なくクリアになり
シャッタユニットの整備で
シャッターも非常にスムーズに動作しています。
もちろん巻上部の整備も行い快適にゼンマイ自動巻上も行えています。
オートハーフとはまた違う感じで
このハイカラーも使っていて楽しいカメラです。
快調になったハイカラーで
ご依頼者様にも存分に楽しんでいただければと思います。

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